税理士科目合格は転職市場で価値が高い？おすすめの転職先も紹介

税理士科目合格は、税理士試験に最終合格しているわけではないため、その価値に不安を感じている人もいることでしょう。

しかし、近年では税理士事務所や会計事務所、事業会社の経理部門などにおいて、税理士科目合格を歓迎する動きが見られます。

専門知識を客観的に証明できることと、税理士不足の現状などの影響が考えられます。

本記事では、税理士科目合格の転職市場における価値と、ニーズが高いおすすめの転職先を解説します。

科目合格者の市場価値が高い理由

科目合格者の市場価値が高いのは、その高い専門性と税理士不足が理由です。

近年、税理士業界では税理士不足が深刻な問題となっています。

税理士の高齢化が進んでおり、とくに若手税理士の育成が追いついていないことが現状です。

一方、新たに税理士を目指す若手人材も減っており、税理士業界全体の人手不足感が増大しています。

このような背景の中で、科目合格は非常に重要な人材として位置づけられているのです。

税理士に近い知識をもつ人材や、これから税理士資格を取得できる人材としての期待があり、科目合格を積極的に採用する傾向が強まっています。

税理士科目合格は1科目でも良い？

科目合格者の市場価値は高く、1科目でも評価の対象となります。

ただし、合格科目が多いほどその価値は高まり、とくに3科目以上に合格しているとさまざまなキャリアを選択できるようになります。

1科目合格でも有効

近年では、科目合格者を積極的に採用する事務所や企業が増えており、税理士資格を目指す意欲が評価される傾向です。

このため、1科目合格者でも前向きな姿勢や成長意欲をアピールすることで、転職の際に有利な立場を得ることができます。

会計2科目を含めた3科目合格が有利

会計2科目（簿記論・財務諸表論）を含む3科目合格者は、市場価値が一気に高まります。

とくに法人税法や消費税法はどの業界でも必要な知識なので、税法の中でも合格しておきたい科目です。

3科目の合格は、会計事務所や税理士事務所などにおいては、会計と税務を両方理解していることがクライアントに対して包括的なサービスを提供できるという強みになります。

企業の経理部門においては、自社の財務状況を正確に把握し、経営陣に対して経営戦略に必要な情報を提供できることを証明できます。

税理士科目合格のニーズが高い転職先

科目合格が転職する際には、その価値を高く評価してくれる転職先を選ぶことが大切です。

特にニーズが高い転職先は、以下などが挙げられます。

税理士事務所・会計事務所

税理士事務所や会計事務所は、科目合格にとって最も一般的かつニーズが高い転職先です。

多くの事務所では、科目合格を積極的に採用し、将来の税理士としての育成を進めています。

税理士事務所では、クライアントに対する税務相談や申告業務が主な業務内容であり、科目合格の専門知識が非常に役立ちます。

また、複数科目に合格している場合は、より多くの業務を担当するチャンスが増え、自身のキャリアアップにつながる可能性が高まります。

事業会社の経理

事業会社の経理部門も、科目合格にとって魅力的な転職先のひとつです。

事業会社の経理部門では、財務諸表の作成や税務申告など会計や税務に関連する業務をおこないます。

科目合格は会計や税務に関する基礎知識を持っているため、即戦力として期待されるでしょう。

経理では、ほかにも予算管理や原価計算などの業務にも関わることができるため、幅広いスキルを身につけるチャンスがあります。

金融機関

金融機関も、科目合格のニーズが高い転職先です。

たとえば銀行や証券会社では税務知識を持つ人材が求められることが多く、とくに顧客の資産運用や融資業務においては税務上のアドバイスが重要な役割を果たします。

科目合格の中でも税法の合格者は税務の専門知識を持つため、金融商品や投資に関する税務上の問題を適切に理解し、顧客に対して的確なアドバイスを提供できます。

また金融機関では金融機関自体の経理や財務ポジションを担当することもあり、科目合格で得た会計知識や財務分析力などを活かすことが可能です。

コンサルティング会社

