人事の平均年収とは？年収を上げる方法や求められるスキルを紹介

企業の人事担当者として働くなかで「今の年収は平均年収よりも低いのか、もしくは高いのかが気になる」「今の年収よりも上げたい」などの疑問を持っている方も少なくないでしょう。

そのような人事担当の疑問を解決するために、本記事では人事の平均年収データ、年収が高い人事の特徴や年収を上げるためにできることを解説します。

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人事の年収は？

まずは人事の年収について、全体の平均年収だけでなく、年代、担当業務、役職でもみていきましょう。

人事の一般的な平均年収

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「jobtag」によると、令和5年度の人事事務の年収（全国）は493.4万円という結果です。

また、一般的な転職サイトや転職口コミサイトでも、４８０万円～500万円が人事の平均年収となっています。

したがって、人事の平均的な年収はおおむね500万円前後であるといえます。
令和５年分民間給与実態統計調査結果によると、日本の平均年収は460万円なので、人事職の年収は平均水準よりも高い年収をもらえる職種なのです。

しかし、人事職に限ったことではないですが、人事業務未経験で転職する場合には、平均年収の500万円前後よりも低くなる可能性があります。

年収が下がってしまっても人事としてのキャリアを築いていきたいという方は、人事職にチャレンジしましょう。

参考：人事事務｜職業情報提供サイトjobtag
令和５年分 民間給与実態統計調査｜国税庁

年代別でみる人事の年収

厚生労働省が運営する職業情報提供サイト「jobtag」によると、人事の年代別の平均年収は以下のような結果となっています。

20代

• 20歳～24歳：322.88万円
• 25歳～29歳：416.22万円

30代

• 30歳～34歳：432.63万円
• 35歳～39歳：481.78万円

40代

• 40歳～44歳：514.7万円
• 45歳～49歳：531.54万円

上記を見ると、年代が上がるごとに年収も上がっていくことがわかります。

年代が上がると担当できる業務が増え、責任あるポジションを任されやすくなることが理由のひとつです。
参考：人事事務｜職業情報提供サイトjobtag

担当業務別でみる人事の年収

人事には採用業務だけではなく、労務や人材教育、人事制度設計、新卒・中途の採用企画など、さまざまな業務があります。

一般的に、担当者クラスが採用や労務を担当し、経験を積んでポジションが上がると人材教育や人事制度企画などを担当するようになります。また、役職者は人事部門のマネジメントを担当します。これにしたがい、年収も担当業務ごとに違いが生じます。

採用スタッフや給与計算・勤怠管理などの労務担当者、人材教育担当は400万円～600万円が目安です。

一方、人事制度設計や採用企画などを担当する場合は、業務難易度が高いため600万円～800万円と年収水準が高くなります。

参考：一般社団法人人材サービス産業協議会｜転職賃金相場2023 人事

役職別でみる人事の年収

役職による違いもあります。

「jobtag」によると人事課長の年収（全国）は885.3万円なので、人事事務の年収493.4万円と大きな違いがあります。
また、課長のほかにマネージャー候補や部長候補、部長といった役職になると800万円以上の年収になるケースは少なくありません。

参考：人事課長｜職業情報提供サイトjobtag

一般社団法人人材サービス産業協議会｜転職賃金相場2023 人事

年収別によって求められる人事スキルや経験の違い

年収によって求められる人事に関すスキルは異なります。
自身のスキルはどの年収帯に該当するスキルなのかを把握しておくことで、年収アップのための行動をとるべきなのか、スキルに見合った環境に転職を検討するべきなのかが明確になるでしょう。

