経理は引く手あまたって本当?市場動向から見るキャリア戦略

経理は引く手あまたって本当?市場動向から見るキャリア戦略

「経理は引く手あまた」という言葉を耳にしたことはありませんか?

経理の仕事は、会社の事業運営に不可欠な「守りの要」であるため、どこの企業でも重宝される存在です。
しかし、自分の経理スキルが本当に市場で評価されるのか、将来どうなっていくのか、わからなくなることもあるでしょう。

本記事では、「経理が引く手あまた」と言われる理由から、市場価値を上げるための具体的なスキル、そして後悔しないキャリアプランの描き方まで、徹底的に解説します。

なぜ今、経理は「引く手あまた」と言われるのか?

あなたはなぜ「経理 引く手あまた」と検索しましたか?
「本当に経理って、そんなに求められているの?」
このような不安や疑問を感じて検索した方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、経理の実務経験者は間違いなく転職市場で高いニーズがあります。

その背景には、日本の社会構造の変化と、経理の仕事そのものの変化が大きく影響しています。

日本の労働人口減少が経理採用の追い風に

日本の少子高齢化は、あらゆる業界で人材不足を引き起こしています。

企業は成長を続けるために人材を確保する必要に迫られている一方で、かつてのように新卒を大量採用し、時間をかけて育成する余裕は多くの企業にはありません。

そこで即戦力となる経験者、特に経理のスペシャリストは喉から手が出るほど欲しい人材なのです。

経理は企業活動に不可欠な「守りの要」

経理の仕事は、会社の経営成績や財政状態を正確に記録・報告する、企業の「守りの要」です。

日々の取引の記録、売掛金や買掛金の管理、給与計算、そして決算書の作成などの業務は、会社が存続していく上で欠かせません。

経理は景気や社会情勢に左右されにくい安定した需要がある職種であるため、どんなに時代が変わっても経理は必要とされ続けるのです。

経理は「守り」から「攻め」へ

テクノロジーの進化により、経理の役割は大きく変わってきています。

AIやRPA(Robotic Process Automation)の導入により、仕訳入力や請求書の発行といった定型業務は自動化されつつあります。

これにより、経理担当者は「数字をまとめる」という単純作業から解放され、「数字を分析する」という、より付加価値の高い仕事にシフトできるようになりました。

経営層は、経理が作成した財務データを基に、事業の方向性を決定します。

そのため、財務情報を深く分析し、経営戦略に役立つ洞察を提供する「攻めの経理」が、最も求められています。

  • 経営状況を分析し、問題点や改善策を提案できる
  • 事業計画や投資判断に資する情報を提供できる
  • DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の中心的な役割を担える

このようなスキルを持った経理人材は、もはや「引く手あまた」どころか、企業にとってなくてはならない存在なのです。

あなたの市場価値はどれくらい?経理人材タイプ診断

まずは、経理人材として自分の現状を客観的に把握することが重要です。

ここでは、あなたの市場価値を左右する要素と、4つのタイプに分類して解説します。

あなたのキャリアプランを考える上で、自分がどのタイプに当てはまるのか、そしてどのタイプを目指したいのかを明確にすることが重要です。

市場価値を左右する3つの要素

あなたの市場価値は、主に以下の3つの要素で決まります。

経験年数・実務経験

何年経理の仕事をしてきたか、どのくらいの規模の会社で働いてきたか、どんな業務(月次決算、年次決算、開示業務など)に携わってきたか。

スキル・資格

日商簿記などの経理の基礎知識、PCスキル、そして税務や会計基準に関する専門知識。

マネジメント経験

チームや部下のマネジメント、業務改善プロジェクトのリーダー経験など。

これらを総合的に評価することで、あなたの「市場価値」が見えてきます。

あなたはどのタイプ?経理人材4つの診断

あなたの経理経験は、大きく分けて以下の4つのタイプに分類できます。

ルーティン業務のエキスパート

  • 特徴: 日々の経費精算、売掛金・買掛金の管理、月次決算など、定型業務を正確かつスピーディーにこなすのが得意。実務経験が豊富で、経理業務のフローを深く理解している。
  • 市場での評価: 安定した需要があり、多くの企業で必要とされる。特に中小企業では重宝される存在。
  • 想定年収レンジ: 350〜550万円程度

専門スキルを持つスペシャリスト

  • 特徴: 特定の分野で深い知識と経験を持つ。
    例:税務(法人税、消費税など)
    国際会計(IFRS、USGAAPなど)
    M&Aや事業再編に伴う会計処理
    IPO(新規株式公開)準備
  • 市場での評価: 非常に希少価値が高い。特に上場企業やグローバル企業で求められる。
  • 想定年収レンジ: 600〜1,000万円以上

変化に対応する次世代型経理

  • 特徴: 最新のITツールやデータ分析に抵抗がない。経理システム導入、RPAによる業務自動化、BIツールを使ったデータ分析などを得意とする。
  • 市場での評価: これからますます需要が伸びるタイプ。DX推進に力を入れている企業から熱烈なオファーが来ることも。
  • 想定年収レンジ: 500〜800万円程度

組織を動かすマネジメント経験者

  • 特徴: 経理部門のマネージャーやリーダーとして、メンバーの育成、業務フローの改善、部署の目標設定・管理などを経験している。経営陣とコミュニケーションをとり、部門全体の最適化を図ることができる。
  • 市場での評価: どの企業でも求められる即戦力。特にマネジメント経験は、若手社員の育成に悩む企業にとって非常に魅力的。
  • 想定年収レンジ: 700万円〜

