経理から転職したい人へ|経験を年収に変える転職先と転職活動の進め方・信頼できるエージェントまで

経理から転職したい人へ|経験を年収に変える転職先と転職活動の進め方・信頼できるエージェントまで

経理として数年働くと、「毎月同じ締め作業の繰り返しで、このままでいいのだろうか」と考える瞬間が出てきます。

  • 繁忙期の負荷に年収が見合っていない
  • 一人経理で評価してくれる人がいない
  • 上のポジションがなかなか空かない など

理由は人それぞれですが、多くの人に共通しているのは「次に何を目指せばいいのかが見えない」という迷いです。

この記事では、BEET-AGENTの公開求人ページに掲載している経理求人1,440件以上を業務範囲ごとに集計した結果と、厚生労働省の統計をもとに、経理経験者がどこへ転職でき、何を経験に足せば年収が上がるのかを整理しました(2026年10月14日時点)。

今の経験から届く転職先、業務範囲別の次の一手、転職活動の進め方、相談先にしたい転職エージェントまで、この記事だけで判断できるようにまとめています。

この記事の要点

  • 経理から転職するなら、職種を変えるより担当する業務範囲を広げるほうが年収は上がりやすい
  • 公開求人の想定年収は、月次・年次決算のみの求人で450〜650万円、連結決算を含む求人で600〜850万円、管理職の求人で700〜1,000万円が中心になっている
  • 決算期を避けて動き、職務経歴書は「業務範囲×会社規模×期間」で書くと評価が伝わりやすい

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経理から転職したいなら、職種より「業務範囲」を変えるほうが年収は上がりやすい

経理からの転職とは、経理として積んだ決算・税務・管理会計などの経験を、別の会社や別の職種で活かすことです。

選択肢は大きく「他社の経理へ移る」「財務や経営企画など隣の職種へ移る」「会計事務所やコンサルティングファームへ移る」の3つに分かれます。

結論から言うと、年収とポジションを上げたい人にとって最も再現性が高いのは、職種を変えることではなく、担当する業務範囲を広げられる会社へ移ることです。

経理経験者の転職は同じ職種でポジションを上げる形が主流になる

経理から転職する人の多くは、転職後も経理・財務の仕事を続けています。JACが公開している自社の支援データでは、同社が転職を支援した経理出身者のうち82.2%が、転職後も経理・財務の職種に就いていました。

経理の実務は、会社や業界が変わっても通用する部分が大きい仕事です。

仕訳のルール、月次・年次決算の流れ、税務申告や監査法人対応の進め方は、どの会社でも基本的な骨格が共通しています。

そのため、経理経験者が同じ職種で転職すると、入社初日から経験をそのまま評価してもらえます。

反対に、経理とまったく関係のない職種へ移ると、それまでの経験が評価の対象になりにくくなります。未経験者として採用されるため、年収は一度下がる前提で考える必要があります。

もちろん、やりたい仕事が明確にあるならキャリアチェンジも十分に選択肢になります。

ただ、「今の仕事に行き詰まっている」という理由だけなら、まず同じ経理の中で業務範囲を広げる道を検討したほうが、年収面で後悔しにくくなります。

公開求人1,441件で見る経理求人の年収レンジ

BEET-AGENTの公開求人ページに掲載している経理求人1,441件のうち、想定年収の記載がある1,324件を、担当する業務の範囲ごとに分けて集計しました。

各区分の想定年収は、求人ごとの下限と上限それぞれの中央値です。

求人の区分 件数 想定年収(下限〜上限の中央値) 上限が1,000万円以上の求人の割合
経理求人全体 1,324件 550〜800万円 35%
月次・年次決算のみ 84件 450〜650万円 11%
連結決算を含まない 321件 500〜750万円 27%
連結決算を含む 916件 600〜850万円 37%
IPO・上場準備 154件 600〜900万円 42%
開示・IFRS 185件 600〜900万円 43%
内部統制・内部監査 70件 650〜1,000万円 61%
管理職(マネジメント・責任者など) 196件 700〜1,000万円 54%

[参照元]経理の求人一覧|BEET-AGENT(2026年10月14日時点の掲載求人を編集部が集計)

集計の方法と注意点も書いておきます。

区分は求人に付いている業務タグ(月次決算・年次決算・連結決算など)と求人タイトルの語句で分けているため、1件の求人が複数の区分に入っている場合があります。

また、ここに示した金額は求人票に書かれた想定年収の幅であり、実際に転職した人の年収ではありません。勤務地は東京都の求人が約93%を占めているため、地方では水準が異なる可能性があります。

それでも、傾向ははっきりしています。月次・年次決算だけを担当する求人と、連結決算や開示、内部統制まで含む求人とでは、想定年収の下限で150〜200万円ほどの差があります。

経理の年収を決めているのは、職種名よりも「どこまでの業務を任せられる人か」だと言えます。

「辞めたい」と「上がりたい」で取るべき道は変わる

経理から転職したい理由は、大きく2つに分かれます。今の環境がつらくて離れたい「辞めたい」型と、経験を活かしてもっと上を目指したい「上がりたい」型です。

「辞めたい」型の人は、まず何がつらいのかを特定することが先です。残業の多さなのか、人間関係なのか、数字を扱う仕事そのものなのかで、転職先の選び方がまったく変わるからです。

