人事部の仕事がきついと感じる理由は?転職の判断基準と企業の選び方

人事部は企業の根幹を支える重要な部署ですが、人事部の業務は特有の負担があるため「きつい」と感じる場面も少なくありません。現状を打開するには、業務の再設計を試みるか、環境を変えるかの判断が求められます。

本記事では、人事部の仕事に負担を感じる主な理由を整理し、現職での改善策や、転職を検討すべき判断基準を詳しく解説。さらに、次なる職場で「きつさ」を再発させないための企業選びのポイントや、市場価値を高める方法についても紹介します。

目次

本記事の要約

  • 「人事が抱える『きつさ』は構造的な孤独と重圧に起因する。まずは苦しみの正体を領域ごとに分解し、客観視することが重要」
  • 「転職の判断は『危険信号』と『実績への投資価値』を天秤にかけ、現状打開の試行か、環境変更かを戦略的に選択すべき」
  • 「転職先は『仕組み』や『評価軸』を確認して見極め、今の疲弊を『強い人事』としての実績へパッケージ化して市場価値に繋げる」

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人事部の仕事がきついと言われる理由は?

人事は「会社の顔」として華やかなイメージを持たれることもありますが、実態は非常に泥臭い業務も多く、精神的・肉体的にきついと感じる可能性も高い職種です。なぜ「人事職はきつい」と言われるのか、その構造的な要因を整理します。

1.会社と従業員の板挟みが常態化する

人事が抱えるストレス要因は、「経営側の論理」と「現場(従業員)の感情」の板挟みに合うことです。

経営陣からは「人件費を抑えつつ生産性を上げるように」と求められ、現場からは「給与が低い、人が足りない」と不満をぶつけられる。

この両者の調整役となり、時にはどちらからも恨まれるような「嫌われ役」を引き受けなければならない場面が多々あります。特にリストラや降格人事、厳しい評価のフィードバックなどを担当する際の精神的な摩耗は、他職種にはない特有のきつさといえます。

2.機密情報を扱うため相談相手が限定される

人事部では、全社員の給与額、評価、家庭の事情、健康状態、さらには未発表の組織再編といった機密情報を扱います。

これらの情報は基本的に、社内の仲の良い同僚や家族にも話すことはタブー。仕事で大きな悩みを抱えても、その背景に機密情報が含まれる場合、気軽に愚痴をこぼすことができず、孤独感を深めやすい環境にあります。この「情報の重み」による緊張感が、日常的なストレスとして蓄積していきやすいのも「きつい」と感じる一因になるでしょう。

3.給与・社保・年調など締切が動かせない業務が多い

人事部の仕事(特に労務・給与計算)には、1円のミスも許されない正確性が求められ、1日の遅れも許されない厳格な締切があります

たとえば、人事なら当然こなす以下のような定時業務があります。これらの業務はトラブルやシステムエラーが発生しても締切は動きません。繁忙期のプレッシャーは凄まじく、ルーチンワークに見えて実は非常に神経を削る業務です。

  • 【給与支払】1日でも遅れれば会社の信用問題。最悪の場合は労働基準法違反に。
  • 【社会保険手続き】入退社のたびに発生し、法的期限がある。
  • 【年末調整】年に一度の山場。全社員を対象に短期間で完遂させる必要がある。

4.制度・評価・労務対応など正解がないものへの判断が続く

人事部の業務には、「これさえやれば100点」という明確な正解がないものが多く存在します。

たとえば、新しい人事制度を作る場合、ある部署にとっては有利でも別の部署にとっては不利になるケースがあります。また、ハラスメントの相談対応やメンタルヘルスの不調者への対応では、法律の知識だけでなく、個別の事情に配慮した極めて繊細な判断が求められるのです。

「あちらを立てればこちらが立たず」という状況の中で、常に「現時点での最善は何か」を悩み続け、決断を下さなければならないのは、心理的な負荷が高いでしょう。

5.成果が見えにくく評価されにくい

人事業務の多くは、「問題が起きていない状態」が正常とされます。採用であれば「採用して当たり前」、労務であれば「給与が遅れず支払われて当たり前」であり、ミスをすれば厳しく追及される一方で、完璧にこなしても称賛される機会は少ないのが現実です。