年収400万円未満で求められる人事スキルや経験

採用スタッフや給与計算、福利厚生業務などの人事労務全般の担当者レベルです。

人事経験者や基本的な人事労務業務の経験スキルを求められます。未経験の場合では、人材業界出身者など親和性の高い職種での経験が求められます。

年収400万円～600万円未満で求められる人事スキルや経験

エリアマネージャー、リーダー、リーダー候補、メンバーのレベルです。

採用・教育・給与などの人事業務に対応できるスキル、キャリアアドバイザーや総務経験、簡単な読み書き程度の英語スキルなどが求められます。

年収600万円～８００万円未満で求められる人事スキルや経験

人事制度、その他人事全般の課長・マネージャー候補、係長のレベルです。

ここまでの給与帯になってくると、外資系企業の日本法人が対象になるので英語スキルがあると評価されます。

また、人事実務、労務実務含む多様な経験、マネジメント経験も必要です。

年収800万円～1000万円未満で求められる人事スキルや経験

グローバル企業での、人事企画部長候補、課長、アシスタントマネージャーなどのレベルです。
基本的な人事業務に加えて、採用企画経験、給与計算業務などの経験や日常会話レベルの英語スキルが求められます。

年収１０００万円以上で求められる人事スキルや経験

グローバルに展開している外資系の課長以上・日系企業の人事責任者・部長レベルです。

幅広い人事業務や人事部門全体のマネジメント経験、ビジネス英語スキルが求められます。

参考：転職賃金相場2023｜一般社団法人 人事サービス産業協議会

人事で年収が高い人の特徴

人事が年収アップを目指すうえで、どのような人が高年収なのかを知ることは有益です。

年収が高い人事人材には、以下のような特徴があります。

高度な人事に関する専門知識とスキルがある

年収が高い人事人材は、人事業務に関する高度な専門知識とスキルをもっています。

たとえば、労働法や社会保険制度の法律知識、人材開発や組織設計に関する知識やスキルなどが挙げられます。

また、HRテックを駆使し、データにもとづいた人事戦略を立案・実行できるスキルもあります。

マネジメント能力がある

人事部門での経験を積み、チームを率いるマネジメント能力を磨くことも、年収アップにつながる要因のひとつです。

マネジメント能力がある人事人材は、チームを効果的にリードしてメンバーの能力を最大限に引き出す力があります。評価を受ける指標のひとつでもあり、昇給や昇進にもつながりやすいため、年収も高くなりやすいです。

戦略的思考力がある

人事はオペレーション業務を遂行するだけでなく、企業の経営戦略と密接に関わる役割を担っています。

年収が高い人事担当者は、ビジネスの全体像を理解し、人材戦略を企業の目標にあわせて設計する能力が求められる傾向です。組織の課題を見極め、解決策を提案できる戦略的な思考力は、ほかの人事担当者と差別化できる部分できるでしょう。

コミュニケーション能力が高い

人事担当者は、従業員から経営陣、求職者や外部関係者までさまざまなステークホルダーとのコミュニケーションが求められます。

とくに年収が高い人事担当者は、交渉力やプレゼンテーションスキルに優れており、複雑な情報をわかりやすく伝える能力があります。採用交渉や労使の交渉といった場面では、優れた交渉力を発揮できます。また、人材育成や人材管理の観点から、従業員のモチベーションを引き出すコミュニケーションスキルがあるのも特徴です。

語学力やグローバルな視点がある

語学力がある人事担当者は、グローバルな人材の採用や育成、異文化間のコミュニケーションにおいて力を発揮できます。

グローバル企業での活躍が期待でき、年収も上がりやすくなります。また、グローバル企業では国際的な人事戦略を立案・実行する能力も求められるため、グローバルな視点をもつことは年収を上げるための重要な要素となります。

人事が年収を上げる６つの方法

ここからは、人事人材が年収を上げるための有効な方法を解説します。

担当の人事業務の幅を広げる

人事が年収を上げるためには、担当業務の幅を広げることが効果的です。

給与計算や採用業務だけでなく、人材育成や組織開発といった多岐にわたる業務に挑戦することで、企業内での価値を高めることができます。

とくに、経営陣との連携が求められる戦略的な業務に関わることで、自身の市場価値を向上させることが可能です。

人事における専門性を極める

特定の分野において専門性を極めることも、年収アップのための方法のひとつです。

たとえば、コンプライアンスや労働法に関する深い知識をもつことで、企業のリスク管理に貢献できる人材となれます。

その分野に関して欠かせない存在になれば社内での評価が上がり、年収も上がりやすくなります。

人事のスキル評価が高まる資格を取得する

人事に関連する資格を取得することで、専門知識を客観的に証明し、年収アップにつなげることができます。

たとえば、社会保険労務士やキャリアコンサルタントなどの資格は、企業内での役割を広げるために役立つだけでなく、転職やキャリアチェンジの際にもよい条件を獲得しやすい資格です。