気持ちの整理から始めたい人は、「経理しんどい」と感じる理由とキャリア好転への解決策もあわせて読んでみてください。

「上がりたい」型の人は、今の業務範囲から一段広い範囲を任せてくれる会社を探すことが近道です。この記事の後半では、業務範囲別に次の一手を具体的に整理しています。

経理から転職したいと感じる理由と、転職で解決できるかの見分け方

経理から転職したいと感じる理由は、似ているようでも中身が違います。

転職で解決できる悩みと、転職しても解決しにくい悩みがあるため、動き出す前に自分の理由を言葉にしておくことが大切です。ここでは、経理経験者によくある4つの理由と、その切り分け方を紹介します。

業務が月次・年次で止まり、成長している実感が持てない

毎月の締め、年次決算、税理士への資料提出というサイクルを数年回すと、仕事は確実に早く正確になります。一方で、新しく覚えることが減り、「この先も同じことをしているだけではないか」と不安になる人は少なくありません。

この悩みは、転職で解決しやすい部類に入ります。前の章で見たとおり、連結決算や開示、上場準備を含む求人は全体の多くを占めており、業務範囲を広げられる職場は探せば見つかります。

特に、子会社を持つグループ会社や上場企業、上場準備中の企業では、単体決算の経験を土台に連結や開示の業務へ進む道が用意されていることが多くあります。

ただし、今の会社でも担当を広げる余地が残っているなら、先に上司に相談してみる価値があります。

社内で連結の補助に入れてもらえれば、その経験自体が次の転職での評価材料になります。

繁忙期の負荷に年収が見合わない

経理の仕事は、決算期に負荷が集中します。厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)でも、経理事務は就業時間が規則的で残業が少ない一方、決算期には日常業務と並行して決算処理を行うため残業が多くなることがある、と説明されています。
[参照元]経理事務|職業情報提供サイト(job tag)

繁忙期があること自体は、経理である限りどの会社でも変わりません。転職で変えられるのは、繁忙期の負荷の大きさと、その負荷に対する報酬です。

人数に余裕のある経理部門なら一人あたりの負担は分散しますし、業務範囲が広い求人ほど想定年収も上がります。

応募先を選ぶときは、決算期の残業時間の実績と、経理部門の人数構成を確認しましょう。

求人票に書かれていないことが多いため、面接や転職エージェントを通じて質問するのが現実的です。

一人経理・少人数経理で評価してくれる人がいない

中小企業の一人経理は、日々の記帳から月次・年次決算、税理士とのやり取りまでを一人でこなします。業務の幅は広いのに、社内に経理をわかる人がいないため、成果が正しく評価されにくいという悩みを抱えやすい立場です。

一人経理の経験は、転職市場では「決算の一連の流れを自分で回した経験」として評価されます。

応募書類では、担当した業務を一つずつ具体的に書き出すことで、少人数ならではの守備範囲の広さが伝わります。

評価してくれる人がいないという悩みは、経理部門が組織として機能している会社へ移ることで解決しやすい部類です。

会社の成長段階と自分の志向が合わない

同じ経理でも、会社の成長段階によって求められる役割は大きく違います。

上場企業の経理は決められたルールとスケジュールの中で正確さを求められ、上場準備中の企業では社内規程や決算体制をゼロから作る役割を求められます。

安定した環境で専門性を深めたいのか、変化の大きい環境で仕組みづくりに関わりたいのか。この志向と今の会社が合っていない場合も、転職で解決しやすい悩みです。

次の会社を選ぶときは、年収や企業規模だけでなく、その会社が今どの段階にいるのかを確認しましょう。

職種の問題か職場の問題かを切り分ける

ここまでの理由を整理すると、転職で解決しやすいのは「職場」に原因がある悩みです。業務範囲、評価の仕組み、人数構成、会社の成長段階は、会社を変えれば変わります。

一方で、「数字を細かく確認する作業そのものが苦痛」「締め切りに追われる働き方が根本的に合わない」と感じているなら、原因は職種のほうにあるかもしれません。

その場合は、経理の経験を土台にしながら、経営企画やコンサルティングなど働き方の違う職種を検討する意味があります。

自分の適性に迷っている人は、経理に向いてない人とは?適性に悩んだときの対処法も参考になります。

データで見る経理の転職市場

経理の転職市場について、「経理は人が余っている」「経験者は引く手あまた」と正反対の話を聞いたことがあるかもしれません。

実は、どちらも統計の見る場所によっては正しいと言えます。ここでは、厚生労働省の統計とBEET-AGENTの公開求人データを並べて、経理の転職市場の実態を確認します。

会計事務の有効求人倍率は0.55倍で、一般事務より高い

有効求人倍率とは、仕事を探している人1人に対して何件の求人があるかを示す数値です。1倍を下回ると求職者のほうが多く、上回ると求人のほうが多い状態を意味します。

厚生労働省の一般職業紹介状況によると、2026年8月のハローワークにおける会計事務従事者の有効求人倍率(常用・パートを含む)は0.55倍でした。職業全体の1.06倍より低い一方で、一般事務従事者の0.29倍と比べると約2倍の水準です。
[参照元]一般職業紹介状況(令和8年8月分)参考統計表|厚生労働省

