会計士としてのスキルを評価され、希望年収より300万円UPのオファーを獲得
監査法人から事業会社経理、更なるキャリアアップを希望されて転職
- 年 齢
- 30代後半 / 男性
- 年 収
- 800万円 → 1100万円
一人経理として働いていると、業務負担が大きく、長時間労働になることも多々あります。このよな労働環境に、不満や不安を感じているのなら転職も検討しましょう。
本記事では、一人経理の背景や問題点、転職するべき理由を解説します。
一人経理が転職活動を進める際のポイントやおすすめの転職エージェントも紹介するので、転職する際の参考にしてください。
目次
一人経理とは、企業の経理業務を一人で担当している状態を指します。
この状況では、会計業務や財務管理、給与計算など経理に関連するすべての業務を一人の担当者がおこないます。中小企業やスタートアップ企業などの規模の小さい企業でありがちな現象で、限られたリソースの中で効率的に業務をこなす必要があります。
そのため、一人経理の担当者には幅広い知識とスキル、自己管理能力が求められます。しかし、一人であるがゆえに業務の負担が大きくなることも多く、スキルアップやキャリアの選択肢を考えるきっかけになることがあります。
経理は企業の健全な経営を支えるために欠かせない部門であり、極めて重要なポジションでもあります。
そのようなポジションであるにもかかわらず、なぜ一人経理という状況が生まれてしまうのでしょうか?その背景として、以下の4つが考えられます。
経営状態が不安定な企業では、経理などの間接部門は真っ先にコスト削減の対象となります。とくに中小企業やスタートアップ企業では経理部門に多くのリソースを割くことが難しく、一人経理になりがちです。
企業の規模が小さいことから経理業務のボリュームが少なく、一人で対応可能と判断されることも多いでしょう。
経理は自社の財務状況を管理し、正確な会計データを提供することで経営判断の基盤を支える重要な役割を担っています。
しかし、直接的に利益を出す部門ではないため、業務の重要性が理解されないことも少なくありません。
とくに経営者自身がその重要性を理解していないと、単なるコスト部門という認識が強まり、できるだけ少ない人員で業務を遂行させようとします。
その結果、経理部門の人員配置が不十分となり、一人の担当者がすべての経理業務を引き受けることになります。
経理担当者の一人が退職した際に、新たな採用がおこなわれず、残った担当者がすべての業務を兼任する形で一人経理になるケースもあります。
とくに、突発的な退職者が出た場合や、予算が限られている場合などに起こりやすいです。経理人材を採用するには、採用コストや時間がかかるため経営者が採用を先送りにすることがあり、このような状況下で一人経理が発生しやすくなります。
一人で対応可能なことから、あえて一人経理にしているケースもあります。
近年のテクノロジーの進化により、経理業務を効率的におこなうためのツールやソフトウェアが数多く登場しています。自動化されたシステムやクラウドベースの会計ソフトウェアの導入によって、データの管理や分析が容易になり、経理担当者の業務負担が軽減されています。
そのため、一人でもすべての業務に対応できることがあります。ただし、この場合でも一人経理の問題点がないわけではありません。
一人経理という状況は、業務負荷の集中や突発的な事態への対応などさまざまな面において問題があります。
一人経理の大きな問題点は、担当者が一人しかいないことから業務負荷が集中することです。
経理業務は日々の入出金管理や現金管理からはじまり、税務申告や決算、予算管理など多岐にわたります。これらすべてを一人で担当する場合、労働時間が長くなりがちです。長時間労働が続くと過労やストレスが蓄積し、健康問題につながる可能性があります。
担当者が病気や家庭の事情などで急に休む必要がある場合、代替要員がいないため業務がストップするリスクがあります。
また、自然災害や事故などの予測不可能な事態が発生した場合、一人経理では迅速な対応が難しいでしょう。何事もないときには忘れがちですが、こうした突発的な事態が発生した際に、経営者やほかの部門が一人経理の問題点を認識することになります。
一人で対応できる業務量や遂行スピードには限界があるため、業務の遅延が生じることがあります。
たとえば、営業部門が顧客に請求書を持参するよう言われた場合、一人経理ではすぐに対応できずに顧客に迷惑をかけてしまうかもしれません。また、業務負荷が大きいことから疲労が蓄積されて集中力が途切れ、ミスが発生する可能性があります。ダブルチェックをする人員もいないため、ミスに気づけないおそれもあるでしょう。ミスが発生すると、顧客や取引先からの信用を失いかねません。
経理担当者が一人しかいないため、業務上の相談や共有ができず孤独を感じやすくなり、モチベーションの低下につながることがあります。
また、一人経理ではキャリアパスが限定されることが多く、将来的なキャリアアップの機会が少ないと感じることもあるでしょう。
一人経理として働くことには、多くの責任と業務負担がともないます。そんな中で転職を考えるのは、自身のキャリアや生活を見直す重要なステップです。
以下では、一人経理が転職したほうがよい理由について解説します。
たった一人で幅広い経理業務をこなすのは肉体的にも精神的にも非常に負担が大きく、長時間労働による体調不良やストレスの原因となります。
しかし、複数の経理人員がいる企業へ転職すれば業務が分散され、心身の負担が軽減されます。
一人経理のポジションでは、残業を余儀なくされる日も少なくありません。また、代替要員がいないため休暇を取得しづらい環境です。その結果、プライベートの時間が削られ、ワークライフバランスが崩れることがあります。