また、組織開発や研修の効果が出るまでには数年かかることも珍しくなく、営業職のように「売上」という数字で即座に成果を証明することが難しい業務が多いため、社内評価や昇給の基準が不透明になりがちです。

6.総務兼任・一人情シス化など兼務が発生するケースがある

特に中小企業やスタートアップの人事において多いのが、「人に関する困りごとは全て人事へ」という風潮です。

本来の採用・労務業務に加え、備品管理、社内イベントの運営などの総務業務、さらにはPCの設定やネットワーク管理などの情シス的な業務まで兼務となるケースがあります。

専門性を磨きたいと考えていても、雑務に追われて本来のミッションに集中できない環境は、キャリアの停滞感と疲弊を招く大きな要因となります。

人事業務の担当領域でも「きつい」ポイントは変わる

人事と一口に言っても、担う役割によって「きつさ」の種類は異なります。ここでは、それぞれの領域で直面しやすい「きつさ」の要因になるポイントを深掘りします。

採用領域で「きつい」ポイント

採用領域の「きつさ」は、自分一人では制御しきれない不確定要素の多さにあります。候補者の辞退や現場面接官の非協力的な態度など、外部要因に目標達成が左右されるストレスは相当なものです。

また、事業成長に直結する役割ゆえに、欠員が出れば即座に対応を求められ、常に採用数という「数字」に追われる営業職のようなプレッシャーがつきまといます。攻めの姿勢を維持しながら、思い通りに進められない状況にも耐え続けなければならない精神的なタフさが、この領域における疲弊の大きな要因となりがちです。

労務領域で「きつい」ポイント

労務領域における負担の核心は、一円のミスも許されないという極限の正確性を維持し続けるプレッシャーにあります。

給与計算や社保手続きといった、法に関わる業務は、一度のミスが社員の生活や会社の信頼を揺るがすため、常に張り詰めた緊迫感の中で作業を行うことになります。

加えて、退職手続きや休職対応、規律違反の調査といった、心理的な負荷が高いネガティブなコミュニケーションの窓口となることも大きな要因です。法令遵守という冷徹な判断と、重い相談を受け止める誠実さの両立が、担当者の心を削る場面も少なくありません。

評価・制度領域で「きつい」ポイント

評価・制度設計の領域では、全社員の処遇に直結するがゆえに、あらゆる不満の矢面に立つ「政治的な重圧」が伴います。新制度を導入すれば必ずといっていいほど、一部からは批判の声が上がり、それらを論理的に説得して納得感へ繋げるには多大なエネルギーを要します。

さらに、現場の実態を吸い上げて反映させたい人事側と、コスト管理や統制を最優先する経営陣との板挟みになり、泥臭い調整や妥協を強いられることも日常茶飯事です。組織の公平性を守るという大義名分を背負いながら、経営と現場の溝を埋め続けるタフな交渉力こそが、この業務の最もきつい側面といえます。

育成・組織開発で「きつい」ポイント

育成・組織開発の難しさは、施策の「やる意味」を常に問い直される、成果の見えにくさにあります。研修や文化醸成は多額のコストがかかる一方で、数値的な成果が出るまでに時間がかかるため、周囲の懐疑的な目に晒されながらその投資対効果を証明し続けなければなりません。

また、組織風土を変えるには数年単位の忍耐が必要であり、すぐに目に見える変化が現れない孤独な状況下で、信念を持って施策を推進し続けるタフさが求められます。即効性が得られにくい中で、長期的なビジョンを信じ続ける精神的持久力が試される領域です。

転職の前に試したい!今の職場で「きつさ」を減らす方法

「もう限界だ」と感じて転職を考える前に、まずは今の環境で「きつい」と感じる負荷を減らす試みを行ってみましょう。人事のプロだからこそ、自らの働き方も「仕組み」で改善できるはずです。

1.業務棚卸し+業務再設計

人事の仕事は「あれもこれも」と際限なく増えがちです。まずは全てのタスクを書き出して仕分けをして、業務改善をはかってみましょう。人事が抱え込みすぎているタスクを本来の持ち主に返すだけでも、心理的な余裕が生まれます。