この数字だけを見ると、経理の仕事は求職者のほうが多いように見えます。ただし、ハローワークの統計には、記帳や伝票入力が中心の事務職やパートタイムの求人・求職者も含まれています。

決算や連結を担える経験者の求人は、転職エージェントや企業の直接採用で動くことが多く、この統計には表れにくい点に注意が必要です。

経理事務の平均年収は512.2万円、平均年齢は44歳

job tagが令和7年賃金構造基本統計調査を加工して公表しているデータでは、経理事務の賃金(年収)は全国で512.2万円、平均年齢は44歳でした。同じページに掲載されているハローワークの求人賃金は、令和7年度で月額25.2万円です。 [参照元]経理事務|職業情報提供サイト(job tag)

これをBEET-AGENTの公開求人と比べると、経理求人全体の想定年収の中央値は550〜800万円で、統計上の平均年収を上回る水準に集まっています。

経理の転職市場は、事務職として広く募集される層と、決算や開示を担える経験者を個別に探す層の2つに分かれていると考えると、両方の数字を矛盾なく理解できます。

連結決算の有無で求人の年収レンジが変わる

公開求人1,441件のうち、業務タグに連結決算を含む求人は約64%にのぼりました。

経験者向けの経理求人では、連結決算への対応がすでに標準的な要件になりつつあることがわかります。

年収面でも差は明確です。連結決算を含む求人の想定年収は600〜850万円、含まない求人は500〜750万円で、下限・上限ともに約100万円の差があります。

連結決算は、子会社の決算を集めて取引を消去し、グループ全体の数字を作る業務です。

単体決算より関係者が増え、締め切りも厳しくなるため、経験者が限られ、そのぶん年収に反映されやすくなっています。

上場準備・開示・IFRSの求人は上限が高くなる

IPO・上場準備に関わる求人と、開示やIFRSに関わる求人は、どちらも想定年収の中央値が600〜900万円で、上限が1,000万円以上の求人が4割を超えていました。

上場準備中の会社では、監査法人の監査に耐えられる決算体制と社内規程を、限られた期間で整える必要があります。

上場企業の開示業務では、決算短信や有価証券報告書を決められた期限までに正確に出さなければなりません。

どちらも、一度経験した人でなければ段取りが組みにくい業務であり、経験者の取り合いになりやすい領域です。

管理職の求人では上限1,000万円クラスが中心になる

求人タイトルに「マネジメント」「責任者」「統括」「管理職」などを含む求人は196件あり、想定年収の中央値は700〜1,000万円でした。上限が1,000万円以上の求人は54%を占めています。

内部統制・内部監査の求人(650〜1,000万円)とあわせて、経理のキャリアで年収1,000万円を視野に入れるなら、マネジメントか、統制・開示といった専門領域のどちらかを経験に加えることが現実的なルートになります。

経理から転職できる主な転職先と、今の経験から届く距離

経理経験者が狙える転職先は、事業会社の経理だけではありません。ここでは代表的な7つの転職先について、どんな経験があると届きやすいのかを紹介します。最後に、今の業務範囲から見た届きやすさを表にまとめました。

規模や上場区分が上の会社の経理へ移る

最も現実的で、年収を上げやすいのがこのルートです。非上場企業から上場企業へ、単体のみの会社からグループ会社へと移ることで、連結決算や開示といった一段上の業務に関われるようになります。

評価されるのは、月次・年次決算を自分で締めた経験と、監査法人や税理士とやり取りした経験です。

上場企業同士の転職であれば、決算短信や有価証券報告書の作成経験が大きな武器になります。大手企業の経理の年収水準については、大手メーカー経理の年収相場や転職での伸ばし方で詳しく解説しています。

IPO準備企業の経理で体制づくりに関わる

上場を目指している企業では、決算の早期化、社内規程の整備、監査法人への対応など、経理部門の仕組みをゼロから作る仕事があります。前の章で見たとおり、IPO・上場準備の求人は想定年収の上限が高い傾向にあります。

求められるのは、決算の一連の流れを自分で回せることと、決まったルールがない状況でも自分で手順を作れることです。

上場企業で開示を経験した人が、上場準備企業で中心メンバーとして迎えられるケースもあります。

一方で、体制が整っていない段階では一人あたりの業務量が多くなりやすいため、入社前に部門の人数と上場の予定時期を確認しておきましょう。

財務・FP&Aで資金と計画を担う

財務は、資金調達や資金繰り、金融機関との交渉など、会社のお金を「これからどう動かすか」を担う仕事です。FP&A(経営計画・予算管理を通じて経営判断を支援する機能)も、経理経験者の転職先の一つです。

経理が過去の取引を正確に記録する仕事だとすると、財務やFP&Aは数字をもとに未来の計画を立てる仕事です。予算策定や予実管理、資金繰り表の作成に関わった経験があると、選考で評価されやすくなります。

経営企画で数字を経営判断につなげる

経営企画は、中期経営計画の策定、予算編成、新規事業の検討、M&Aの推進などを通じて、経営陣の意思決定を支える部門です。経理で培った「数字から会社の状態を読み解く力」が直接活きる職種です。

