【株式会社kubell】「管理部門こそ、事業成長の最前線」攻めと守りを横断するキャリア論

【株式会社kubell】「管理部門こそ、事業成長の最前線」攻めと守りを横断するキャリア論

「経営を学びたい」という思いで新卒入社したのは、まだ組織としても小さかったコンサルティング会社。そこからM&A、大企業、スタートアップと多様なステージを経て、今、株式会社kubellの執行役員として管理部門を率いる澤口玄氏。

管理部門は「守り」のイメージが強いが、澤口氏のキャリアはM&Aや事業責任者など、攻めの局面も多い。「守りは、攻めや成長の基盤だ」と語る澤口氏に、kubellを選んだ理由から求める人材像まで、詳しく話を聞いた。

目次

「経営を学びたい」から始まったキャリア。M&Aを武器に、攻めと守りを横断

「経営を学びたい」から始まったキャリア。M&Aを武器に、攻めと守りを横断(株式会社kubell)

まず、澤口さんのこれまでのキャリアの歩みを教えてください。

澤口氏:大学卒業後は、山田コンサルティンググループに入りました。今でこそ新卒採用も盛んで規模も大きくなっていますが、私が入社した当時はまだ組織が小さく、実は新卒1期生だったんです。中小企業向けの財務会計・リストラ系コンサルを経験し、約4年間在籍しました。

もともと「経営をしっかり勉強したい」という思いがあって、経営者と近い距離で仕事ができる環境に魅力を感じていました。数値に強くなることの大事さも、そこで実感しましたね。

その後、M&Aの面白さに惹かれてM&A専門のアドバイザリー会社に転職しました。2年ほど経験を積んだ後、今度は事業会社の中でM&Aをやりたいと考え、縁あってJCOMに入りました。当時のJCOMはロールアップ戦略で規模拡大を進めていた時期で、M&A専門チームに入り、案件のソーシングから交渉・バリュエーション、買収後のシナジー創出まで、約8年間担当しました。

JCOMから転身されたのはどういった理由ですか?

澤口氏:大企業ならではの大規模な案件にやりがいを感じていましたが、どうしても慎重で内向きな仕事が多くなるんですよね。

30代半ばになったころ、もっとスピード感を持って、顧客のために動きたいという思いが出てきて、スタートアップであるスターフェスティバルへ転身しました。

スターフェスティバルでは、入社から約1年のタイミングで取締役に就き、経営全般を見させてもらいました。事業の1→10フェーズからコーポレート領域まで幅広く担い、攻めと守りの両面を経験できたのは大きかったですね。

その後は、オンライン商談システムを提供していることからコロナ禍で急成長していた、ベルフェイスに入社しました。競合が数多く参入してきて市場環境が激変する中で、事業戦略を書き直すミッションを担いました。

さらにエムスリーグループのCUCでは、医療という側面から社会課題に向き合いながら事業経営に関わりました。当時医療分野の経験はありませんでしたが、40歳ぐらいで「子どもたちに日本をより良くしてバトンを渡したい」という思いが生まれ、大きなやりがいを感じられると確信してジョインしました。

そうした経験を経て、現在のkubellに至ります。

転職先を選ぶ上で、共通している軸はあるのでしょうか?

澤口氏:正直に言うと、最初から明確な軸があったわけではないんです。その時々で「学びたいこと」「興味関心」「自分が今できること」を重視して動いてきました。

ただ、振り返ってみると自然と積み重なっていった流れがあって。20代〜30代前半は「自分の強みとなるケイパビリティを身につける時期」、30代中盤〜後半は「経営に近いポジションでマネジメントや組織への価値発揮を担う時期」、そして40代は「より良い社会づくりに関与する時期」という形で、一つずつ軸が乗っかってきた感覚はあります。

大企業のブランド力や安定性に惹かれるタイプではなくて、若いうちから裁量があって、自分の仕事の難易度や責任の重さを実感できる環境の方が好きでしたね。

ミッションへの共感と「面接らしくない面接」 kubellを選んだ理由

ミッションへの共感と「面接らしくない面接」 kubellを選んだ理由(株式会社kubell)

数ある選択肢の中で、kubellへの入社を決めた理由を教えてください。

澤口氏:一番大きいのは、ミッション・ビジョン・バリューへの共感です。「働くをもっと楽しく、創造的に」「すべての人に、一歩先の働き方を」、そして中小企業の生産性向上という難易度の高い社会課題に正面から向き合っている姿勢に、強く惹かれました。

人生で最も長く過ごす時間が仕事である以上、楽しくないといけない。それをど真ん中のミッションに置いている会社は、素直に素敵だなと思いました。

また、選考の中で感じた「価値観の一致」も大きかったですね。実はkubellのことは以前から知っていて、過去にも一度、キャリアの選択肢として迷っていたくらい魅力的な会社でした。その後も継続的にコミュニケーションをとる中で、会話する役員の方々が何を聞いても率直に答えてくれる姿勢に、価値観と信頼感の一致を感じました。

選考中に特に印象に残ったエピソードはありますか?