市場価値を劇的に高める!経理の転職を成功させるスキルアップ術

「自分のタイプはわかった。じゃあ、具体的に何をすればいい?」
経理の実務経験を積んだうえで、理想の経理人材として活躍するためにはスキルアップも必要です。
ここからは、あなたの市場価値を劇的に高めるためのスキルアップ術を解説します。

ライバルに差をつける専門スキル

経理の実務経験に加えて、専門性を高められる資格を取得して市場価値を上げましょう。

  • 日商簿記1級:簿記の知識をさらに深めたい人におすすめです。より高度な会計処理や企業会計原則を学ぶことができます。
  • USCPA(米国公認会計士):外資系企業やグローバル企業で働きたい人には必須。国際的な会計基準(IFRS、USGAAP)の知識は、非常に重宝されます。
  • 税理士・公認会計士:言わずと知れた経理・会計で最も専門性の高い資格です。取得には時間と労力がかかりますが、転職市場での評価は計り知れません。

未来を切り拓くDXスキル

経理業務もDX化がっ進んでいるため、これからの経理人材にはこれらのスキルも求められます。

  • 経理ソフトの知識:SAP、Oracle、勘定奉行などの主要な経理ソフトの知識は、転職先で即戦力として活躍するために重要です。
  • RPA・BIツールの知識:RPA(ロボットによる業務自動化)やBIツール(データ分析ツール)の知識があれば、業務効率化や経営分析に貢献できます。

経理部の仕組みづくりを実行するマネジメントスキル

将来的にチームリーダーや管理職を目指すなら、マネジメントスキルを身につけましょう。

  • 業務改善の経験:「請求書の発行フローを改善して、作業時間を20%削減した」など、具体的な業務改善の実績は高く評価されます。
  • 後輩指導・育成の経験:新人や後輩に経理業務を教えた経験は、リーダーシップやコミュニケーション能力をアピールできます。

【経理の転職成功へのロードマップ】今日から始める具体的なステップ

スキルを身につけるだけでなく、転職活動そのものを戦略的に進めることが、成功の鍵となります。

経理としての転職軸を明確にする

「とにかく今の会社から逃げたい」という理由だけで転職をすると、後悔する可能性が高いです。

まずは以下の問いに答えて、転職の軸を明確にしましょう。

  • なぜ転職したいのか?(例:年収を上げたい、スキルアップしたい、ワークライフバランスを改善したい)
  • 新しい会社の経理部で何を成し遂げたいか?(例:上場企業でIRに携わりたい、グローバル企業で活躍したい)
  • 絶対に譲れない条件は?(例:残業は月20時間以内、リモートワーク可)

経理経験を最大限にアピールする応募書類の作成

応募企業とのファーストコンタクトは応募書類です。そのため、応募書類の作成は重要になります。

たとえば、単に「月次決算を担当」と書くだけでは、あなたの魅力は伝わりません。

  • 数字で実績を具体化する
    「月次決算を担当(担当企業数50社、処理件数1000件)」
    「業務効率化プロジェクトに参加し、作業時間を30%削減」
  • スキル・知識を明確に記載する
    「日商簿記2級、MOS Excel Specialist」などの資格を明記。
    「SAP, Oracleの操作経験あり」など、使用したツールも具体的に記載する。

このように、具体的な実績を記載することで、本当に業務経験があることをアピールすることができます。

面接で自信を持って語るための準備

面接でよく聞かれる質問に対しては、事前に回答を準備しておきましょう。

  • 「なぜ経理職を選んだのですか?」
  • 「これまでの経理経験で、最も大変だったことと、それをどう乗り越えましたか?」
  • 「当社の経理部門で、どのように貢献できますか?」

これらの質問は多くの経理転職で質問されます。これらの質問に対して、あなたの経験を交えながら具体的に回答することが重要です。

経理特化の転職エージェントを活用する

転職サイトも良いですが、経理の転職には専門の転職エージェントの活用がおすすめです。

転職エージェントでは、転職サイトには掲載されていない非公開求人を取り扱っていることがあります。
また、応募書類の添削や面接対策、年収交渉を任せることが可能です。

株式会社アシロが運営する管理部門に特化した転職エージェントの「BEET-AGENT」は上記サービスをすべて提供しています。

経理から考えられるキャリアの可能性とは?

経理の仕事で培った知識と経験は、他職種でも大いに活かせます。

  • 経営企画:経営戦略の立案や事業計画の策定など、経理で培った数字の分析能力が活かせます。
  • 事業企画:新規事業の立ち上げや、既存事業の改善を数字の視点からサポートします。
  • コンサルタント:企業の財務改善や業務効率化を支援するコンサルタントとして活躍できます。

経理の仕事は、まさにビジネスの根幹を支える仕事です。その知識と経験は、あなたのキャリアの選択肢を無限に広げてくれるでしょう。

まとめ

本記事を読んで、経理の仕事が「引く手あまた」である理由と、その中であなたの市場価値を高める具体的な方法が見えてきたのではないでしょうか。
経理の仕事は、地道で目立たないかもしれません。しかし、あなたの持つ知識と経験は、どんな会社でも、どんな時代でも必要とされる強力な武器です。
そして、少しでも経理としてのキャリアアップを考えるのであれば、まずは一歩踏み出してみましょう。

経理の転職市場の動向を調べることや、転職エージェントに相談してみる、スキルアップのために学習を始めることで、自分らしい経理キャリアを築くことができます。

 

 

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