人事の管理職ポジションのキャリアを目指す

人事部門での管理職ポジションを目指すことは、年収を大きく引き上げるための方法です。

チーム内でリーダーシップを発揮し、戦略的な意思決定に参加することで、企業の経営に寄与することができます。

また、管理職としての経験はほかの企業への転職時にも大きなアドバンテージとなり、好待遇での転職にも期待できます。

人事コンサルタントになる

人事の経験を活かして人事コンサルタントとして独立する、コンサルティングファームで働くといった方法も、高収入を得る方法のひとつです。

人事コンサルタントは、企業に対して人事戦略や組織開発に関するアドバイスを提供する職種です。一般的にコンサルティングファームは年収水準が高く、独立した場合には努力次第で大きな収入を得ることができます。

人事の年収が高い企業に転職する

人事の経験を活かして転職することで、年収を大きく上げられるチャンスが広がります。

たとえば、人事の役割が多岐にわたるベンチャー企業や、成果主義の企業への転職は、より高い給与が期待できる場合があります。

転職によって異なる経験を積むことで、自身のスキルと知識を向上させることができ、さらなる年収アップも可能です。
次項では、具体的にイメージしやすいように、人事で年収が高い企業の求人例を紹介します。

人事で年収水準が高い企業の求人内容の例

人事職で年収水準が高い企業では、どのようなスキルや経験を持っている人材を求めているのかが分かりやすように、いくつかBEET-AGENTに掲載されている求人をご紹介します。

年収580万円～680万円｜人事部長も目指せる採用担当（新卒・中途）／東京都渋谷区

職種	採用担当（新卒・中途）
年収	580万円〜680万円
必須要件	企業における人事採用経験3年以上（新卒採用・中途採用どちらも行っている方歓迎）
業務内容	当社の人材開発部署における、採用業務/労務業務（ご経験、スキルに応じて）をお任せ致します。

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年収600万円〜900万円｜成長企業の人事マネージャー／食品業界／東京都千代田区

職種	人事（企画担当）※マネージャーポジション
年収	600万円〜900万円
必須要件	■人事領域（制度運用、人材育成、組織づくり）にてご自身で起案＆承認を行い成果創出まで一気通貫で行った経験をお持ちの方 （例） ・人事評価制度の部門浸透に向けた一連の工程を経験した方 ・1on1や研修制度などの人材育成領域において企画から導入まで経験した方 ・正社員登用や人事異動の仕組を体系的に企画し導入した方 ■人事として企業の変革過程を支えた実績をお持ちの方 ■リソースがない中で業務内容を組み立てPDCAを実現できる方
業務内容	・MVVや新人事評価制度の現場浸透に向けたPDCAサイクルの実現 ・従業員サーベイを起点としたESの向上とチームビルディング及び組織開発の推進 ・社員登用や異動配置の最適化に向けた体制の構築と仕組化の導入 ・モチベーションアップを実現する環境整備、人事制度企画と実装　 ・1on1や人事起点での社員育成の仕組みづくりと浸透

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年収800万円～1,200万円｜【採用責任者候補】リユース業界／年間休日128日／働きやすさ◎／東京都新宿区

職種	採用責任者
年収	800万円〜1200万円
必須要件	・事業会社での採用経験 ※新卒、中途採用どちらもご経験があると尚可 ・人事関連領域におけるプロジェクトマネジメント経験 ・組織マネジメント経験
業務内容	・新卒・中途採用における採用戦略および採用広報戦略の立案・推進 ・多様なチャネルを駆使した母集団形成に向けた企画立案・実行 ・グループの魅力訴求や面接品質の向上に向けた企画立案・実行 ・各種KPI管理の高度化と改善に向けた施策の立案・実行 ・オンボーディング施策の立案・実行（定着と人材開発を含む） ・採用ブランディングの向上のための企画立案・実行 ・選考プロセス改善による採用CXの向上 ・そのほか採用領域に関する業務（採用DX、ATSリプレイスなど） ・メンバーマネジメント　など

