会計士としてのスキルを評価され、希望年収より300万円UPのオファーを獲得
監査法人から事業会社経理、更なるキャリアアップを希望されて転職
- 年 齢
- 30代後半 / 男性
- 年 収
- 800万円 → 1100万円
昨今、ベンチャー企業ではIPOや投資家からの信頼獲得のために経理体制を強化する動きが活発化しており、優秀な経理人材を求めています。
求人も増えているため、ベンチャー企業に興味がある方にはチャンスが広がっているといえるでしょう。
本記事では、ベンチャー企業に転職を考えている経理人材に向けて、ベンチャー企業で働くメリット・デメリット、好まれやすい人材の特徴、強化すべきスキルなどを解説します。
目次
まずは、ベンチャー企業における経理人材のニーズはどのくらいあるのかを解説します。
近年、ベンチャー企業の経理求人が増加傾向にあります。これは、経済環境の変化にともないベンチャー企業自体が増加していることに加え、ベンチャー企業が財務基盤をしっかりと構築する重要性を認識し始めたためです。
従来のベンチャー企業では、経理をはじめとする管理部門の構築は後回しにされがちでしたが、適切な経理体制を整えることが企業の成長や投資家の信頼を得るために不可欠だと理解されるようになってきました。
このため、ベンチャー企業において経験豊富な経理人材の需要が高まっています。
経理人材のニーズは、とくにIPO準備企業や上場直後の企業において高まっています。
これらの企業は、厳格な会計基準や報告義務を遵守する必要があり、そのためには高度な専門知識と経験が求められます。
IPO準備段階では、内部統制の整備や財務報告の透明性確保が重要です。上場後も持続的な成長と株主価値の最大化を図るために、経理部門の強化が欠かせません。こうした採用目的に対応できる、経験豊富な経理人材のニーズが高くなっています。
ベンチャー企業においては、即戦力となる経理人材が求められます。ベンチャー企業は環境が急速に変化し、状況に応じた迅速な対応が求められるため、即座に業務を遂行できる能力が不可欠だからです。
また、幅広い業務範囲に対応できることや、自発的に課題を発見し解決する力も重視されます。とくに、限られたリソースで最大の効果を発揮するためには、多岐にわたる経理業務をこなすことが求められます。
経理人材がベンチャー企業で働くことで、成長の実感や有効な経験の積み上げなどさまざまなメリットを享受できます。
ベンチャー企業では、日々の業務を通じて自社の発展に貢献する実感を得られ、自身の成長も肌で感じることができます。とくに急成長中の企業では、経理部門が果たす役割は非常に大きく、その貢献度を実感しやすい環境です。
このような経験は、将来のキャリアにとっても大きな財産となります。
ベンチャー企業での経理業務は多岐にわたるため、幅広いスキルを身につけることができます。
たとえば、予算管理・財務分析・資金調達・内部統制など、通常の企業では分業化されている業務も一人で担当することが多いでしょう。また、経理だけでなく、法務・総務・人事など管理部門の幅広い業務にも携わる機会が多くあります。
これにより、管理部門全体の運営に関する知識とスキルを身につけることができ、経理人材のキャリアアップに非常に有効です。多忙な環境であることが多いですが、その分、多角的な視点と実践的な経験を積むことができます。
ベンチャー企業は組織が比較的フラットであることが多く、優秀な人材が早期に上位ポジションに昇進する機会が豊富にあります。
大企業では数年かかるポジションでも、ベンチャー企業であれば早期に到達できるケースも少なくありません。
経理人材の場合、高度な専門知識とリーダーシップを発揮すれば、将来的にはCFO(最高財務責任者)としての道が開けることもあります。
ベンチャー企業は年功序列ではなく成果主義を採用していることが多いため、若手でも努力次第で高く評価される環境です。提案が積極的に受け入れられ成果が高く評価されることで、自分の業務が会社の成果につながるという実感をもてます。
こうした環境はモチベーションの向上にも寄与し、さらなる自己成長を促進します。
IPOを目指しているベンチャー企業の場合、上場までの過程を経験できることは大きなメリットです。
IPO準備は、企業の財務体制を整えるために非常に重要なプロセスであり、経理部門はその中心的な役割を担います。この経験は希少であり、今後のキャリアにおいて非常に価値のあるものとなります。
ベンチャー企業では、個々の従業員に大きな裁量権が与えられることが多く、自らの判断で業務を進める機会が豊富です。
経理部門でも、業務改善や効率化の提案、戦略的な意思決定に関与することができます。このような環境での経験は、問題解決能力やリーダーシップを育むのに最適です。今後の経理キャリアにおいてプラスでしょう。