澤口氏:「面接らしくない」という感覚が、一番強く残っています。私が意見を言えば「それ、面白いですね」と返ってきたり、私自身が「なるほど、勉強になります」と思う場面もあって。どちらかを一方的に見ている・見られているというより、お互いの解像度を高め合うような場でした。

入社前のすり合わせでも、かなり踏み込んだ話をしました。「ここまで話してもらっていいんですか」と思うくらい、内部の課題も率直に打ち明けてもらえました。そういう誠実さが、kubellという会社への信頼感の源になりましたね。

入社前後でギャップはありましたか?

澤口氏:大きなギャップはなかったですね。選考段階でかなりフラットにすり合わせができていたので。

これは会社としても大事にしているスタンスで、「入社してから合わなかった」というミスマッチをお互いに避けることを重視しています。採用する側も入社する側も、納得感ある状態でスタートできることが大切です。短期離職になってしまうと、企業側も候補者側も、半年〜1年以上のタイムロスが生じてしまいますから。

「守り」が「攻め」を支える|管理部門のリアル

管理部門は「守り」のイメージが強いですが、澤口さんはどう捉えていますか?

澤口氏:確かに世間的には「守り」のイメージが強いと思います。でも私は、2つの観点から少し違う捉え方をしています。

まず、数値というのは合理的な判断のための「共通言語」です。経理や経営企画の仕事は、みんなが同じ目線で物事を判断できるものさしを作り、そこに解釈を加えること。それはビジネスにおいて、ものすごく強い武器になります。

もう一つは、守りがしっかりしていないと、どこかのタイミングで事業も組織も立ち行かなくなるという点です。短期的には「守り」に入っただけに見えても、その「守り」があるからこそ事業基盤が整い、中長期的な成長が担保されるということは往々にしてあります。その瞬間を切り取って見ると「守り」でも、時間軸を長く取れば、それは攻めに直結していると考えています。

現在の具体的な役割を教えてください。

澤口氏:主に経営企画・財務経理・IRの3領域を担当しています。

月次決算を締めて財務会計の数値を管理会計に落とし込み、実績の把握にとどまらず向こう12ヶ月の見込みまで管理していく。それによって、経営の舵取りを常に先手先手で打てる状態を作ることが大きな目的です。

もちろん経営や事業サイドと深い議論を重ねながら数字の意味を解釈し、共通認識を作っていきます。そうして積み上げた数値を、今度はIRとして投資家にわかりやすく伝えるところまで、一連の流れを一気通貫で担っています。

加えて、kubellでは複数の事業を展開する「ポートフォリオ経営」を採用しています。どの事業で収益を確保し、会社としての成長を担うか。全社を俯瞰しながらバランスを取っていくことも、経営企画の重要な役割です。

また新規事業の立ち上げ局面では、経営企画が事業サイドと連携しながら、成長性・収益性・投資採算性を評価・判断していきます。

管理部門が事業に踏み込む場面は多いのでしょうか?

澤口氏:意外と多いですね。経営企画のメンバーが事業側の推進するプロジェクトを支援したり、ときにはリードするケースもあります。垣根は比較的低い会社です。

私自身も、昨年は約半年間、ビジネスチャット事業の事業責任者を務めました。私のキャリアで事業責任者の経験があったので一時的に担当したんです。

kubellには、役割に縛られず動くことがカルチャーとして根付いています。会社が掲げる4つのValueのひとつにも「Beyond Boundaries(越境し共に高めあう)」があり、自分から「こういうことをやりたい」と発信すれば前向きに受け止めてもらえる土壌があります。

求めるのは、変化を恐れない「視座の高い」人材

求めるのは、変化を恐れない「視座の高い」人材(株式会社kubell)