【やめる業務】慣習で続けているが、誰も見ていないレポートや、形骸化した社内イベントなど。

【減らす業務】会議の時間を30分に短縮する、承認フローのステップを減らすなど。

【渡す業務】人事がやる必要のない現場の勤怠督促などを、各部署のマネージャーに戻す。

2.関係者マネジメント

「板挟み」のストレスを減らすには、先回りした情報共有が有効です。現場のマネージャーや経営陣に対し、「人事の今の優先順位」を明確に伝えておきましょう。

たとえば、「今月は採用のピークなので、制度の検討は来月にする」と合意を得ておくだけで、無理な差し込み依頼や「依頼事項をやってくれない」という誤解を防ぐことができます。

3.繁忙期のカレンダー化+締切の前倒し運用

給与計算や年末調整といった締切が動かせない業務などは、あらかじめ1年分の繁忙期としてカレンダーに明記し、スケジューリングしておきしましょう。

そのうえで、「社内締切」を「法定締切」の3日〜1週間前に設定します。余裕を持ったスケジュールを全社に公表し、「この日を過ぎたら来月処理になります」と毅然と運用することで、突発的な対応による残業やミスを物理的に防ぎます。

4.ツール/外部委託でミスコストを減らす

正確性が求められるプレッシャーには、根性ではなくテクノロジーで対抗しましょう。ツールの導入にはコストがかかりますが、「ミスによるリカバリー工数」や「採用し直しにかかるコスト」を提示して経営層を説得するのも人事の大切な仕事です。

業務のIT化が進んでない場合は、クラウド人事ソフトの導入で手入力やExcel管理をなくし、転記ミスを防げます。

また、BPO(アウトソーシング)の活用で給与計算や社会保険手続きなどの定型的な実務を外部へ委託すれば、判断が必要な企画業務に集中する環境が整ってくるでしょう。

5.健康ラインを決める

人事部の仕事には正解がないため、突き詰めるとどれだけ働いても終わらなくなります。だからこそ、「これ以上はやらない」「この時間以降は通知を見ない」という自分なりの健康ラインを決めましょう

特にメンタルヘルスに関わる相談などは、感情移入しすぎると共倒れしてしまいます。「自分は解決の専門家であって、カウンセラーではない」と、一定の距離を保つ意識を持つことが長く人事を続けるための秘訣です。

転職すべきか悩むときの判断基準は?

今の職場で改善を試みても、「もう限界かもしれない」と感じる場合があるかもしれません。

人事は責任感が強い人が多いため、辞めることに罪悪感を抱きがちですが、「今のきつさ」があなたのキャリアを壊してしまう前に客観的な判断を下す必要があります

ここでは、転職に踏み切るべきか、踏みとどまるべきかの判断基準の目安を紹介します。

【危険信号】転職すべきケース

以下のようなケースは危険信号と考えられます。転職して環境を変えることを検討しましょう。

・都合の良い雑用係に固定されている

・改善の提案が全て却下される

・コンプライアンス違反を強要される

・心身に不調が出ている

専門性を無視して雑用ばかりを押し付けられ、改善提案も一蹴される環境では、人事としての市場価値は停滞する一方です。さらに経営層から「サービス残業の強要」や「不当解雇の実行」など、法的・倫理的にアウトな指示が常態化している場合は、人事としての誇りを傷つけるだけでなく、将来的にあなた自身のキャリアに致命的な傷をつけかねません。

もし、すでに心身に不調が出ている場合は緊急を要します。自分を守れるのは自分だけであることを自覚し、環境を変える勇気を持つべき時期といえるでしょう。

残る価値があるケース

一方で、今感じている「きつさ」が、将来の大きな武器に変わる「投資の時間」である可能性も考慮すべきです。

たとえば、IPO準備や大規模なM&A、基幹システムの導入といったプロジェクトに伴う繁忙期でのつらさは、明確なゴールがある一時的な混乱といえます。これらを完遂した実績は、転職市場においても非常に高く評価されるでしょう。

また、社内に尊敬できる上司やメンターがおり、人事としての「思考の型」を学べているのであれば、今の苦労は成長痛に近いものかもしれません。組織が急拡大しているゆえの摩擦も同様です。混

乱を交通整理する経験は、後に「強い人事」としての自負に繋がります。学びが苦痛を上回っているうちは、踏みとどまる価値が十分にあります

異動・分業・役割再設計などの選択肢も!

