会計士としてのスキルを評価され、希望年収より300万円UPのオファーを獲得
監査法人から事業会社経理、更なるキャリアアップを希望されて転職
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人事部門は、企業にとって重要な「ヒト」を採用・管理・活用する業務を担う部署です。ですから、「誰でも人事部門でキャリアを形成できる」というわけではなく、人事部門で働くためには、適性があるか否かを判断しなければいけません。
たとえば、人事に向いている人の特徴として、コミュニケーション能力の高さ、臨機応変で柔軟な対応が得意、縁の下の力持ちとしての素養、などが挙げられます。これらの能力を有するのなら、人事部門で働きながらさまざまなキャリアパスを描くことができるでしょう。
そこでこの記事では、人事部門に向いている人の特徴や、人事部門でキャリアを積むときに役立つ資格・スキルなどについて分かりやすく解説します。
「人事部門で仕事をしているが、さらにキャリアアップを目指すために何が必要か知りたい」「人事の仕事に興味があるけれども、自分が人事に向いているか分からない」などと考えている人は、ぜひ最後まで参考にしてください。
目次
まずは、企業における人事部門の役割・業務内容をおさらいしましょう。
人事の役割は、企業にとって重要な資源である「ヒト」「従業員」を確保・活用するための仕組みや環境を整えることです。健全かつ持続的に企業活動を展開するには、優秀な従業員を雇用して教育訓練を実施したり、各従業員の能力などに応じて適切な仕事を割り振ったりする必要があります。
ところが、企業は経営者ひとりだけでは事業活動を展開することができません。また、経営者が直接従業員を雇用・育成する作業をおこなうのも不可能です。
そこで、人的資源管理に特化した部署として人事部門が設けられて、経営者の代わりに企業の安定的な事業活動に欠かすことができない従業員の確保・活用に向けたさまざまな業務を担当しています。
企業によって人事の業務内容には差があります。そのうえで、人事の代表的な業務内容として、以下のものが挙げられます。
人事の中核的な業務内容は、人材の採用・育成・評価などの人的資源管理業務です。
たとえば、就職活動や転職活動時の採用担当者は人事部員が担当するのが一般的です。また、従業員に対して実施する教育訓練体制の構築・運用や、昇進・昇格査定などの業務を取り仕切ったりもします。
さらに、企業規模次第では、労務部門が担当する業務を人事で対応するケースも少なくありません。たとえば、社会保険手続き、給与計算、福利厚生などの人的管理に関する業務などが挙げられます。
なお、規模の小さい中小企業では、バックオフィス部門の中核的存在として「総務」が設置されており、そのなかで雑多に人事部門で扱うべき業務がおこなわれるケースも少なくありません。このケースでは、オフィス環境・備品などの労働環境の管理業務や、法務・広報などの他部門では対応しない業務全般を引き受けることになるでしょう。
次に、人事に向いている人の特徴を7点紹介します。これから人事への転職を検討している人や、人事でのキャリア形成に不安を感じている人は、ぜひご自身と照らし合わせながら参考にしてください。
人事は「ヒト」「従業員」に関連する業務を取り扱う部署です。一日中黙々とデスクワークをするのではなく、いわゆる「人と関わる仕事」に分類されます。
たとえば、採用業務では、求職者と丁寧に面談を実施したり、企業説明会で多くの人に向けて自社の魅力をアピールしたりしなければいけません。また、人材育成・人材管理などの人事業務を遂行する際には、他の部署の担当者や経営者との対話が必要ですし、部署間の連携が損なわれないような配慮をしながら信頼関係を構築していく作業が必要です。
ですから、対人コミュニケーションが得意な人は、人事部門でのキャリアアップを目指しやすいと考えられます。
人事部門の中核的な業務は、採用業務・人材育成・人事評価です。その際には、求職者や従業員のスキル・性格・能力などを推察することが求められます。
したがって、人事部門でのキャリア形成を目指すなら、人間観察能力が不可欠だと考えられます。「人間観察が好き」「人との会話を通じて相手がどのような人なのか、何を考えているのかなどに興味がある」という人は人事への適性が高いでしょう。
人事部門の業務は、経営者目線で従業員や求職者を評価することが求められる仕事です。その際、私情や感情に左右されると、客観的な視点から適切な評価ができません。
