経理から財務キャリアへ進む方法とは?メリットと求められるスキル

経理から財務キャリアへ進む方法とは?メリットと求められるスキル

経理から財務キャリアへと進むためには、財務に求められる知識やスキルを理解し、経理経験をどう活かせるかを明確にすることが重要です。

本記事では、経理から財務キャリアに進む方法やメリット、転職時に押さえるべきポイントを解説します。

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主な7つの財務業務

財務部は、企業の健全成長に必要な資金調達を中心に業務をおこない、具体的に5つの業務に分けられるので詳しく解説していきます。

資金調達

資金調達は、企業が必要とする資金をどのように調達するか、また余剰資金をどのように運用するかを決定する業務です。
下記のいずれかの方法で資金調達をおこないます。

  • 金融機関からの借り入れ:融資の検討、交渉、実行
  • 社債発行: 企業が直接市場から資金を調達するための社債を発行する
  • 株式発行: 増資(新株発行)による資金調達の検討と実行
  • 資産売却: 不要な固定資産などの売却による資金捻出
  • 投資: 余剰資金を効率的に運用するための有価証券投資や不動産投資の検討と実行
  • デリバティブ取引: 為替リスクや金利リスクなどをヘッジするための金融派生商品取引

予算策定・管理

企業の事業活動に必要な予算を策定と進捗管理をおこない、経営目標達成を支援する業務内容です。

  • 予算編成:事業計画に基づいて、収入や支出、利益などの予算を策定する。
  • 予実管理:実際の業績と予算との差異を分析し、その原因を特定する。
  • ローリングフォキャスト:状況の変化に応じて予算を柔軟に見直し、予測の精度を向上させる。

財務分析・経営分析

リアルタイムに企業の状況を分析・把握し、経営陣の意思決定に必要な情報を提供します。

  • 財務諸表:貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書を用いて、収益性や安全性、成長性などを分析。
  • 経営指標分析:ROA(総資産利益率)、ROE(自己資本利益率)などから、企業の効率性や修正性を評価。
  • 投資対効果分析:新規事業や設備投信などによって生まれる収益効果を分析。
  • M&A(合併・買収)の財務デューデリジェンス:  買収対象企業の財務状況を詳細に調査・評価。

リスクマネジメント

リスクマネジメントといっても、金利変動や為替変動、信用リスクなど、様々な企業リスクに対して対応が発生します。

どれでも一つの対応がかけてしまうと企業が受ける損害は大きくなってしまうので外せない業務です。

IR業務

投資家や株主との関係を構築し、企業価値向上に貢献するための情報開示やコミュニケーションを行う業務です。

  • 決算説明資料の作成: 決算期ごとに投資家向けの資料を作成。
  • IRイベントの企画・運営: アナリストや機関投資家とのミーティング、説明会の開催。
  • 株主総会の運営支援: 招集通知作成、質疑応答準備など

経理と財務の違い

経理と財務はどちらも企業のお金を扱う重要な職種ですが、明確な違いがあります。

「役割」「業務」「スキル」「キャリアパス」の視点からみていきましょう。

役割

経理の主な役割は、企業活動の結果として発生した取引を正確に記録し、財務諸表を作成することです。その目的は、過去の取引を可視化し、法的な報告義務を果たすことにあります。