ただし、経営企画の求人は管理会計や予算管理の経験を前提にしていることが多く、決算業務だけの経験では評価につながりにくい傾向があります。

経理から経営企画を目指す場合は、まず管理会計を担当できる経理ポジションに移り、その経験を足がかりにする二段階のルートも検討しましょう。

内部監査・内部統制で仕組みを点検する

内部監査は、社内の業務が規程どおりに運用されているか、不正やミスを防ぐ仕組みが機能しているかを点検する仕事です。

上場企業には内部統制報告制度(J-SOX)への対応が求められるため、経理で内部統制の整備や評価に関わった経験は高く評価されます。

公開求人の集計では、内部統制・内部監査の求人は想定年収の中央値が650〜1,000万円と高い水準でした。

決算の実務を知っている人ほど、どこにリスクがあるかを見抜きやすいため、経理出身者が強みを発揮しやすい職種です。

会計事務所・税理士法人で税務の幅を広げる

会計事務所や税理士法人では、複数の顧問先の記帳代行、決算、税務申告を担当します。

事業会社の経理では関われない幅広い業種の税務に触れられるため、税務の専門性を高めたい人に向いています。

税理士を目指して科目合格を進めている人にとっては、実務経験を積みながら受験を続けられる職場として有力な選択肢です。

ただし、事業会社から移る場合は、最初の年収が下がることもあります。受験との両立のしやすさや繁忙期の働き方は事務所ごとに差が大きいため、応募前によく確認しましょう。

会計系コンサルティングファームで外から支援する

会計系コンサルティングファームでは、決算早期化の支援、IFRSの導入支援、M&Aに伴う財務調査など、複数の企業の会計課題を外部の立場から解決します。

年収水準は事業会社より高くなりやすい一方で、プロジェクトごとに働き方が変わり、繁忙の波も大きくなります。

評価されるのは、連結決算や開示、IFRS対応など専門性の高い業務経験です。公認会計士やUSCPAなどの資格があると、選考の幅が大きく広がります。

今の業務範囲から届きやすい転職先を確かめる

ここまでの内容を、今の業務範囲から見た届きやすさの目安として表にまとめました。

◎は今の経験のまま狙いやすい、○は経験の伝え方次第で狙える、△は追加の経験や資格があると狙いやすい、という意味です。あくまで目安であり、実際の評価は応募先の状況によって変わります。

今の業務範囲 他社の経理(規模アップ) IPO準備企業の経理 財務・FP&A 経営企画 内部監査・内部統制 会計事務所・税理士法人 会計系コンサル
月次決算が中心 ○ △ △ △ △ ○ △
年次決算・税務まで ◎ ○ △ △ ○ ◎ △
連結決算・開示まで ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○
管理会計・予算まで ◎ ○ ◎ ○ ○ △ ○
マネジメント経験あり ◎ ◎ ○ ○ ◎ ○ ○

業務範囲別|経理経験者が年収を上げるための次の一手

ここからは、今の業務範囲ごとに、次の転職で何を経験に加えると年収が上がりやすいのかを整理します。

公開求人の集計で見たように、経理の年収は業務範囲が一段広がるごとに上がっていきます。今の自分がどの段階にいて、次にどこを目指すのかを確認しながら読んでみてください。

月次決算が中心の人は年次決算と税務を担当範囲に入れる

日々の仕訳と月次決算が中心の人が次に目指したいのは、年次決算と税務申告の準備まで自分で担当することです。

公開求人の集計では、月次・年次決算のみの求人の想定年収は450〜650万円でした。年次決算を自分で締められることは、経験者採用の求人に応募するうえでの最初の条件になりやすいため、ここを固めることが年収アップの土台になります。

今の会社で年次決算に関わる機会がないなら、決算の一部を任せてもらえる環境へ移ることを優先しましょう。

転職先を選ぶ際は、年収の高さよりも「入社後1〜2年で年次決算を一人で回せるようになるか」を基準にすると、次の転職につながります。

日商簿記2級を持っていない場合は、並行して取得しておくと書類選考で不利になりにくくなります。

年次決算まで回せる人は連結決算か上場準備企業を狙う

単体の年次決算と税務申告の準備まで一通り経験している人は、経理経験者として十分に評価される段階にいます。

次に狙いたいのは、連結決算に関われる会社か、上場準備中の会社です。

連結決算を含む求人の想定年収は600〜850万円で、含まない求人より約100万円高い水準でした。

連結の実務経験がなくても、単体決算をしっかり回せる人を連結の担当候補として採用する会社は少なくありません。面接では、子会社との取引の把握や、決算スケジュールの管理など、連結につながる経験を具体的に話せるように準備しておきましょう。

連結・開示の経験者はマネジメントかIFRSで上限を上げる

連結決算や開示の経験がある人は、経理の中でも求人が多く、年収の上限も高い層にいます。ここからさらに年収を上げるルートは、大きく2つです。

1つは、メンバーを率いるマネジメントの立場に就くことです。管理職の求人は想定年収の中央値が700〜1,000万円で、上限が1,000万円以上の求人が過半数を占めていました。