ですから、フラットに物事を捉える能力があり、俯瞰的・客観的に業務を遂行できる人は、人事部門との相性が良いと考えられます。
人事部門で取り扱う業務は多種多様で、業務量も膨大です。そのため、人事部門で働く以上、同時並行でさまざまなタスクを処理しなければいけません。
また、人事部門には社内の各部署から随時さまざまな問い合わせが寄せられるため、予定通りに仕事をするのは難しく、臨機応変にスケジュールを組みなおす必要があります。
ですから、柔軟性があって器用な人は人事に向いているといえるでしょう。
人事に向いているのは、サポート業務が得意な人です。なぜなら、人事のようなバックオフィス部門は「成果」が見えにくい仕事を担当しているからです。
たとえば、営業のようなフロントオフィスの場合、仕事に打ち込んだ分がそのまま「売上」という分かりやすい結果として明らかになります。つまり、自分の仕事に対する満足感を得るのが簡単だということです。
これに対して、バックオフィス部門の仕事は定型的な内容が多く、「誰かのために仕事をする」というスタンスのものが大半です。そのため、成果が分かりにくく、仕事から満足感を得るのは簡単ではありません。
ですから、人事部門に向いている人は、サポート業務にやりがいを感じるタイプや、誰かに貢献するのが得意なタイプだと考えられます。
人事は「ヒト」「従業員」に関する重要な仕事を担当します。たとえば、採用や人事評価の場面では、曖昧な評価基準をいい加減に運用すると、人材に対して適切な評価を下すことができず、企業にとって損失でしかありません。
そのため、個人的な主観や感情に左右されるのではなく、注意力をもって論理的に対応する能力が必要です。
人事部門の業務は、常に人事部員が連携をとりながら進めるのが一般的です。また、人事部門は常に他部門からの問い合わせに対応する必要があります。
ですから、協調性が高い人が人事に向いているといえるでしょう。
愛社精神が強い人は人事に向いていると考えられます。というのも、従業員の採用や人事評価の場面では「企業の利益になるか否か」「企業にとって重要な人材であるかどうか」という視点が大切で、愛社精神が強い人の方が、この視点を上手く活かすことができるからです。
ですから、現在の勤務先の経営方針や、転職先の経営理念に賛同できる場合、その企業の人事部門への適性があると考えられます。
人事に向いていない人の特徴として、以下の要素が挙げられます。
たとえば、人事は従業員同士でのコミュニケーションが欠かせないので、協調性がない人は人事には向いていません。
また、人事は多くの人との関わりのなかで、相手に無理強いをすることなく柔軟な解決策を模索する必要に迫られることが多いので、融通がきかない人や、はっきりと理屈だけで物事を解決したい人は、人事には不向きでしょう。
さらに、人事の仕事は短期的に成果が出るものではないので、短気な人や忍耐力のない人は人事ではなく、日々成果を追い求めるタイプの仕事が向いています。
人事部門でキャリアを形成するために必要なスキルを5つ紹介します。
人事部門の同僚や先輩、他部門の担当者、求職者、その他ステークホルダーなど、さまざまな人たちと関わる機会が多い職場環境です。ですから、人事部門への転職やキャリアアップを目指すなら、コミュニケーション能力は不可欠でしょう。
人事部門で担当する業務は多種多様です。たとえば、毎日山積するさまざまな業務を処理するために、効率的にスケジュールを組む必要があります。また、採用関係の業務は月単位・年単位でさまざまな日程調整をしなければいけません。
ですから、人事部門で仕事をこなしていくためには、短期的な日程調整、中長期的なスケジュール管理をする能力が不可欠だと考えられます。
特に、企業規模の小さい会社では、人事部門に配属されたとしても、労務や総務に分類されるような仕事を担当する必要があります。すると、普段から相当な量・種類の仕事への対応を強いられかねません。
しかし、人事部門で対応する業務には厳格な期限が設けられているものが多いです。ですから、人事部門で着実に昇進・昇格を目指すなら、マルチタスク能力が必要だと考えられます。
人事の採用手段や転職市場の状況は、常に移り変わっています。近況を把握できていないと、採用競争に負けてしまう可能性があります。
