会計士としてのスキルを評価され、希望年収より300万円UPのオファーを獲得
監査法人から事業会社経理、更なるキャリアアップを希望されて転職
- 年 齢
- 30代後半 / 男性
- 年 収
- 800万円 → 1100万円
内部監査人としてのキャリアを築くことは、多くのプロフェッショナルにとって魅力的な選択肢です。
しかし「内部監査人になるためにはどのような経験を積むべきか」「内部監査人になったあとにはどんなキャリアがあるのか」「内部監査人に資格は必要なのか」など、キャリアに関する疑問点も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、内部監査人のキャリアパスをテーマに、内部監査人が選択できるキャリアパスと転職先の種類、理想のキャリアを実現するためのポイントを解説します。
目次
内部監査人の職に就くためには幅広い知識と経験が求められますが、具体的にどういったバックグランドが必要なのでしょうか?
まずは、内部監査人になるまでのキャリアパスについて解説します。
内部監査人として活躍するためには、管理部門のさまざまな業務を深く理解することが重要です。経理・人事・総務・法務などの管理部門を経験することで、企業全体の運営プロセスやリスクマネジメントの方法を学ぶことができます。
たとえば、経理部門では財務報告や予算管理、内部統制の仕組みを理解し、法務部門では企業のコンプライアンスや法的リスクの管理に関する知識を深めることができます。
管理部門の業務を横断的に経験することで、内部監査人としての基盤を築くことができ、企業全体の視点でリスクや改善点を見つける能力を養うことができるでしょう。
監査法人における法人監査の経験は、内部監査人としてのスキルセットを強化するうえで非常に有益です。
監査法人では、さまざまな業種や規模の企業の財務諸表を監査し、正確性やコンプライアンスを確認します。この経験により、企業の財務の健全性を評価する能力や企業の内部統制システムを評価し、潜在的なリスクを特定するスキルなどを身につけることができます。
また監査法人での経験は、独立性を保ちながら客観的に企業を評価する能力を鍛えることにつながります。これは、内部監査人にとって極めて重要な資質です。
PO準備企業での経験は、内部監査人としてのキャリアにおいて大きなメリットがあります。
IPOを目指す企業は、厳格な内部統制や財務報告の整備が求められるため、そこでの業務を通じて高度な知識と経験を得ることができます。
たとえば内部統制システムを強化するためのプロセスに関与することで、実践的な内部統制の構築方法を学べます。また、IPOの準備は大規模なプロジェクトです。計画立案から実行、問題解決までの一連のプロセスを経験することで、プロジェクトマネジメントスキルを磨くことができます。
内部監査人としてのキャリアをスタートさせたあとも、その先には多くの成長と発展の機会があります。内部監査人としてのキャリアパスについて解説します。
内部監査人としてキャリアを始めた際には、まずは一般スタッフとして実務経験を積み重ね、専門性を高めることになるでしょう。さまざまな部門の内部監査を担当することで、幅広い実務経験を積むことができます。これにより、リスクマネジメントやコンプライアンス、内部統制の理解が深まります。
また、CIAやCISAなどの専門資格を取得することも、専門性を向上させるために有効です。内部監査のプロフェッショナルとしての信頼性と市場価値を向上させることができます。
内部監査室長の役割は監査チームをリードし、監査計画の策定と実行、監査結果の報告をおこなうことです。内部監査室長になるには、チームを効果的に指導してモチベーションを高めるためのリーダーシップスキルが求められます。
なお、内部監査室長は社内の昇進ではなく、外部から登用するケースもよくあるため、自社の方針を知っておくことが大切です。大企業の場合、子会社への出向で室長になるケースなどもあります。
管理部門全体の責任者になるキャリアパスもあります。財務・人事・法務などの管理部門全体を監督することで全社的な視点をもつことができ、より広範な視点から企業の運営と戦略に関与できます。
管理部門の責任者になるには、各部門のリスクを統合的に管理し、企業全体のリスクマネジメント戦略を策定・実行する能力が求められます。
内部監査室長や管理部門全体の責任者としての経験を活かし、最終的にはCFO(最高財務責任者)やCOO(最高執行責任者)といった経営幹部や、監査役を目指すことも可能です。