転職して複数人がいる経理チームで働けるようになれば、ワークライフバランスを改善できる可能性が高いでしょう。
一人経理の環境では日々の業務に追われがちになり、専門知識の習得や深掘りが難しい場合があります。
転職して時間に余裕が生まれれば自己研鑽に注力できます。また、専門性を高めるための研修や資格取得の支援が充実している企業に転職することで、より高度な知識やスキルを身につけることが可能です。周りに経理人材がいれば、その知識やノウハウを吸収することもできるでしょう。こうした取り組みによって、経理人材としての市場価値を高めることもできます。
複数人の経理人員がいる企業へ転職すれば業務上の相談や情報共有をしやすく、孤独感が軽減されてモチベーションを維持しやすくなります。また、一般的な経理部門では昇進の機会もあり、キャリアパスが広がります。
転職という新しい環境でのチャレンジは、仕事への意欲を取り戻し、キャリアの向上にも寄与するはずです。
一人経理になってしまう企業は経営が不安定なことが多いので、将来的な雇用の不安がつきまといます。このような不安を抱えることは精神的な負担にもつながり、自身のキャリアと向き合う余裕を削減します。
転職によって経営が安定している企業に移ることで、長期的に安心して働ける環境を得ることが可能です。安定した経営基盤の環境で働くことは精神的な不安を取り除き、今後のキャリア形成にも大きな影響を与えます。
一人経理の方が転職活動を始める場合には、以下のポイントを意識することが大切です。
複数人の経理チームであれば、誰かが辞めてもほかの人員で後任者の採用までの間の業務をカバーできます。
しかし、一人経理の場合は、後任者が確実に確保できてからでないと辞められないという問題があります。
また、一人経理として働いていると日々の業務に追われてしまい、転職活動の時間が取れないことが多いでしょう。そのため、転職する場合はしっかりと計画を立て、早め早めに準備を進めることが大切です。
現在の職場での業務の引き継ぎや円滑な退職を考慮して、余裕をもったスケジュールを組みましょう。
具体的な求人探しを始める前に、まずは自分のスキルと経験を整理することが重要です。
決算や税務申告といったこれまでの経験やスキルを詳細に整理し、自身の強みを再確認したうえで応募書類や面接で効果的に伝えられるよう準備しましょう。
また、一人経理としての経験は多岐にわたる業務に対応できることを示すため、その幅広さを強みとしてアピールすることも可能です。
転職活動を成功させるための鍵を握るのが、「徹底した情報収集」です。
転職先の企業文化や業界の動向、職場環境といったさまざまな情報を集めることで、よりよい判断ができるようになります。企業のホームページやSNS、転職口コミサイトなどを活用して、候補となる企業についての情報を収集しましょう。転職エージェントがもつ企業の詳細情報を提供してもらうことも有効です。
応募先でのキャリアパスや労働条件を事前に確認することは、転職後のミスマッチを防ぎ、長期的なキャリアを形成するために非常に重要です。
給与や福利厚生、働き方の柔軟性、キャリアアップの機会など、自分にとって重要な条件をしっかりと確認しましょう。不明な点は面接時に質問する、転職エージェントに確認するなどしてクリアにしておくことが大切です。
とくに一人経理からの転職では、次の職場で期待される役割や業務内容についても詳しく確認することが求められます。
転職エージェントに相談することで、キャリアや転職活動に関する専門的なアドバイスを受けることができます。
とくに経理の転職支援に特化したエージェントは、経理業界の動向や求職者の市場価値、企業ごとの採用傾向といった豊富な情報をもっているため効果的に転職活動を進められます。
また、一人経理の場合は転職活動にかける時間を確保しにくいですが、転職エージェントが求人探しや日程調整などを代行してくれます。効率的に転職活動を進められるため、忙しくて時間がない一人経理の方でも転職を諦める必要はありません。
一人経理の方におすすめの転職エージェントを5社紹介します。いずれも経理や管理部門の転職に強みをもつエージェントです。
BEET AGENTは経理や財務などの管理部門系職種に特化した転職エージェントです。
経験豊富なミドルクラスの転職支援を得意としているため、一人経理として幅広い経理経験がある方におすすめします。年収600万円~2,000万円以上の高年収求人を多く扱っているため、年収アップにつながる可能性もあります。
MS Agentは、管理部門と士業を専門に扱う転職エージェントです。
経理や財務など会計人材を必要とする求人も豊富にあります。創業30年以上の老舗エージェントなのでさまざまな企業とのネットワークがあり、自分に合った求人を見つけられます。
ジャスネットキャリアは経理・財務・公認会計士・税理士の転職に強みをもつエージェントです。
会計領域に特化することで効率的に情報を集め、貴重な情報を求職者に提供しています。ワークライフバランスをとれる求人やリモートワーク可能求人など、柔軟な働き方が可能な求人も多く扱っています。
経理エージェントは経理実務経験者の転職に特化した転職エージェントです。
サービスの大きな特徴が、有資格者ではなく経理実務者にフォーカスしている点です。扱う求人の9割以上が経理実務者を必要とする求人なので、経理実務に長く携わってきた方にマッチします。
一人経理は業務負荷が大きく心身の負担が継続しやすい働き方なので、複数人の経理人員がいる企業への転職をおすすめします。すぐに辞めるのは難しい場合も多いため、転職活動は計画的に進めましょう。転職エージェントを活用すると効率よく転職活動を進められます。
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