会社や人は好きだが、今の業務内容や負荷が耐えがたい場合は、退職という極端な選択の前に、役割の再設計を打診してみるのが賢明です。

たとえば、採用の数字目標に疲弊しているなら労務領域へ、あるいはルーチンワークに埋もれているならBPO(外部委託)の活用を提案し、企画業務に集中できる体制を作るなど、人事内でのスライドは現実的な解決策になります。

また、一時的に現場のマネジメントや営業企画へ異動し、人事以外の視点を持つことも一つの手です。現場の痛みを知る経験は、将来的に人事に戻ったときには、より説得力のある施策を打てる「現場に強い人事」への進化に繋がります。

会社という枠組みを活かしつつ、自分を救うルートがないか、まずは参謀として交渉してみましょう。

転職先で「きつい」を再発させない!企業選びのチェックポイント

せっかく転職したのに、新しい職場でも「結局また板挟みでボロボロ…」という事態は避けたいもの。人事が転職活動をする際は、相手の会社を人事コンサルタントのような視点で分析するのが大事です。

ここでは、求人票の裏側に隠れた「きつさの種」を見抜くためのチェックポイントを整理しました。

1.会社フェーズ別の負荷をチェック

会社の成長フェーズによって、人事に求められる「きつさ」の質は変わります

創業期は仕組みがゼロの状態から作り上げる産みの苦しみがあり、社長の意向に振り回されやすい側面があります。

急成長期は採用が最優先となり、数に追われる営業的なプレッシャーと、現場の受け入れ態勢の不備による摩擦が中心です。

一方、安定期や大手企業では、制度は整っているものの、利害関係者が多く調整に膨大な時間を要する「合意形成の重さ」が主な負荷となりがち。

自分の性格が「ゼロから作る」のが得意なのか、「整った仕組みを運用する」のが得意なのかを見極め、フェーズごとの負荷と自分の適性が一致しているかを確認することが重要です。

2.人事組織モデルで役割の歪みがないかチェック

人事部がどのような組織形態をとっているかも、業務のきつさを左右する大きな要因です。

大企業に多い「分業型(COE/HRBP/SSC)」は、特定の領域を深掘りできる反面、他部署との連携ミスやセクショナリズムによる調整業務が増える傾向にあります。

対して、「一人人事」など何でも屋的な役割になっている場合は、裁量は大きいものの、採用から給与計算、社長の相談役まで全責任を一人で背負うことが多くなり、物理的な限界を迎えやすくなります。

面接では、「自分に期待されているのは実務の完遂なのか、戦略の立案なのか」を明確に聞き出し、役割が曖昧なまま「人に関する何でも屋」として便利使いされるリスクがないかを冷静に判断しましょう。

3.人員体制・分業・アウトソース有無をチェック

人事部が「精神論」ではなく、「仕組み」で回っているかを確認しましょう。

目安として、従業員100人に対し人事が1人以上いるか、定型業務をテクノロジーで効率化する風土があるかが指標になります。

具体的には、クラウド人事ソフトの導入やBPO(アウトソーシング)の活用状況を確認してください。これらがない場合、全ての入退社手続きや給与計算を手作業で行うことになり、本来時間を割くべき企画や改善業務が圧迫されます。

また、事務作業を担うアシスタントや派遣社員の有無も重要です。実務の土台が整っていない組織では、どんなに立派な理想を掲げても、日々の泥臭い作業だけで疲弊してしまう可能性が高いからです。

4.KPI/評価の基準をチェック

人事自身の評価基準が不明確な会社では、どれほど貢献しても報われない虚しさを感じやすくなります。特に「採用人数」だけをKPIにしている場合、入社後の定着率や人材の質の向上が軽視され、ひたすら数を追うだけの消耗戦になりがちです。