一方、財務は資金計画や資金調達を通じて企業の未来を設計する役割を担います。目的は、企業の成長を支えるために、効率的な資金運用と資金確保をおこなうことです。

業務内容

経理では伝票処理や月次・年次決算、税務申告などの作業を中心におこないます。これらは法令遵守の観点で非常に重要です。

一方、財務では主に資金繰りや資金調達、投資判断や金融機関との交渉などをおこないます。

また、大企業では経理と財務が明確に分かれていることが多いですが、中小企業では兼務することが一般的です。幅広い業務を担当するケースも少なくありません。

求められるスキル

経理には、正確性を維持するスキルや慎重さが求められます。簿記や税務の知識が必要で、詳細なデータを扱うための集中力も欠かせません。

一方、財務では戦略的思考力や、金融機関との交渉力などが求められます。リスク管理や市場分析のスキルも重視されます。

経理から財務キャリアに進むメリット

経理から財務へのキャリアチェンジには多くの魅力があります。主なメリットについて解説します。

経営に近いポジションで働ける

経理が記録や報告といった過去のデータに重点を置くのに対し、財務は計画や戦略といった未来を見据えた業務が中心です。

そのため、経営層との関わりが増え、企業の意思決定プロセスに直接関与する機会が増えます。

自分の提案や判断が企業の成長に影響を与えるため、経理とは違った仕事のやりがいを感じられるはずです。

また、経営に近いポジションで働くことで、企業全体の動きを俯瞰できる視点も身につきます。

経理で培った知識を土台に新しいスキルを習得できる

経理経験で培った財務諸表や税務の知識は、財務業務でもおおいに役立ちます。

この土台を活かして資金調達や投資判断など、より高度で戦略的なスキルを習得できます。

また、リスク管理や市場分析といった新たな分野にも挑戦できるため、自分のスキルセットを一段と広げられます。

経理からのステップアップとして自然なキャリア形成が可能なのは、財務へ移るメリットのひとつです。

市場価値が高まり、キャリアの選択肢が広がる

財務のスキルを身につけることで、人材としての市場価値が大きく向上します。

特に、資金調達や投資計画の経験を積むと、経営企画やCFOといったポジションへの道が開けます。

また、財務の経験は金融業界やベンチャー企業など多様な業界・企業で求められるため、キャリアの選択肢が広がります。

経理業務だけにとどまらず、新たな可能性を追求できるでしょう。

財務キャリアに活かせる経理経験・スキル

経理で培った経験やスキルは、財務へのキャリアチェンジでおおいに活用できます。以下では具体的なスキルと活用方法について解説します。

財務会計の知識と実務経験

経理業務で得た会計の知識や実務経験は、財務キャリアでの基盤となるものです。

財務諸表の作成や読み解きに慣れていることは、資金計画や投資判断においても役立ちます。

たとえば貸借対照表や損益計算書を分析し、企業の財務状況を正確に把握する能力は、財務戦略の立案に直結します。

また、税務調査や監査対応での経験も、財務における法令遵守やリスク管理で役立ちます。

データ管理能力や分析力

経理業務では日々多くの取引データを扱い、正確に記録・管理する能力が求められます。

この経験で培ったデータ管理能力や分析力は、財務における資金繰りや予算管理において活用できます。

さらに、経理で蓄積したデータを基にした改善提案や課題解決の経験があれば、財務戦略の策定や資金の最適配分に貢献可能です。

部門間調整の経験

経理で各部門と連携して業務を進めた経験は、財務の業務でも活かせます。

財務では経営陣や外部機関との調整が求められるため、部門間調整の経験はスムーズなコミュニケーションや交渉の場面で役立ちます。

経理で培った交渉力や調整力を活かし、銀行との融資交渉や投資家への説明を円滑に進めることが可能です。

ITスキル

経理業務で磨いたExcelやERP活用などのITスキルは、財務でも引き続き重要です。

資金管理や予算編成では、大量のデータを効率的に処理し、見やすく整理する能力が求められます。

デジタルツールや分析ソフトを駆使して財務データを視覚化したり、複雑な計算をおこなったりするスキルも、財務の仕事で活用できます。

経理から財務キャリアに進む3つの方法

経理から財務へのキャリアチェンジを成功させるためには、いくつかのアプローチがあります。どの方法が適しているかは、自身の現状やキャリアプランによって異なります。

主な3つの方法について解説します。

財務部門への異動

現在の勤務先で財務部門への異動を目指す方法は、自然なキャリアチェンジの手段です。

自社の内部事情に精通しているため、業務の引き継ぎや新しい職務への適応がスムーズに進むことがメリットです。

異動を実現するためには、財務に必要なスキルや知識を身につけていることを上司や人事部門にアピールする必要があります。

経理業務の中で財務に関連するプロジェクトに積極的に参加したり、社内研修や自己学習を通じて財務スキルを習得したりしておくと、異動の可能性が高まるでしょう。

子会社や関連会社への出向

親会社から子会社や関連会社への出向も方法のひとつです。

特に中小規模の子会社への出向では、経理と財務の業務を兼務する場合が多いため、財務経験を積むチャンスを得られます。

現場で資金調達や資金管理などの財務業務を経験することで、スキルを実践的に磨くことができます。

また、親会社でのキャリアパスを考慮しながら、新しい役割に挑戦できる点もメリットです。

出向を希望する際は自分のキャリア目標を明確にし、上司や人事部門と積極的に相談する必要があります。

財務ポジションへの転職

現在の勤務先では財務への異動が難しい場合、転職によって財務ポジションを目指すのもひとつの選択肢です。

これまでの経理経験が評価される企業を選べば、財務へのスムーズなキャリアチェンジが可能です。

転職を成功させるためには、経理経験を強調しながら、財務分野への興味や学習意欲をアピールする必要があります。

経理から財務に転職する際のポイント

経理から財務へキャリアチェンジを目指す際には、転職活動における効果的なアプローチが重要です。転職を成功させるためのポイントを解説します。

財務知識を習得・補強する

財務の専門知識がない場合、転職活動の前に基本的な知識を習得しておくことが求められます。

資金調達や資金管理、資金繰り計画などの財務業務に関する知識を身につけることで、財務ポジションへの転職に備えることができます。

日商簿記検定1級などの資格の取得も有効です。財務の基礎知識を得ていることは、応募の際に説得力を高めるだけでなく、新しい業務へのスムーズな移行にも役立ちます。

経理経験をどのように財務で活かせるのか棚卸しする

財務に必要なスキルの多くは、経理業務で培った経験を応用することで活かせます。

転職活動では、自分の経理経験を具体的な事例を用いて説明し、それが財務業務にどのように役立つのかを明確にすることがポイントです。

応募先に即戦力としての価値を伝えるために欠かせないアプローチです。

経理から財務にキャリアチェンジしたい理由を明確にする

転職理由を明確にすることは、面接で説得力をもたせるために不可欠です。

なぜ経理から財務に進みたいのかを深く考え、業務内容への興味や応募先への貢献意欲を具体的に伝えられるように準備しましょう。

たとえば「経理業務を通じて企業の財務戦略に関心をもち、自分のスキルを活かしてより経営に近いポジションで働きたい」といった明確な動機を示すと効果的です。

転職エージェントに相談する

財務は重要なポジションで求人数が限られているため、個人で探すのは難しい場合があります。このため転職エージェントの活用をおすすめします。

エージェントは非公開求人を含む多くの情報をもっており、経歴やスキルに合った求人を提案してくれます。

書類添削や面接対策のサポートを受けることで、転職成功の可能性を高めることができます。

BEET-GENTは管理部門の職種に特化した転職エージェントです。

経理・財務部門の業務内容や働き方に精通しており、スキルや経験にマッチした求人の紹介やアドバイスを通じて理想のキャリアの実現をお手伝いします。

まとめ

経理から財務へのキャリアチェンジは、経理で培ったスキルや知識を活かしながら、業務の幅を広げることができます。

また、財務キャリアを選ぶことで市場価値が高まり、キャリアの選択肢や給与面でも有利な状況を手にすることが可能です。

転職を成功させるためには、財務業務に必要なスキルを補強し、経理経験をどのように活かせるかをしっかりとアピールすることが重要です。

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