もう1つは、IFRSや内部統制、M&Aに伴う会計処理といった、経験者が少ない専門領域を深めることです。

どちらに進むかは、人を育てることにやりがいを感じるか、専門性を突き詰めたいかで選ぶとよいでしょう。

管理会計・予算の経験者は経営企画やFP&Aに橋を架ける

部門別の損益管理や予算策定、予実分析に関わってきた人は、経理以外の職種へ移る選択肢も現実的になります。管理会計の経験は、経営企画やFP&Aで求められるスキルと重なる部分が大きいためです。

公開求人の集計では、予算・経営管理・管理会計・FP&Aに関わる求人は75件あり、想定年収の中央値は500〜850万円でした。

経理の延長で経営企画寄りの業務を担う求人もあるため、いきなり経営企画部門へ移るのではなく、まずは管理会計の比重が大きい経理ポジションを選ぶ方法もあります。

職務経歴書では、分析した数字をもとにどんな提案をし、何が変わったのかまで書くと評価が伝わりやすくなります。

簿記・税理士科目・USCPAが効く場面と効かない場面を知る

経理の転職で資格がどれだけ効くかは、狙う転職先によって変わります。

日商簿記2級は、経理の基礎知識を持っていることの証明として、多くの求人で歓迎条件に挙げられています。

ただし、経験者採用では資格よりも実務経験が重視されるため、簿記1級を持っていても決算経験が浅ければ、年収が大きく上がるとは限りません。

税理士の科目合格は、会計事務所や税理士法人、事業会社の税務担当を目指す場合に評価されます。

USCPAや英語力は、外資系企業やグローバルに展開する企業、IFRS対応の求人で強みになります。資格は「今の実務経験に何を上乗せしたいか」から逆算して選ぶと、時間とお金を無駄にしにくくなります。

経理の転職を成功させる戦略的な進め方

経理の転職は、動き出す時期と、経験の伝え方で結果が大きく変わります。ここでは、経理経験者が転職活動を進めるうえで押さえておきたい5つのポイントを紹介します。

動く時期は決算期から逆算して決める

経理の転職活動は、自分の会社の決算期を避けて進めるのが基本です。3月決算の会社なら、4〜5月は年次決算、6月は株主総会や有価証券報告書の対応が重なり、面接の日程を確保するのも難しくなります。

おすすめは、決算が落ち着いた時期に情報収集と応募を始め、次の決算期より前に退職と引き継ぎを終えられるよう逆算することです。

退職の申し出から実際の退職までは1〜2か月かかることが多いため、内定の時期から引き継ぎの期間まで含めてスケジュールを組みましょう。

決算の途中で退職すると、現職に大きな負担をかけるだけでなく、自分の評価にも影響しかねません。

職務経歴書は「業務範囲×会社規模×期間」で書く

経理の職務経歴書で最も大切なのは、担当した業務の範囲を具体的に書くことです。「経理業務全般」と書くだけでは、採用担当者にはどこまでできる人なのかが伝わりません。

たとえば、「売上高約50億円・子会社3社の上場企業で、単体の月次・年次決算を3年間担当。2年目からは連結精算表の作成補助と決算短信の数値チェックを担当」のように、業務範囲、会社規模、期間をセットで書きます。

会計ソフトやERPの名前、決算の締め日数、改善した業務とその結果も書いておくと、即戦力としてのイメージが伝わりやすくなります。評価されやすい実績の書き方は、転職で求められる経理経験とは?評価される実績やアピール方法で詳しく紹介しています。

面接では転職理由を次にやりたい業務で語る

面接で必ず聞かれるのが転職理由です。「業務がルーティンでつまらない」「残業が多い」といった今の不満だけを話すと、入社後も同じ理由で辞めてしまうのではないかと受け取られる可能性があります。

転職理由は、次にやりたい業務とセットで話しましょう。たとえば「単体決算は一通り回せるようになったので、次は連結決算と開示の経験を積みたい。今の会社には子会社がなく、その機会がないため転職を考えた」のように伝えると、前向きで具体的な理由として受け止めてもらえます。面接での経験の伝え方は、経理の転職で評価されるスキルと面接対策も参考にしてください。

求人票に出ない「欠員の理由」を確認する

経理の中途採用には、前任者の退職による欠員補充と、上場準備や事業拡大に伴う増員の2種類があります。どちらの採用かによって、入社後に任される業務の範囲や、最初に求められる成果が変わります。

たとえば欠員補充であれば、前任者の業務をすぐに引き継ぐことが期待されます。増員であれば、新しい業務の立ち上げを任される可能性があります。こうした採用の背景は求人票に書かれないことが多いため、面接で質問するか、転職エージェントを通じて確認しておくと、入社後のミスマッチを防げます。

年収交渉は担当範囲の差分を材料にする

年収交渉で説得力を持つのは、「前職より担当範囲が広がる分、責任に見合った年収にしてほしい」という差分の考え方です。単に「今より上げてほしい」と伝えるより、現職との業務範囲の違いを具体的に示したほうが、企業側も検討しやすくなります。

この記事で紹介した業務範囲別の年収レンジは、交渉の目安を考える材料として使えます。ただし、想定年収は幅を持って提示されるのが一般的で、最初の提示は下限寄りになることもあります。自分で交渉するのが難しい場合は、転職エージェントに条件交渉を任せる方法もあります。