また、労務などの守りの業務が「できて当たり前」の減点方式で評価される組織も、モチベーション維持が困難になりがち。逆質問の際には「人事部として経営から最も期待されている成果指標は何か」「個人の成果はどう評価されるのか」を直球で確認しましょう。

攻めと守りの評価バランスが適切で、人事の専門性を正当に評価してくれる土壌があるかを見極めることが、長期的な活躍の鍵となります。

5.WLBの実態をチェック

WLBの実態をチェックするのも大切です。「人事だから遅くまで残って当然」という古い価値観が残っていないか、実態をシビアにチェックしましょう。その際には求人票の「フレックス」や「リモート可」という言葉だけを信じるのは危険。

見抜くポイントのひとつは、面接の時間帯です。19時や20時開始の面接を当然のように打診してくる会社では、人事部員が日常的にその時間まで働いている可能性が高くなります。

また、人事部内での有給取得率や、実際にリモートワークをフル活用しているメンバーがどの程度いるかも具体的に聞きましょう。自らの働き方をコントロールできていない人事部が、他部署の働き方改革を推進できるはずもありません。自分の生活を守れる環境かどうかを最優先で確認すべきです。

6.守秘・コンプラ運用をチェック

人事の孤独感やストレスを助長するのが、コンプライアンス意識の低い環境です。まずは人事専用の個室や施錠管理が徹底されているかといった物理的な環境でも確認できます。さらに重要なのは、経営層が「法律やルール」をどう捉えているかを知ることです。

面接で「多少グレーでも現場を回してほしい」といった発言が出る場合、トラブルが起きた際に全責任を人事が負わされるリスクがあります。また、社長の個人的な好き嫌いが人事に直結するようなガバナンスの欠如も「きつさ」の元凶となります。

人事としての良心に基づいた仕事ができるよう、誠実な情報運用と法的遵守の精神が組織文化として根付いているかを厳しく見極めてください。

人事経験者の市場価値を上げるには?

今の職場で感じている「きつさ」は、実は「市場価値の高い実績」に変換できる宝の山でもあります。ただ忙殺されるのではなく、それらをどうパッケージングすれば「強い人事」として評価されるのか、戦略的な棚卸しの方法を解説します。

1.経験を領域で棚卸し(採用/労務/制度/育成/HRBP)

人事の市場価値を伝えるには、経験を「領域」と「職務フェーズ」で整理することが大事です。採用や労務といった各領域の専門性を明確にしたうえで、「ゼロから仕組みを立ち上げたのか」「既存のプロセスを組織に合わせて最適化したのか」「構築された仕組みを安定させ、組織に浸透させたのか」など、どの成長段階を担ったかを具体的に掛け合わせます。

企業は自社の課題に即した解決力を求めているため、この棚卸しこそが、目の前の忙しさを「戦略的な実績」へと昇華させ、自分を高く売るための第一歩となります。

2.成果を数字・事実で棚卸し

人事の仕事は定性的に語られがちですが、「数字(定量)」と「事実(定性)」をセットしてこそ、市場価値が生まれます

実績は具体的な数字と事実を合わせて語りましょう。その際に機密保持のため比率や相対的な指標(「採用単価を前年比〇%削減」等)で表現するのが鉄則。

単に「100名採用」とするのではなく、どのチャネルを使い、どの歩留まりを改善して計画比120%を達成したかというプロセスを明文化してください。これにより、数字の裏側にある「あなたの介在価値」が面接官に伝わり、他社でも通用する再現性を証明できます。

3.強みの作り方

「T型人材」を目指すことは、市場価値を高めるうえでポイントになります。たとえば、「採用」という一つの専門性を圧倒的に深掘りしつつ、労務や制度といった周辺領域の基礎知識を「浅く広く」持っておくスタイルは、法改正を考慮した採用基準の策定など、領域横断的な動きが可能になるため、評価されやすくなるでしょう。