また人事が労務管理に関する業務を担当することもあります。その際には、労働基準法などの労働関係法制や、社会保障関連の法律・制度の知識が必要です。ところが、労働法や社会保障法関係の法律・制度は頻繁に改正されるため、常に最新の情報を把握していなければ、適切に業務を遂行することができません。
したがって、人事部門でのキャリア形成を目指すなら、最新情報を把握・習得する姿勢・意欲が不可欠だと考えられます。
人事部門では、ワード、エクセルなどの基本ツールだけではなく、社内専用の労務管理システム・アプリなどを日常的に使用します。ですから、最低限のPCスキルや、新しいネットサービスに順応する能力が必要だと考えられます。
人事部門への転職や昇進・昇格を目指すなら、自分のスキルを客観的に証明できる資格・検定を取得するのが望ましいでしょう。ここでは、人事で評価される資格・検定について解説します。
社会保険労務士は、企業の成長に必要なお金・モノ・人材のうち、「人材」に関する国家資格者のことです。労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者の福祉の向上に資することを目的として、各種法律トラブルや年金の相談などの業務をおこないます(社会保険労務士法第1条)。
社会保険労務士資格を取得していれば、労働関係法制に対する知識・スキルが備わっていること、企業のなかで労務トラブルが発生したときに専門家として対応できることから、人事部門で高い評価を得られるでしょう。
また、社会保険労務士資格を活かして独立開業したり、法律事務所や大企業・コンサルティングファームなどへの転職など、キャリア選択肢が大幅に広がるのもメリットとして挙げられます。
社会保険労務士試験の合格率は約6%~7%程度で、難関国家資格のひとつにカウントされます。合格までに必要な勉強期間は約800時間~1,000時間程度で、独学での合格も不可能ではありませんが、予備校などを利用した方が効率的でしょう(費用は数十万程度)。
キャリアコンサルティング技能士とは、キャリアコンサルタントの上位国家資格で、労働者の職業選択、職業生活設計、職業能力の開発・向上に関する相談に応じて、必要な助言・指導をおこないます(職業能力開発促進法第47条第1項)。
キャリアコンサルティング技能士資格を取得すれば、優れたキャリアコンサルティング技能・知識レベルの到達度を証明するのに役立つため、人事・労務関係部門でのキャリア形成を期待できるでしょう。
キャリアコンサルティング技能士資格は2級と1級に区分されており、1級の合格率や約10%程度と、比較的難易度は高いです。とはいえ、合格までに必要な勉強時間は約150時間~200時間程度とされているので、養成講座などを上手く活用しながら短期間での取得を目指すのがおすすめです。
個人情報保護士とは、個人情報保護法を体系的に理解し、その知識を実際の事業活動に支障なく管理・運営・活用できるだけの素養を有するエキスパートを認定する資格です。
コンプライアンス遵守の要請が高まっている現在、企業は個人情報の管理などの社内ルールを徹底して、不祥事などが生じないような体制を構築する動きが強まっています。個人情報保護士があれば個人情報保護法・マイナンバー法について専門的な知識を有することをアピールできるので、人事部門の管理職やIT業界などへのキャリアプランが具体的なものになります。
個人情報保護士認定試験の平均合格率は約37.3%、試験範囲も狭いので、合格するのは難しくはありません。人事部門でのキャリアアップのひとつの武器になるので、「少しでも転職活動や昇進・昇格の可能性を高めたい」と考えているのなら、普段の生活のスキマ時間を見つけてコツコツと勉強するのがおすすめです。
参考:個人情報保護士認定試験
メンタルヘルス・マネジメント検定とは、メンタルヘルスケアに関する知識や対処法を習得したことを示す資格検定のことです。
メンタルヘルス・マネジメント検定を取得していれば、他の従業員が抱えているメンタルヘルストラブルの相談にのれたり、メンタルヘルスの問題を未然に防ぐための対策を実施できるので、人事部門の人材として高い評価を得ることができます。
メンタルヘルス・マネジメント検定は、Ⅲ種(セルフケアコース)、Ⅱ種(ラインケアコース)、Ⅰ種(マスターコース)に分類されており、合格率の目安は以下のとおりです。
メンタルヘルス・マネジメント検定に合格しておけば、キャリア形成の面だけではなく、セルフケアをしてワークライフバランスの維持も実現しやすくなるので、「手始めに転職や仕事に役立つ資格を取得したい」という人におすすめです。