経営幹部は企業の持続可能な成長を推進するための戦略的な意思決定をおこなうとともに、企業全体の戦略の実行をリードする役割を担います。監査役は、取締役の職務執行状況を監督・監査することで企業のガバナンスを強化し、透明性とコンプライアンスを確保する役割を果たします。
異なる企業や業界への転職を通じて、内部監査のキャリアを多様化し、さらなる成長を目指すこともひとつの選択肢です。異なる業界での内部監査を経験することで、幅広い業界知識と新たな視点を獲得できるでしょう。
また、グローバル企業での内部監査を経験すれば、国際的な視野とスキルを身につけることができます。
転職によって内部監査人としてのキャリアを構築していく場合、以下のような転職先が候補に挙がります。
上場企業や大企業では、複雑なビジネスプロセスや多様な事業部門を監査する機会が多く、内部統制やリスク管理の高度なスキルを習得できます。本社だけでなく子会社や関連会社も監査の対象となるため、さまざまな業務や部門に関与することが可能です。
また、経営が安定していることが多いため、長期的なキャリアを築きやすい環境であることも上場企業や大企業へ転職するメリットでしょう。
IPO準備企業では、IPO準備段階での内部統制強化プロジェクトに関与することで、内部監査人としての実践的な経験が積めます。また、IPOを目指す企業は成長過程にあり、ダイナミックな環境で働くことができます。
企業の重要な転換期に貢献することで、自身のスキルと価値を高めることができ、今後のキャリアの幅が広がるでしょう。
外資系企業の内部監査部門では、最新の監査手法やツールを使用する機会が多く、スキルアップが期待できます。また、グローバルなビジネス環境や文化を理解する機会が得られるのも魅力です。
外資系企業の内部監査へ転職する場合、資格や監査経験が求められることが多く、企業からの要求水準は日系企業よりも高いことが一般的です。
コンサルティングファームで内部統制構築コンサルタントとして働くキャリアもあります。コンサルティングファームでは、さまざまな業界や規模のクライアントに対して内部監査やリスクコンサルティングを提供することで、多岐にわたる経験が積めます。プロジェクトベースで業務にあたることが多いので、効率的なプロジェクトマネジメントスキルを養えるのも魅力です。
監査法人では、法定監査と内部監査という違いはあるものの、事業会社で習得した監査スキルや知識を活かすことができます。監査法人のなかでもアドバイザリー部門へ転職するケースや、システム系に強いならIT監査部門へ転職するケースなどもあります。
監査法人では、多様な企業の監査業務を担当できるため、豊富な監査経験を積むことができます。教育やトレーニングプログラムが充実しており、常に最新の知識とスキルを学ぶことも可能です。
内部監査分野でのキャリアは多くの魅力と可能性を秘めていますが、理想のキャリアパスを歩むためには明確なビジョンと計画が必要です。
以下のポイントを押さえ、キャリアの実現に向けて行動しましょう。
まず、内部監査のキャリアを選択するにあたり、どのような将来像を描いているのかを明確にすることが重要です。自身のキャリアビジョンをもつことで、必要なスキルや経験を積むための具体的な行動計画を立てやすくなります。
たとえば、将来的にCFOなどの経営幹部を目指すのであれば、そのために必要なスキルセットや経験をリストアップし、それをもとにキャリアを構築していくことが求められます。
内部監査人としてのスキルや知識の向上は、キャリアの発展に欠かせません。
たとえば、内部監査の国際資格であるCIAは、専門知識を証明する強力な武器となります。外資系企業や海外企業での認知度が高いため、これらの企業でキャリアを構築したい場合は取得するのがおすすめです。
また、IT監査のスキルやデータ分析の知識も現代の内部監査には欠かせない要素です。継続的な学習と自己研鑽を怠らず、新しい知識や技術を積極的に取り入れる姿勢が求められます。
企業ごとに管理職登用の方針は異なるため、管理職を目指すなら事前に確認しておくことが大切です。昇進するために求められるスキルや成果を把握し、それをもとに日々の業務に取り組むことがキャリアアップの鍵となります。
また、自社の昇進基準や評価制度を知ることで、自身のキャリアパスをより明確に描くことができます。たとえば自社での登用の可能性が低いなら、転職してキャリアを構築するという道も視野に入るでしょう。
内部監査部門が、企業内でどの程度の影響力をもっているか、発言権があるかどうかも重要なポイントです。