専門分野と共に周辺知識を持つことで、上位マネジメントやHRBPとしての希少性が一気に高まり、活躍の幅が大きく広がります。

4.伸ばすスキル優先順位を知る

市場価値を高めるためには、スキルの優先順位を知る必要があります。

人事ならまず優先すべきは「労働法務の基礎」。どの領域でも法律は全ての土台となります。次に、施策の妥当性を客観的に証明するための「データ分析スキル」を磨きましょう。

そして、業務効率化に不可欠なHRTech(SaaS)の導入・運用経験も重要です。この3点は非常に汎用性が高く、どの企業へ行っても即戦力として重宝されるため、市場価値を底上げする強力な武器になります。

BEET-AGENT(人事)でできること

人事の転職は、「人を見るプロ」を相手にする特殊な活動です。BEET-AGENTは、人事・バックオフィス特化型のエージェントだからこそ、単なる求人紹介に留まらない「戦略的なサポート」を提供できます。

今のきつさが「環境」のせいなのか「スキル」のせいなのか、客観的なデータに基づき、転職すべきか残るべきかを共に考えましょう。

転職活動を行う際には、あなたのスキルの棚卸しから市場価値の高め方を導き出し、応募書類も選考官に刺さる内容へとブラッシュアップするサポートを行います。

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人事の転職「Q&A」

ここでは、人事の転職希望者より多く寄せられる質問をQ&Aでまとめました。転職に一歩踏み出すための「心の整理」にご活用ください。

人事の転職活動は現職にバレる?

基本的にはバレません。

人事の転職活動は、適切な対策を講じることで現職にバレるリスクを最小限に抑えられます。まず求人サイトやエージェント登録時には、自社や関連会社を「非公開」にするブロック設定を必ず行いましょう。現職の採用担当者があなたのデータを見つける事態を確実に防げます。

また、人事界隈は横の繋がりが強いため、SNSでの不用意な発信を控えるほか、面接時間を早朝や夜間のオンラインで調整し、日中の不自然な不在を避けるといった行動面の配慮も重要です。ルールを守り、慎重に進めれば、安全に次の一歩を踏み出せます。

エージェントに相談しただけで会社に伝わる?

エージェントへの相談が会社に漏れることは、結論から言えば絶対にありません。

職業紹介事業を行うエージェントには厳格な守秘義務が課されており、本人の承諾なく第三者に情報を開示することは法律で禁じられています。相談した事実が漏れるとエージェント側の社会的信用を失うため、彼らにとっても情報を漏らすメリットはありません。

むしろ、社内では話しにくいキャリアの悩みや市場価値の確認こそ、外部のプロであるエージェントを壁打ち相手として活用すべきです。完全な匿名性が保たれた環境で、安心して情報収集を進めてください。

リファレンスチェックで現職に連絡が行く?

最近増えているリファレンスチェックについて、本人の承諾なしに現職へ連絡が行くことはありません。

一般的にチェックの対象となるのは、候補者が事前に指定した「かつての同僚や上司」であり、現職の直属の上司に無断で連絡が入るリスクは基本的にありません。

ただし、選考企業から現職の上司を指名されるケースが稀にありますが、その際も必ず本人の同意が求められます。まだ退職を伝えていない時期であれば、事情を話して前々職の同僚などを推薦することで調整可能です。プライバシーと現職での立場は守られる仕組みですので、過度な心配は不要です。

人事経験者の年収相場は?

人事経験者の年収は、担当領域と役割によりますが、450万〜800万円程度が一般的なボリュームゾーン。厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば、全国の人事事務の平均年収は513.5万円です。

採用や労務の実務を担うメンバークラスでは450〜600万円、マネージャー層や人事制度設計、HRBPの経験者は700万〜1,000万円以上を目指せるケースも増えています。

特に「IPO準備の完遂経験」や「ビジネスレベルの英語力」を持つ人事は希少価値が高くなります。単なる事務処理能力だけでなく、経営課題を人事施策で解決できる戦略的な視点を持つことで、さらに上位のレンジを狙うことが可能です。

採用専任から労務・制度にスライドできる?