マイナンバー実務検定とは、社会的基盤として導入されたマイナンバー制度を良く理解し、特定個人情報を保護し、適切な取り扱いをするための検定試験のことです。
企業の人事部門では従業員の給与計算や源泉徴収、厚生年金保険手続きなどを対応することがあるため、マイナンバーに関する知識が備わっていることをアピールできれば、人事部門でのキャリア形成の武器になるでしょう。
マイナンバー実務検定は、3級・2級・1級に区分されており、どの級も合格率は約70%の水準です。試験は年4回実施されているので、数か月程度の勉強時間で着実に合格できるようなカリキュラムに従うのがおすすめです。
参考:マイナンバー実務検定
さいごに、人事部門での就労をきっかけに目指すべきキャリアプランを紹介します。
人事のキャリアパスとして最も分かりやすいゴールが「人事部門のスペシャリスト」です。
人事部門で対応する必要がある各業務の実務経験を積みながらリーダーシップ性を培っていけば、管理職としての活躍も視野に入ってくるでしょう。
また、近年では、コーポレートガバナンスを強化する目的から、人事部門でキャリアを積んだ人材を「HRBP(Human Resource Business Partner)」「CHRO(Chief Human Resource Officer)」の要職に登用する動きも出てきています。
人事部門のスペシャリストは企業内でも経営層に組み込むことができるほどの役割を担うことができるので、「今の会社から離れるつもりはないけれども、今以上に責任感のある仕事がしたい」と考えている人は、HRBPやCHROを目指して毎日の仕事に注力するとよいでしょう。
すでに人事部門で一定の実務経験を積んでいるのなら、社会保険労務士資格を取得するのもキャリアパスの選択肢のひとつです。
社会保険労務士試験では、以下の法律などに関する知識が問われます。人事部門での実務経験があれば、最低限の素養は備わっているため、スムーズに受験勉強を開始できるはずです。
社会保険労務士資格は難関国家資格のひとつなので、取得によってハイキャリアへの転身も視野に入ってきます。
たとえば、社会保険労務士として独立開業する、法律事務所や大手コンサルファームに入所する、一般事業会社の人事部門の管理職としてキャリアを積むなど、さまざまなキャリアパスが現実味を帯びるでしょう。
特に、独立開業をすれば自分の経営手腕次第で相当の収入を得ることもできるので、「企業のなかで昇進をするのではなく、企業を相手に人事で培ったスキルを提供したい」と考えている人は、社会保険労務士資格を取得して独立するプランがおすすめです。
人事コンサルタントとは、企業が抱える人事部門関係の課題を解決するためにコンサルティングサービス・アドバイザリーサービスを提供する専門家のことです。いわゆる「経営コンサルタント」の一種で、企業が抱えている人事関係の課題を分析し、さまざまな解決策などを提案します。
人事コンサルタントになるために資格や経歴は問われないので、誰でもその日から人事コンサルタントとして仕事を開始することができます。
ただし、企業側からの依頼を受けるには、人事コンサルタントとしての能力・スキルがあることを証明できなければいけません。つまり、社会保険労務士、中小企業診断士、経営関係のMBAなどの資格・学歴を取得したり、一定期間程度の実務経験が必要だということです。
たとえば、「将来的に人事コンサルタントとして活躍したい」と考えているなら、人事部門での実務経験を積みながら、スキマ時間を活用して社労士資格や中小企業診断士資格を取得して、将来独立する準備を進めるのがおすすめです。
人事部門での仕事に興味があったり、今後のキャリアパスに不安を感じていたりするなら、転職エージェントに相談するのがおすすめです。というのも、人事などのバックオフィス部門の転職支援に特化したエージェントに相談をすれば、以下のメリットを得られるからです。
キャリアに関する不安をひとりで抱えたままの状態で今の仕事を盲目的に続けるのはおすすめできません。
転職活動や資格勉強をスタートするタイミングは早ければ早いほど良いので、まずは転職エージェントに相談をして、キャリアに関する不安について第三者からアドバイスをもらうことから始めてみましょう。
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