内部監査部門が経営陣と緊密に連携し、重要な意思決定に関与できる環境であれば、自身の意見や提案が組織の成長に直結する可能性が高まります。一方、経営陣が内部監査の重要性を理解しておらず、形式的に内部監査部門を置いているような企業も存在します。その場合、思い描くキャリアの実現やスキルの習得は難しいかもしれません。
したがってキャリアを選択する際には、自社や転職先企業の内部監査部門がどのような位置づけにあるのか、その影響力や発言権を事前に調査しましょう。そのうえで、自身のキャリアビジョンと一致しているかを確認することが大切です。
内部監査人のキャリアを歩むうえで、資格が評価される場合があります。内部監査に関する主な資格は、以下のとおりです。
CIA (公認内部監査人)は、内部監査の分野で最も認知度が高く、評価されている資格です。IIA(内部監査人協会)が認定しており、内部監査の専門知識や技術を証明します。
CIA資格をもつことで企業内での信頼性が向上し、キャリアアップの可能性が高まります。また、グローバルな認知度があるため、国際的な企業での活躍にも有利です。
QIA(内部監査士)は、日本内部監査協会主催の内部監査士認定講習会を修了した場合に与えられる称号です。日本の企業文化や規制に精通した内部監査人としての評価が得られます。
国内資格なので、日本企業でのキャリアアップに有効です。
CISA(公認情報システム監査人)は、情報システムの監査や管理、セキュリティの分野で国際的に認知されている資格です。
ISACA(情報システムコントロール協会)が認定しており、ITガバナンスやリスク管理に関する専門知識を証明します。IT関連の内部監査に携わる場合に有益な資格です。また、継続学習が必要なので、スキルや知識をアップデートできる実践的な資格としても知られています。
CFE(公認不正検査士)は、不正検査と不正防止の専門家としての資格です。
ACFE(公認不正検査士協会)が認定しており、不正行為の発見や調査、予防に関する知識があることを証明します。内部監査のなかでもとくに不正リスクの管理や不正防止に重点を置いた業務に携わる場合に有効な資格です。
CRMA(公認リスク管理監査人)は、リスク管理やリスク評価、コンプライアンスなどに関する資格です。
IIAが認定しており、リスク管理プロセスの評価や改善に関する専門知識があることを証明します。内部監査においてリスク管理の視点から組織の改善を図る役割を担う場合、この資格が役立ちます。また、英語のみの受験なので、英語力があることもあわせて証明できます。
公認会計士やUSCPA(米国公認会計士)は、会計と監査の分野で高い評価を受けるハイレベルな資格です。
内部監査においても財務データの分析や財務リスクの評価において、大きな利点となります。国際的な企業や多国籍企業で働く場合は、USCPAの資格がとくに有利に働くでしょう。
近年、ガバナンス強化やリスク管理の重要性が増すなかで、内部監査人の需要は高まりつつあります。
しかし、職種の特性から転職市場には独自の傾向や課題も存在します。内部監査の転職市場と将来性について解説します。
内部監査は企業の財務報告や業務プロセス、コンプライアンスなどの監査を実施し、リスクの管理や業務改善を推進する職種です。また、企業は業務知識や監査スキルをすぐに活かせる人材を採用することで迅速に内部監査の機能を強化し、経営の透明性や効率性を向上させたいと考えています。
そのため、基本的には即戦力として活躍できる内部監査の実務経験者が求められます。
近年、企業のガバナンス強化の重要性が増しており、内部監査の役割はますます重視されています。
企業は法規制の遵守や内部統制の強化を求められるなかで、内部監査部門の充実を図る動きを加速させているのが現状です。とくに上場企業や大企業においては、透明性の確保やリスク管理の観点、IPO準備企業では上場要件を満たすという観点から、内部監査人のニーズが高まっています。これにより、内部監査の専門知識やスキルをもつ人材は、転職市場で高い評価を受けやすくなっています。
内部監査人の需要が高い一方で、内部監査部門を設置している企業は限られているため、求人の数自体は少なめです。
とくに、中小企業においては内部監査部門がない場合も多いので、内部監査人の求人はほかの職種に比べて少なく、競争が激しくなることがあります。転職活動を行う際には、ターゲットとなる企業や業界を明確にし、ピンポイントでのアプローチが必要です。
内部監査人のニーズが高まる中で、人材の対象年齢の幅も広がっています。