可能です。ただし、「未経験」としてではなく「採用の視点を持つ労務」として、今のスキルをどう活かせるかを語る必要があります

まずは、採用と労務を兼務する「一人人事」や「小規模人事チーム」の求人を狙うのがスライドの近道です。

人事で評価されやすい資格は?

人事で評価が高いのは、国家資格である「社会保険労務士」です。

これは法的知識の証明だけでなく、実務への誠実な姿勢を示す強い武器になります。また、設置が義務付けられている「衛生管理者」や、メンタルヘルス対策の知見を示す「メンタルヘルス・マネジメント検定」も実用性が高く重宝されます。

ただし、人事は「何を知っているか」以上に「その知識でどう課題を解決したか」の実績が優先される職種です。資格を単なる名称の記載で終わらせず、実務改善やトラブル回避にどう繋げたかを語れるようにしておくことが、転職成功の要となります。

リモート・フレックスで人事は回る?

クラウド型人事ソフトや電子署名の普及により、リモートやフレックスで人事業務を回すことは十分可能です。

特に労務実務や採用の書類選考、カジュアル面談などはオンラインと相性が良く、柔軟な働き方を導入する企業が増えています。

ただし、社員のメンタルケアやデリケートな相談、社内文化の醸成を重視する企業では、対面でのコミュニケーションを補完するために「週2〜3日出社」をベースとしたハイブリッド型が主流です。完全に物理的な制約をなくすのではなく、業務の質を維持しながら、自分自身のワークライフバランスを守るための手段として活用しましょう。

面接で「今の会社がきつい」はどう伝える?

面接で現職の「きつさ」を伝える際は、不満としてではなく、課題解決に向けた前向きな環境変更を語る形にしましょう。

「残業が多くてつらい」ではなく、「業務の仕組み化が進んでおらず、本来注力したい企画業務に時間が割けないことが課題」と変換するイメージです。現状をどう改善しようと試みたかというプロセスを添えたうえで、「貴社のフェーズであれば、自分のスキルをより組織の成長に直結させられると考えた」と結論づけます。現状の「負」を、自らが介在して価値を発揮したいという「意欲」に翻訳して伝えるのが賢い伝え方です。

内定後の退職交渉が怖い…人事ならではの注意点は?

「人事が辞める影響」を最小限にする配慮を見せましょう

人事が辞める影響は大きいため、「立つ鳥跡を濁さず」のプロフェッショナルな姿勢が求められます。注意点は、後任が困らない完璧な引き継ぎ資料を作成し、年末調整や評価時期といった繁忙期を避けたスケジュールを自ら提案することです。

責任感の強さを見せることで、感情的な引き止めや不和を防ぎやすくなります。また、人事同士の繋がりは転職後も続くことが多いため、最後まで会社の機密を守り、誠実に実務を完遂する姿を見せましょう。退職交渉自体を「最後の人事プロジェクト」と捉え、円満にクロージングさせる能力こそが、あなたの次の評価に繋がります。

人事から人事以外(事業側・コンサルなど)へ行ける?

人事から事業側のマネージャーや組織コンサルタントへ転身するケースは珍しくありません。

人事が培ってきた「人の動かし方」や「評価と報酬の力学」「法的なリスク管理能力」は、あらゆる組織運営の根幹となります。特に組織課題を解決してきた経験は、クライアントに並走するコンサルタントとして評価されやすいでしょう。

また、現場を知る人事として営業企画やカスタマーサクセスのリーダーに転じる道もあります。人事という専門性を軸にしつつ、それをビジネスのどのレバレッジポイントに適用したいかを明確に語れば、活躍のフィールドは大きく広がります。

まとめ

人事の仕事は、確かにつらい瞬間が多いかもしれません。しかし、その「板挟み」や「正解のない問い」に向き合った経験は、間違いなくあなたを強いビジネスパーソンに成長させているはずです。

今の環境で行き詰まりを感じているなら、それはあなたの能力のせいではなく、単に今のあなたと現職の会社でパズルのピースがかみ合わなくなっただけかもしれません。

まずは一歩立ち止まって、BEET-AGENTと共にあなたの経験を棚卸しすることから始めてみませんか?

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年 齢
20代後半 / 女性
年 収
400万円 → 500万円

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