経理の転職に強い頼れる転職エージェントおすすめ5社を比較

経理の転職では、求人票に書かれない部門の体制や採用の背景を、応募前にどこまで確認できるかが結果を左右します。

ここでは、経理経験者が相談先として検討したい転職エージェントを5社紹介します。

選定にあたっては、次の3つの基準を満たしているかを確認しました。

サービス名 運営会社 特化領域 年収帯 向いている人
BEET-AGENT 株式会社アシロ 管理部門・バックオフィス 600万円〜1,000万円以上を目指す層 経理経験を年収と役職に変えたいリーダー・ミドル層
ハイスタ税理士 株式会社アシロ 税理士・科目合格者 非公表 経理から税務の専門職へ進みたい科目合格者
MS-Japan 株式会社MS-Japan 管理部門・士業 非公表 事業会社と会計事務所を横断して比べたい人
JACリクルートメント 株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント ハイクラス全般 年収800万円以上が主な対象 外資系・グローバル企業の経理財務を目指す人
ヒュープロ 株式会社ヒュープロ 士業・管理部門 非公表 求人を自分で比べながら方向性を固めたい人
  • 経理・財務の求人を実際に保有し、公式サイトで扱いを明示している
  • 経理経験者の年代・経験レンジに合った支援領域を公表している
  • 厚生労働大臣の有料職業紹介事業の許可を受けた事業者が運営している

BEET-AGENT|経理経験を年収とポジションに変える転職を両手型で詰める

beet-agent

BEET-AGENTは、管理部門・バックオフィスに特化した転職エージェントで、年収600万円〜1,000万円以上を目指す経理・財務のリーダー・ミドルクラスにおすすめです。

公式サイトでは、上場企業に加えてIPO準備中企業やベンチャーの希少なポジションを扱うとしており、公開求人ページには経理求人を1,441件掲載しています(2026年10月時点・公式サイト)。

一方で、総合型と比べて求人数は見劣りするのは事実で、面談を踏まえたマッチング精度を強みに据えています。

経理の中途採用は1名枠のことが多く、欠員補充なのか、上場準備に伴う増員なのかで、入社後に任される範囲も交渉できる年収も変わります。

ただ、その背景は求人票に書かれません。BEET-AGENTは、求職者を担当するキャリアアドバイザーと、企業を担当するリクルーティングアドバイザーが連携する両手型で支援します。企業側から聞いた募集の背景を、面談でそのまま共有します。

部門の人数構成や決算体制、監査法人とのやり取りの状況まで確認できるため、応募先を比べる材料と年収交渉の材料が増えます。ただし、求人を大量に見比べたい人や、経理の実務経験がまだない人には向いていません。

こんな人におすすめです。

  • 30代〜40代で、経理の実務経験を年収と役職に変えたい人
  • 連結決算や上場準備など、一段広い業務範囲を任される求人を探している人
  • 求人票に出ない部門の実態を確認してから応募したい人
項目 内容
運営会社 株式会社アシロ(有料職業紹介事業許可 13-ユ-313782)
求人数 公開求人のうち経理1,441件(非公開求人の件数は非公表)
年収帯 年収600万円〜1,000万円以上を目指す層が対象
対応地域 公式サイトで都道府県別に求人を掲載
公式サイト https://beet-agent.com/

経理経験の伝え方は、転職で求められる経理経験とは?評価される実績やアピール方法で詳しく解説しています。

ハイスタ会計士|会計士から事業会社の経理専門職へ

ハイスタ会計士は、公認会計士に特化した転職エージェントで、監査法人の会計士から事業会社の経理・税務へ進みたい方におすすめです。

紹介する求人はすべて非公開で、事業会社の他に、税理士法人・会計事務所・コンサルティングファームの4領域を扱います。

テーマ別の求人特集には「科目合格者・簿記2級以上の未経験者向け」や「事業会社の税務・経理・財務」があります(2026年10月時点・公式サイト)。

経理から税務の専門職へ移る人がつまずきやすいのは、受験との両立です。

試験前の休暇の取りやすさ、繁忙期の残業の実態、受験科目に合わせた業務の配分は事務所ごとに差が大きく、求人票にはほとんど書かれません。ハイスタ会計士は、事務所・企業との窓口も同じ社内で担う両手型のため、こうした内情を応募前に共有します。

支援は求人紹介から書類添削、面接対策、条件交渉まで一貫して対応します。ただし、税務・会計の専門職を目指していない人や、会計士試験に取り組む予定がない人は対象外です。

こんな人におすすめです。

  • 事業会社の経理から、税理士法人・会計事務所へ転向したい科目合格者
  • 受験を続けながら税務の実務経験を積める職場を探している人
  • 事業会社の税務担当として専門性を高めたい人
項目 内容
運営会社 株式会社アシロ
求人数 非公表(すべて非公開求人)
年収帯 非公表(年収1,000万円以上の求人特集あり)
対応地域 非公表
公式サイト https://hi-standard.pro/cpa/

MS-Japan|管理部門と士業の求人を横断して比べられる

msjapan

MS-Japanは、管理部門・士業に特化した転職エージェントで、経理を軸に、事業会社と会計事務所・税理士法人の両方を比べながら転職先を選びたい人におすすめです。

公式サイトでは、35年にわたって経理・財務、人事・総務、法務などの管理部門と、弁護士・公認会計士・税理士などの士業の転職を支援してきたこと、取り扱い求人数が10,000件以上であることを公表しています(2026年10月時点・公式サイト)。