コンサルティング会社も科目合格にとって魅力的な転職先です。

特に税務や会計に特化したコンサルティングファームでは、科目合格が持つ専門知識が評価の対象となります。

クライアントのニーズに応じた税務戦略の立案や税務リスクの分析など、多様な業務に関わることが可能です。

コンサルティング会社では、クライアントの課題を解決するための具体的なアドバイスをおこなうため、問題解決能力やコミュニケーション能力が重視されます。

専門知識に加えてこれらの能力も必要となる点は押さえておきましょう。

税理士科目合格の価値を高めるには？

科目合格が自身の価値をさらに高めるには、実務経験を積むことやニーズの高い分野の知識・スキルを身につけることが必要です。

科目合格だけでなく実務経験を積む

実務経験は、会計人材としての信頼性や即戦力としての価値を高めるために欠かせません。

実務を経験することで、科目合格で得た知識が具体的なスキルとなり、クライアントや上司からの信頼を得やすくなります。

実務を通じて、税務調査の対応や節税策の提案といった試験勉強だけでは得られない知識やノウハウの蓄積が可能です。

また実務経験を積むことで、最終的に税理士資格を取得した際にも、より高いポジションや年収での転職が可能になります。

科目合格を活かして実務経験を積むことは今後のキャリア形成においても大切です。

M&Aや事業承継分野の知識を磨く

近年、企業のM&Aや事業承継の需要が増加しており、これらの分野に強い専門家が求められています。

科目合格がM&Aや事業承継に関する専門知識を身につけることで、他の会計人材と差別化を図りやすくなります。

この分野では、税制や法律の知識に加えて、財務や企業評価に関する理解が必要です。たとえば企業の価値評価や相続税の計算など、複雑な知識が求められます。

M&Aや事業承継に関する知識を磨くことで、中小企業のオーナーや事業承継に悩む経営者に対して大きな価値を提供でき、科目合格としての市場価値をさらに高めることにつながります。

ITスキルやデータ分析スキルを身につける

あらゆる業種でデジタル化が進む中、会計分野でもITスキルやデータ分析スキルを持つ人材の需要が高まっています。

たとえば、クラウド会計システムの操作やBIツールを使ったデータ分析のスキルがあると、業務の効率化が図れるとともに、付加価値の高いサービスを提供しやすくなります。

また、RPAやデータベースの知識を持っていると、クライアントの経理・税務業務のデジタル変革をサポートできるようになります。

これにより、税理士事務所などの業務においてより高度な業務を担当する機会が増え、自身の価値が高まるでしょう。

税理士試験の最終合格を目指す

最終的な税理士資格の取得は、長期的に見てもキャリアにおける大きなアドバンテージとなります。

税理士には独占業務があるため、科目合格の状態では得られない業務やクライアントとの信頼関係を築くための強力な武器となり、転職や昇給にも有利にはたらくでしょう。

また、最終合格を目指す過程でさらに深い知識と応用力が身につき、科目合格以上の評価を受けることができます。

税理士試験は非常に難易度の高い試験ですが、その分市場価値も高まるため、最終合格を目指すことは長期的なキャリア形成にとって重要です。

税理士科目合格の転職活動はエージェントに相談！

税理士科目合格が転職を考える際には、エージェントに相談することで多くのメリットが得られます。

まず、エージェントは科目合格を求める求人情報を豊富に持ち、求職者のスキルや希望に沿った求人を効率よく紹介してくれます。

面接や書類作成のサポートもおこなってくれるため、自分の強みをしっかりとアピールする準備が整います。

科目合格が相談するなら税理士や科目合格に特化したエージェントがおすすめです。

中でもハイスタ税理士は税理士や科目合格のキャリアに精通しており、専門的なアドバイスができます。

まとめ

専門性の高さや税理士不足を背景に科目合格の価値は高まっています。

税理士事務所や会計事務所のほかに、事業会社の経理やコンサルティング会社などでもニーズがあります。

1科目でも有効ですが、3科目以上に合格していると転職活動をさらに有利に進められます。