ベンチャー企業で働くことは大きなメリットがある一方で、複数のデメリットが存在します。デメリットを理解し、適切に対処することで転職のミスマッチを減らしましょう。
ベンチャー企業は一般的に規模が小さいため、従業員一人ひとりに多くの役割が求められます。
経理担当者も例外ではなく、経理業務以外のタスクに携わることが多くなります。総務や人事業務などの管理部門業務のほかに、場合によっては営業活動なども担当することがあります。
このような多岐にわたる業務をこなす必要があるため、経理業務に集中できない環境となりがちです。結果として、経理の専門性を深めることが難しくなる可能性があります。
ベンチャー企業ではまだ組織や制度が整っていない場合が多く、業務プロセスが曖昧であることが少なくありません。
経理業務においても、明確なルールや手順が確立されていないため、自分自身で業務の進め方を考える必要があります。新しい制度やプロセスを構築する責任を負うこともあるでしょう。
これは自己成長の機会となりますが、一方で多大な労力とストレスをともなうことも事実です。
ベンチャー企業は成長過程にあるため、急速に変化し続ける環境での対応が求められます。その結果、従業員は多くの時間を業務に費やすことになりがちです。とくに経理部門では、締め日や決算時期などのピーク時には長時間労働が避けられません。
加えて、業務範囲が広がりやすい環境であるため、通常の業務時間内にすべてのタスクを完了することが難しくなることもあります。
ベンチャー企業はまだ成長段階にあるため、大企業や安定経営の中小企業に比べて経営上のリスクや不確実性が高いのが特徴です。市場環境の変化や資金調達の難航など、多くの外部要因が企業の存続に大きな影響を与える可能性があります。
経理担当者としては、こうしたリスクに対処しつつ、経営の健全性を保つための施策を講じる必要があります。とくに資金繰りや予算管理などの面で、常に緊張感をもって業務を遂行することが求められます。
ベンチャー企業は急成長を目指すため、スピード感や柔軟性が求められる環境です。そんな環境で求められる経理人材の主な4つの特徴を紹介します。
ベンチャー企業では常に新しい課題や問題が発生するため、積極的に問題解決に取り組む姿勢をもつ人が重宝されます。指示を待つのではなく自ら進んで業務を見つけ、解決策を提案できる人材は、経理部門においても重要な役割を果たすでしょう。
たとえば、新しい経理システムの導入や業務効率化の提案など、積極的に行動することで組織全体の成長に寄与できます。
ベンチャー企業は日々進化し続けるため、急な方針変更や新しいビジネスモデルの導入に迅速に対応できる柔軟性が求められます。
柔軟に考え環境の変化に対応する力がある人は、どんな状況でも臨機応変に対応し、企業の成長を支えることができるはずです。変化があっても困難と捉えず、楽しめるくらいの人が好まれるでしょう。
自ら学び続ける姿勢をもつ人は、企業の成長とともに自身も成長できます。向上心や学習意欲が高い人は成長過程にあるベンチャー企業の特性とマッチするでしょう。
たとえば経理業務の効率化を図るためにRPAやAIツールを導入する際、自発的に学び、その知識を積極的に業務に活かすことができる人が好まれます。
ベンチャー企業の環境は長時間労働や高いプレッシャーがともなうことが多いため、身体的にも精神的にもタフな人材が求められます。環境の変化も頻繁に発生するため、変化にともなうストレスに強く、困難な状況でも冷静に対応できる力が必要です。
経理人材の場合、ば締切が迫るなかでの財務報告や多忙な時期における複数のプロジェクトの管理など、タフなメンタリティが求められる場面が多くあります。
ベンチャー企業の経理への転職を成功させるためには、どのようなスキルを磨くべきなのでしょうか。とくに強化すべきスキルを解説します。
ベンチャー企業では経理部門がほかの部門と密接に連携することが多いため、優れたコミュニケーションスキルが不可欠です。
財務情報を正確かつわかりやすく伝える能力はもちろん、ほかの部門のニーズを理解し、協力しながら業務を進める力が求められます。
たとえば、プロジェクトの進捗状況を把握し、それにもとづいて予算の調整や報告を行う際には、効果的なコミュニケーションが欠かせません。
ベンチャー企業は特定の経理業務だけに集中できる環境ではなく、多様な業務を同時に進める必要があるため、マルチタスク能力が必要です。
複数のタスクを効率的に管理し、優先順位をつけて遂行する力が求められます。効率よく業務を進めるためには、スケジューリングやタスク管理のスキルも重要です。
スピード感が重視されるベンチャー企業では財務データをタイムリーに分析し、経営陣に有益な情報を提供する能力が求められます。データをもとにした分析力は、戦略的な意思決定をサポートするために不可欠です。
たとえば、売上データやコストデータを分析し、改善点を見つけ出して提案することが求められます。