経理からの転職先は、事業会社の経理だけでなく、税理士法人や監査法人といった士業側にも広がります。

ところが、事業会社の求人と士業の事務所の求人は扱うエージェントが分かれていることが多く、同じ基準で比べにくいのが実情です。

MS-Japanは管理部門と士業の双方を扱っているため、「事業会社に残るか、税務の専門職に進むか」をまだ決めきれていない段階でも、両方の求人を並べて検討できます。

ただし、外資系のハイクラス求人や、経理と関係のない職種を広く見たい人は、他社との併用が向いています。

こんな人におすすめです。

  • 事業会社と会計事務所のどちらに進むか迷っている経理経験者
  • IPO準備中企業から上場企業まで、幅広い規模の求人を比べたい人
  • 管理部門の中で、経理から人事・法務など隣の職種も視野に入れている人
項目 内容
運営会社 株式会社MS-Japan
求人数 10,000件以上(公式公表値)
年収帯 非公表
対応地域 非公表
公式サイト https://www.jmsc.co.jp/

JACリクルートメント|外資系やハイクラスの経理・財務まで視野を広げられる

jac

JACリクルートメントは、ハイクラス転職に特化した転職エージェントで、英語力やIFRS、マネジメントの経験を活かして年収800万円以上を目指す経理・財務経験者におすすめです。

公式サイトでは、業界・職種に特化したコンサルタントが複数人で転職者をサポートする体制を紹介しています。

2025年度の支援実績の一例には、外資系企業の財務責任者などのポジションも掲載されています(2026年10月時点・公式サイト)。

経理の年収は、同じ業務範囲でも、外資系企業かどうか、海外子会社を含むグローバル連結があるかどうかで大きく変わります。

当サイトの公開求人の集計でも、開示・IFRSに関わる求人は想定年収の中央値が600〜900万円と高い水準でした。

こうした求人は英語での報告や本社とのやり取りが前提になるため、外資系企業やグローバル企業との取引が多いエージェントでなければ、紹介される機会自体が限られます。

ただし、経理の実務経験が数年で、これから決算の経験を積んでいく段階の人は、同社が想定する年収帯から外れやすく、紹介できる求人が限られる可能性があります。

こんな人におすすめです。

  • 英語力やUSCPAを活かして外資系企業の経理・財務を目指す人
  • 連結決算やIFRS対応の経験があり、年収800万円以上を狙う人
  • 経理部長や財務責任者などの管理職ポジションを探している人
項目 内容
運営会社 株式会社ジェイ エイ シー リクルートメント
求人数 非公表
年収帯 年収800万円以上の転職を主な対象として案内
対応地域 非公表
公式サイト https://www.jac-recruitment.jp/

ヒュープロ|会計事務所から上場企業まで求人を一覧で比べられる

hupro

ヒュープロは、士業・管理部門に特化した求人メディア兼キャリアエージェントで、自分でも求人を見比べながら、会計事務所と事業会社の経理の両方を検討したい人におすすめです。

公式サイトでは、個人事務所や業界特化型の事務所からBIG4、プライム上場企業まで、幅広い求人を掲載しているとしています。

サイト上では、上場企業・非上場企業・税理士法人・会計事務所・監査法人などの企業種別で求人を絞り込めます(2026年10月時点・公式サイト)。

経理から転職したい人の中には、どの規模や種類の職場が自分に合うのか、まだ決めきれていない人も多いはずです。

転職エージェントに相談するだけだと、紹介された求人の範囲でしか比較できません。ヒュープロのように求人メディアとしての機能を持つサービスなら、自分で求人を一覧しながら相場観をつかみ、そのうえでキャリアアドバイザーに相談するという使い方ができます。

ただし、年収1,000万円クラスの管理職求人を中心に探したい人は、ハイクラスに強い他社と併用したほうが選択肢を確保しやすくなります。

こんな人におすすめです。

  • 20代〜30代前半で、経理としての方向性をこれから固めたい人
  • 会計事務所と事業会社の経理を並べて比べたい人
  • 自分でも求人を探しながら、気になる求人について相談したい人
項目 内容
運営会社 株式会社ヒュープロ
求人数 非公表
年収帯 非公表
対応地域 非公表
公式サイト https://hupro-job.com/

経理から転職して後悔しないための注意点

経理の転職は、経験が評価されやすい一方で、選び方を誤ると「前の会社のほうがよかった」と感じることもあります。ここでは、転職後に後悔しないために押さえておきたい4つの注意点を紹介します。

年収レンジは下限で提示される前提で考える

求人票の想定年収は、「450〜800万円」のように幅を持って書かれているのが一般的です。この幅の上限を基準に期待していると、実際の提示額との差に戸惑うことがあります。

提示額は、これまでの経験と、入社後に任される業務範囲で決まります。

応募の段階では、下限に近い金額でも転職する意味があるかを考えておくと、内定後の判断がぶれにくくなります。年収を上げたい場合は、前の章で紹介したように、担当範囲が広がる分を交渉の材料にしましょう。