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人事が年収を上げるための転職を成功させるポイント

転職を通じて人事職で年収アップを狙う場合は、以下のポイントを意識して転職活動を進めることが大切です。

自分の市場価値を把握する

転職で年収アップを目指すためには、まず自分の市場価値を正確に把握することが重要です。

そのためには同じ業界や職種での年収水準や求人情報をリサーチし、自分のスキルセットがどれほどの価値をもつのかを確認しましょう。

また、自己分析をおこない、強みや弱みを明確にすることも有益です。

年収水準が高い業界・企業を選ぶ

年収アップを狙う際には、年収水準が高い業界や企業を選ぶことが効果的です。

たとえば、IT業界や金融業界などは一般的に年収水準が高い傾向があります。また、大手企業では福利厚生が充実している場合が多く、各種手当や費用補助などを受けることが可能です。

業界や企業選びの際には、自分のスキルや経験を活かすことができ、かつ高い給与を得られる環境を選びましょう。

外資系企業へ転職する

外資系企業への転職も、年収アップのひとつの方法です。

外資系企業は成果主義的な給与体系を採用していることが多いため、スキルや実績に応じた高い年収が期待できます。また、英語力やグローバルな視点をもつことが求められるため、自身のスキルをさらに高める機会にもなります。

外資系企業での経験によって市場価値が高まり、さらなる年収アップにもつながります。

転職エージェントに相談する

転職エージェントに相談することも有効です。

転職エージェントは、企業が求める人材像に詳しく、応募書類の添削や面接対策サポートをおこなってくれます。

そのため、年収が高く、採用基準が厳しい企業への選考通過率を上げることができます。

また、年収交渉も代行してくれるため、自身の価値がしっかりと反映された適正な年収での転職につながります。

関連記事：人事の転職におすすめの転職エージェント18社を一挙紹介！

人事の転職でおすすめの転職エージェント・サイト5社

最後に、人事の転職で活用したい転職エージェントと転職サイトを紹介します。

BEET-AGENT

BEET AGENTは、管理部門の転職支援に特化した転職エージェントです。

管理部門の働き方に詳しいキャリアアドバイザーが、希望のキャリアの実現を徹底サポートします。年収600万円～2,000万円以上の高年収求人を多く扱っているため、年収を上げたい人事人材におすすめです。
公式サイト：https://beet-agent.com/

MS Agent

MS Agentは、管理部門と士業に専門特化した転職エージェントです。

老舗エージェントとして培った企業とのネットワークがあるため、年収が高い企業の求人も豊富にあります。職種事情に精通したアドバイザーが転職をサポートします。

公式サイト：https://www.jmsc.co.jp/

Hupro

Huproは、管理部門と士業に強い転職エージェントです。

人事労務や社会保険労務士の求人も豊富なので、経験や資格を活かして好条件の企業へ転職したい方におすすめします。転職活動の手間をかけないフローを徹底しているため、内定までのスピード感があることも魅力です。

公式サイト：https://hupro-job.com/

SYNCA

SYNCAは、管理部門特化型の転職サイトです。

サイトを積極的に使用することで求人企業との出会いが増え、早い段階での内定獲得につながります。応募とスカウトの両方のアプローチが可能なので、効率的に転職活動を進められます。

公式サイト：https://candidate.synca.net/

ビズリーチ

ビズリーチは、即戦力人材向けのスカウト型転職サイトです。

ハイクラス人材の転職に強みがあるため、人事の管理職経験者や人事制度設計など上流業務の経験者におすすめです。登録すると企業やヘッドハンターからスカウトが届き、市場価値判断にも役立ちます。

公式サイト：https://www.bizreach.jp/

まとめ

人事の平均年収は、500万円前後です。

経験年数や年代、役職による違いもあるため、人事課長クラスだと800万円以上の年収になることがあります。つまり、年収を上げるには、業務の幅を広げることや専門性を極めること、役職を目指すことなどが有効です。

「今の職場の年収の上り幅では納得いかない」「評価制度が整っていなくて年収アップができるかわからない」という方は、転職を検討することがおすすめです。

転職をすることでキャリアアップに臨むこともでき、キャリアの幅も広がるでしょう。

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