一緒に働きたい人材像、特にマネージャー・リーダークラスに求めることを教えてください。

澤口氏:前提として、自分に課せられているミッションを期待以上の品質で期日を守ってやり切っていただくことは当然期待しています。その上で、特に重視していることが二つあります。

一つは「視座の高さ」です。自分のミッションに閉じず、会社全体で何が起きているかに興味を持って、それを踏まえて自分の役割を再定義できる人を求めています。自分の仕事をやり切った上で、「でも全社最適で考えたら、こういうアプローチも必要じゃないですか」と自発的に発言できる方は、やはり評価が上がっていきます。

もう一つは、今後確実にやってくるAIによる仕事の進め方の変化に、フラットに向き合えること。経理や経営企画は専門性が高いがゆえに、これまでのやり方やオペレーションへのこだわりが強く、ともすると過去のやり方に固執しがちです。そうした環境でも「過去はこれで正しかったが、これからはこちらのアプローチの方が合理的で正確だ」と切り替えて動ける人を求めています。

kubellはプロダクトにも社内運用にもAIを強く取り入れている会社なので、そのマインドがないと変化についていけなくなる可能性が高いです。

実際のキャリアパスとして、参考になる事例があれば教えてください。

澤口氏:現在、経営企画本部の本部長を務める廣瀬がいい事例です。入社から1年も経たずに経営企画部の部長を任され、さらに半年後には経理部の部長を兼務。どちらも高い水準で成果を出し、その後は本部長へ昇格し、より経営に近い立場で活躍してくれています。

専門性はもちろんですが、彼の場合は「視座の高さ」と「会社全体を見て発言できる姿勢」が評価された部分が大きいです。能力が高くても自分の仕事だけに閉じていると、その範囲の中でしか活躍できません。

でも彼は常に会社全体の視点で発言し、行動してくれています。そこが評価されてスピーディに昇格していきました。

育成・成長環境についても教えてください。

澤口氏:OJTで言えば「できることだけをやる」スタンスではなく、少し難易度の高いミッションを与えてチャレンジしてもらうのが基本方針です。もちろんコミュニケーションしながらサポートしますが、挑戦の機会をどんどん作っていきます。成長意欲の高い方にとっては、学びと挑戦の機会が非常に多い環境だと思います。

仕組みとして言えば、入社研修でまず会社の考え方・創業の経緯などを丁寧に共有しています。毎月CEOや役員が登場してメンバーに会社の方向性を伝える場もあって、スタンス面を大事にしながら育成していくカルチャーがありますね。

目の前のことに貪欲に。キャリアは「逆算」しなくていい

最後に、転職を考えている方へメッセージをお願いします。

澤口氏:kubellの管理部門・経営企画・経理の大きな特徴は、事業や経営に近い距離で仕事ができることです。新たな知見を得ながら成長したい方、事業や社会への貢献を実感しながら働きたい方と、非常に相性がいいと思っています。そういうマインドを持っている方と、ぜひ一緒に働きたいですね。

それと、キャリアについてお伝えしたいことがあります。私自身、最初から細かく将来を逆算して動いてきたわけではないんです。目の前にある興味関心や「やってみたいこと」に対して、貪欲にアプローチしていったら、結果として今のキャリアがつながっていました。

キャリアの方向性はざっくりでいいと思います。「(南ではなく)北の方に行きたい」というくらいの荒さで十分で、そこに向かって目の前のことに真摯に向き合っていくと、道は自然とつながっていきます。最初からガチッと固めすぎず、目の前の興味に対して貪欲にアプローチし続けることが、結果として豊かなキャリアにつながると、私は自分の経験から信じています。

 

プロフィール

澤口 玄(さわぐち・げん)

株式会社kubell 執行役員
企業再生コンサル、M&Aアドバイザー、大手通信会社でのM&A・経営企画領域の経験を経て、複数のベンチャー企業の経営に参画。フードデリバリーサービスを展開するスターフェスティバル株式会社、オンライン商談システムを提供するベルフェイス株式会社、ヘルスケアベンチャーの株式会社シーユーシーにて取締役COOや事業責任者等を歴任。2024年2月より株式会社kubell(当時 Chatwork株式会社)に経営企画室長として入社し、同年3月執行役員に就任。

 

事務所・企業情報
株式会社kubell
〒107-0062 東京都港区南青山1-24-3 WeWork 乃木坂
050-1791-0684
https://www.kubell.com/

 

撮影場所:WeWork 乃木坂

取材・文:BEET-AGENT編集部

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