企業規模を一気に変えると求められる役割が変わる

中小企業から大手企業へ、あるいは大手企業からベンチャーへと、規模を大きく変える転職では、同じ経理でも仕事の進め方がまったく違います。

大手企業では業務が細かく分業されているため、担当範囲は狭く深くなります。

中小企業やベンチャーでは、経理以外の総務や労務まで任されることもあります。どちらがよいかではなく、自分がどちらの働き方を望んでいるかを確認してから応募先を選びましょう。

「経理を辞めたい」だけで異職種に移らない

今の仕事がつらいときほど、経理という職種そのものから離れたくなるものです。ただ、つらさの原因が職場にある場合、異職種に移っても同じ悩みを繰り返す可能性があります。しかも、未経験の職種では年収が下がりやすくなります。

異職種への転職を考えるなら、その職種で何をしたいのかを具体的に言えるかを確かめてみてください。

言葉にできるなら、それは前向きなキャリアチェンジです。言葉にできないなら、まず経理の中で環境を変えることを検討したほうが、後悔は少なくなります。

転職で後悔しやすいパターンは、経理の転職で後悔する理由と失敗を防ぐポイントで詳しく紹介しています。

今の会社に残る選択肢とも比べる

転職活動をしたからといって、必ず転職しなければならないわけではありません。求人を見たり、転職エージェントと面談したりする中で、今の会社の待遇や経験が実は悪くないと気づくこともあります。

社内で担当業務を広げてもらえる見込みがあるなら、それを経験してから転職したほうが、次の転職で有利になる場合もあります。転職と残留を同じ基準で比べ、自分にとってよりよい選択をしてください。

よくある質問(FAQ)

経理から異業種・異職種への転職は難しいですか?

まったく関係のない職種への転職は、未経験者としての採用になるため、経理の経験を活かせる転職と比べると難しくなります。

一方で、財務や経営企画、内部監査、会計系コンサルティングなど、経理の経験と重なる職種であれば十分に可能です。

特に管理会計や予算管理の経験がある人は、経営企画やFP&Aへの転職で評価されやすくなります。

経理の転職は何歳までできますか?

年齢の上限が決まっているわけではありません。20代は経験が浅くても将来性で採用されやすく、30代は実務経験の中身で評価されます。

40代以降は、連結決算や開示、マネジメントなど、専門性や管理職としての経験が求められる傾向が強まります。

40代の転職については、40代経理の転職は難しい?求められるスキルや内定獲得の具体策で詳しく解説しています。

一人経理の経験は転職で評価されますか?

評価されます。一人経理は、日々の記帳から月次・年次決算、税理士とのやり取りまでを一人で担うため、決算の一連の流れを理解している人として見てもらえます。

職務経歴書では、担当した業務を一つずつ具体的に書き出し、会社の規模や担当期間もあわせて記載すると、守備範囲の広さが伝わりやすくなります。

簿記の資格がないと経理の転職で不利になりますか?

経験者採用では、資格よりも実務経験が重視されるため、簿記がないだけで応募できないケースは多くありません。

ただし、日商簿記2級は多くの求人で歓迎条件に挙げられており、書類選考では基礎知識の証明として見られます。

資格を持っていない場合は、実務経験の内容を具体的に書くとともに、取得に向けて学習中であることを伝えるとよいでしょう。

経理から別の職種に移ると年収は下がりますか?

未経験の職種に移る場合は、一時的に年収が下がることが多くなります。

一方で、経理の経験を評価してもらえる財務や内部監査、会計系コンサルティングなどへの転職では、年収を維持したり上げたりできる可能性もあります。

年収を優先したい場合は、まず経理の中で業務範囲を広げる転職を検討するのがおすすめです。

転職エージェントは何社に登録すればいいですか?

2〜3社の併用がおすすめです。1社だけだと、紹介される求人がそのエージェントの得意分野に偏ります。

管理部門に特化したエージェントを軸にして、目指す方向に合わせて外資系やハイクラスに強いエージェント、税務の専門職に強いエージェントなどを組み合わせると、求人の重なりが少なく効率的に比較できます。

経理の転職活動は在職中に進めるべきですか?

在職中に進めるのがおすすめです。収入が途切れないため、焦って条件の合わない会社に決めてしまうことを防げます。

経理の場合は、決算期を避けて面接の日程を組み、次の決算期より前に退職と引き継ぎを終えられるよう逆算してスケジュールを立てると、現職にも迷惑をかけずに進められます。

まとめ

経理から転職したいと感じたら、職種を変えることより先に、担当する業務範囲を広げられる会社へ移ることを検討してみてください。

公開求人の集計では、月次・年次決算のみの求人と、連結決算や開示、管理職を含む求人とで、想定年収に大きな差がありました。経理の年収を決めているのは、どこまでの業務を任せられる人かという点です。

今すぐできるアクションは次の3つです。

  • 今の担当業務を、月次決算・年次決算・連結決算・開示・管理会計・マネジメントのどこまで経験しているか書き出す
  • 書き出した業務範囲から、次に経験したい業務を1つ決め、それを任せてくれる求人の条件を確認する
  • 自分の会社の決算期を確認し、決算が落ち着いた時期から逆算して転職活動のスケジュールを立てる

自分の経験でどこまで狙えるのか、求人票に出ない部門の実態はどうなっているのかを知りたい人は、管理部門に特化した転職エージェントに相談してみてください。

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