従来は中堅からベテランの即戦力が求められることが多かったですが、近年では若手からベテランまで幅広い年齢層が対象となっています。若手の場合、ポテンシャルを重視した採用がおこなわれることも増え、OJTや研修を通じて内部監査スキルを磨く機会が提供されます。一方で、豊富な経験をもベテラン層も、戦略的な監査業務やチームリーダーとしての役割を期待されることが多くなっています。
内部監査の転職で転職エージェントの利用をおすすめする理由は、次のとおりです。
内部監査の求人は一般に公開されることが少なく、企業のコーポレートサイトや一般的な求人サイトに掲載されないことが多々あります。これは、内部監査が企業の機密情報を扱う職種であるため、信頼できる紹介経路を通じて人材を獲得したいという企業側の意図が反映されています。
転職エージェントはこうした非公開求人情報を多く保有しており、求職者に適したポジションを紹介することが可能です。とくに内部監査をはじめとする管理部門の求人を専門に扱うエージェントや、公認会計士やUSCPAに強いエージェントの利用がおすすめです。
企業との太いパイプを活用して、自力では見つけにくい求人を紹介してくれることがあります。
内部監査の転職活動では、応募書類の内容や面接での対応が非常に重要です。応募書類や面接で具体的な実績やスキルをどのようにアピールするかで選考結果が左右されます。
転職エージェントは、これまでに支援した多くの転職成功者や面接官の特徴などを踏まえて書類の添削や面接対策をおこなっており、求職者が自己PRを効果的におこなうためのアドバイスを提供してくれます。客観的な視点で改善点を指摘してもらうことで、自分では気づきにくい弱点を補強し、企業に対して自信をもってアピールすることが可能となります。
内部監査人としてのキャリアパスを実現するためには、業界動向や企業の内部事情についての最新情報をもっていることが重要です。
転職エージェントは、企業ごとの採用基準や社風、キャリアパスの実現可能性について豊富な情報を有しています。こうした情報は、求人情報だけでは掴むことができず自力で収集するのは困難なので、転職エージェントを利用する大きなメリットのひとつです。
内部監査の転職成功を目指す際に、利用をおすすめしたい転職エージェントを紹介します。
BEET-AGENTは、内部監査や人事、経理などの管理部門に特化した転職エージェントです。
管理部門のキャリアに詳しいアドバイザーが、求職者のキャリアアップの実現に向けて伴走しています。上場企業からIPO準備企業まで幅広い企業の求人のなかから希望に合った求人を紹介してもらえます。
公式サイト:https://beet-agent.com/
ハイスタ会計士は、公認会計士とUSCPAの転職を専門に扱う転職エージェントです。監査法人での経験を活かして事業会社の内部監査部門へ転職したい会計士におすすめします。企業と求職者の両方を同じアドバイザーが担当する両手型のサポートで、ミスマッチのない転職を実現できます。
公式サイト:https://hi-standard.pro/cpa/
REXアドバイザーズは、公認会計士や経理などの会計人材に特化した転職エージェントです。
有資格者がキャリアアップするためのノウハウが豊富なので、公認会計士が内部監査人としてのキャリアを構築したい場合に適しています。とくにシニアクラスやマネージャー経験者など経験豊富な方におすすめです。
公式サイト:https://www.career-adv.jp/
MS Agentは、管理部門系職種と士業に特化して転職をサポートしています。特化型のなかでとくに求人数が多いため、幅広い選択肢のなかから自分に合った求人に出会えます。職種に精通したアドバイザーからサポートを受けられるのも魅力です。
公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/
マイナビ会計士は、公認会計士・USCPA・有資格者に特化した転職エージェントです。若手人材の支援に強いので、内部監査人としてのキャリアを構築したい若手人材におすすめします。丁寧なサポートで安心して転職活動を進められます。
公式サイト:https://cpa.mynavi.jp/
内部監査人のキャリアは専門性を高めるほかに、管理職や経営幹部としてのキャリア、転職によるキャリアの構築などさまざまな選択肢があります。企業によって内部監査人が与える影響度や管理職登用方針などが異なるため、よく確認のうえ自身のキャリアプランに合った環境を選択しましょう。
CASE
BACK OFFICE CONTENTS
POPULAR CONTENTS
NEW REGISTER
管理部門の転職・求人紹介ならBEET-AGENT