新しいビジネスに挑戦するベンチャー企業では予期しない問題が頻繁に発生するため、問題解決するスキルが必要です。問題の原因を迅速に特定し、適切な解決策を見つける能力は、経理部門においても欠かせません。
たとえば、予算オーバーやキャッシュフローの問題が発生した際には、即座に対策を講じることが求められます。論理的な思考と創造的な解決策をもつことで、経理の面から組織の成長を促進できるでしょう。
特定の資格を取得することで、転職時のアピールポイントとなり、キャリアアップの可能性が広がります。ベンチャー企業に転職する際に役立つ資格をポジションごとに紹介します。
日商簿記2級は、経理の基礎知識があることを証明できる資格です。仕訳や決算処理など実務に直結するスキルを習得できるので、経理の一般クラスとしての転職であれば取得しておくとよいでしょう。日商簿記2級に合格していることで、基本的な経理業務を迅速かつ正確にこなせる人材として評価されます。
経理の管理職または管理職候補としての転職を目指すなら、日商簿記1級や会計士・税理士の科目合格があるとよいでしょう。より高度な会計知識や税務知識を証明できます。経理の管理職として企業全体の財務状況を把握し、適切なアドバイスを提供する能力があると判断されやすくなります。
CFO(最高財務責任者)やその候補を目指す場合、公認会計士や税理士資格があると有利にはたらきます。これらの資格は、経理領域において高度な会計・財務知識を有することを証明できます。
また、社会的信頼度が高い資格でもあるので、経営陣からの信頼を得やすくなり、企業の財務健全性を維持するための重要な役割を担うことができます。
ベンチャー企業における経理部門への転職活動では、以下のポイントを意識することが大切です。
ベンチャー企業は、大企業や一般的な中小企業とは異なる独自の特性を持っています。成長スピードが速く、業務の範囲も広がりやすいため、柔軟性と適応力が求められます。
経理人材としては、一般的な会計業務に加え資金調達や予算管理、さらには事業計画の策定など幅広い業務に対応できるスキルが必要です。ベンチャー企業のダイナミックな環境に対応できるかどうか、自身のスキルセットを見直してみましょう。
ベンチャー企業では、フェーズによって求められる役割や業務内容が異なります。
たとえば、シード期やスタートアップ期では、資金調達や初期の財務管理が重要視されるでしょう。一方、成長期や拡大期には、より高度な財務戦略や内部統制の強化が求められます。
応募先の企業が現在どのフェーズにあるのかを確認し、自分の経験やスキルがそのフェーズに適しているかどうかを見極めることが大切です。
企業文化やビジョンの確認も非常に重要です。これらは従業員のモチベーションや会社全体の方向性に大きく影響を与えます。
応募先企業の文化に適応できるか、ミッション・ビジョン・価値観を理解し、それに共感できるかどうかを確認しましょう。企業文化との相性がよく、共感できるビジョンをもつ企業であれば、働きやすさとやりがいを感じられるでしょう。
ベンチャー企業には多くの可能性がある一方で、リスクもともないます。事前に企業の財務状況や市場での評価、競合他社の状況などを徹底的に調査し、経営リスクを見極めることが重要です。とくに資金繰りや市場の競争状況、経営陣のビジョンや過去の実績などに注目し、リスクの程度を把握することが求められます。
また、IPOを経験したい場合、IPOを目指す本気度は企業によって異なります。IPOを経験したくて入社したものの、実際にはそれほど本気度が高いわけではなく、思うような業務を経験できないこともあるため注意が必要です。こうした点も情報収集しておきましょう。
経理に強い転職エージェントを利用することで、ベンチャー企業に関する詳しい情報や、自分のキャリアに最適な企業の求人を提供してもらうことができます。
転職エージェントは企業の内部情報や市場動向にも精通しているため、ミスマッチを防ぐためのアドバイスを受けることも可能です。また、面接対策や応募書類の書き方についてのサポートも受けられるため、転職活動をスムーズに進めることができるでしょう。
ベンチャー企業の経理部門への転職を目指す場合には、以下の転職エージェントの活用を推奨します。
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ベンチャー企業の経理では、幅広い業務を経験できるため今後のキャリアにプラスにはたらくはずです。
ただし、長時間労働や業務プロセスの曖昧さなどベンチャー企業ならではの注意点もあります。自分に合った環境か迷ったらベンチャー企業の経理部門に強い転職エージェントに相談してみましょう。
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