経理の転職におすすめな時期とは？転職が成功しやすいタイミング

経理の転職を検討する中で、「今の自分にはどのタイミングがベストなのか」「どの時期に転職すべきか」といった点に悩むことも多いはずです。

本記事では、経理の転職に有利な時期について、求人の増加時期や経験年数に応じたタイミング、年収アップなどの観点から解説します。

転職活動のスケジュールや応募の際のポイントにも言及するので、転職活動にお役立てください。

経理の転職が有利な時期はいつ？

経理の求人は特定の時期に集中する傾向があり、そのタイミングを狙うことで、より多くの選択肢の中から自分に合った職場を見つけることができます。

以下で、経理の転職が有利な時期を解説します。

年度替わり

年度替わりは、経理の求人が増える代表的な時期のひとつです。

特に日本の企業では4月から新年度が始まるため、年度替わりに合わせて新しい人材を確保しようとする動きが活発化します。

年度の予算や組織体制の変更に伴い、経理部門でも新しい人員が必要になるケースが増えるため狙い目の時期といえるでしょう。

採用活動は年明けから年度末にかけての1月〜3月頃にピークを迎えます。

このタイミングで積極的に転職活動をおこなうことで、多くの経理の求人情報にアクセスできます。

決算期前後

決算期の前後も求人が増えやすい時期です。

企業にとって決算期は重要な業務が集中する時期であり、多くの企業が四半期決算や年度決算を迎えるタイミングで人員不足が顕在化します。

決算期を迎える前に人材を確保しようとする企業も多く、具体的には1月〜2月や10月〜11月に求人が増える傾向です。

繁忙期後

経理部門の繁忙期が過ぎたあとも、求人が増えるタイミングとして注目すべきです。

繁忙期である年末調整や決算期が終わると、業務の負担が軽減され、採用活動に注力できる状況が整う企業が増えます。

こうした背景から、年末調整が終わる1月〜2月や、年度決算が落ち着く5月〜6月には、新たな人材を募集する動きが活発化するといえるでしょう。

また、繁忙期を乗り越えたあとに退職者がでる場合もあるため、そのタイミングで欠員補充がおこなわれるケースもあります。

【経験年数別】経理の転職に必要なキャリアの目安はある？

経理で転職を考える際、自身の経験年数をもとにタイミングを判断することは重要です。

それぞれのキャリアステージに応じた適切なタイミングを選ぶことで、キャリアアップや満足度の高い転職を実現できます。

以下では、経験年数別に転職に適したタイミングを解説します。

3年未満

経験年数が3年未満の場合、転職を考える際には慎重な判断が求められます。

この段階では、仕訳入力や経費精算などの基礎業務を経験し、経理の基本的な知識を習得していることが一般的です。

しかし、決算業務や税務申告などのより専門的なスキルをもっていない場合、転職市場での評価が限定的になる可能性があります。

企業側が求める即戦力としてアピールするには、最低でも2年〜3年の経験が求められることが多いため、経験やスキルによっては現職でさらに経験を積むことも必要です。

月次や年次決算の経験を積むなど転職後に強みとなる実績を作ることで、転職市場での選択肢が大きく広がり、希望条件に合ったポジションを見つけられます。

強い動機からこのタイミングで転職する場合は、即戦力としてのスキルや経験の不足を補うために、ポテンシャルや意欲を伝えることが求められます。短期間で習得したスキルや経験を具体的に示すことも重要です。

3年～5年

実務経験が3年〜5年の段階は、経理職として一通りの経験を積み、一定のスキルや強みが確立されています。

実務担当者として転職市場で高く評価されやすいタイミングなので、積極的に転職を検討しましょう。

特に月次決算や年次決算の経験を積んでいる場合、即戦力として多くの企業からの需要が見込めます。

また、税務申告や監査対応の経験がある場合は、さらに付加価値の高い人材として認識されるでしょう。

この時期は自身の経験をしっかりアピールすることで、キャリアアップや理想的な労働環境の実現が可能です。

5年～10年

経験年数が5年～10年の段階では、経理職としての専門性が高まり、さらなるキャリアアップを目指せます。

単なる実務担当者ではなく、チームをまとめる役割や経営層と直接関わるポジションを狙うことが可能です。

特に、マネジメント経験や財務・管理会計の知識がある場合は、管理職候補・管理職としての採用が期待できます。

豊富な経験をもとに、外資系企業やベンチャー企業など新たなキャリアへの挑戦も可能です。

専門性を活かして待遇や職場環境を大きく向上させるチャンスも多く、転職後の満足度が高まる可能性があるかもしれません。

年収アップの転職を成功させる3つのタイミング

転職を考える際に、年収アップを狙えるタイミングを見極めることも重要です。

戦略的なタイミングで転職活動を始めることが高収入につながります。

以下では、年収が上がりやすいタイミングについて解説します。

実務経験5年以上のタイミング

経理職として実務経験を5年以上積むと転職市場での評価が大きく高まるため、年収を上げることが可能です。

特に年次決算の主担当として業務を完遂した実績や税務申告の経験、内部統制や監査対応の経験などがあると年収交渉で有利にはたらきます。

マネジメント経験を積んだタイミング

経理部門でチームリーダーやマネージャーとしての経験を積むと、年収アップの可能性が大きく広がります。

特にマネジメントスキルをもつ人材を求めている企業において、管理職経験がある方は有利です。

管理職経験はなくても、チームのリーダーとして業務の進捗管理をおこなった経験やメンバーの教育や指導に携わった経験などがあればアピールできます。

資格の取得後

経理や会計に関連する資格を取得したタイミングも、年収が上がりやすい時期です。

特に日商簿記検定1級や税理士および科目合格、公認会計士・USCPAといった市場価値が高い資格を取得することで、年収アップ交渉の強力な材料にできます。

資格があるとスキルの専門性や広範囲の業務に対応できることを証明できるため、好条件でのオファーが見込めます。

企業のフェーズ別ではどんな経理人材が求められている？

企業の成長段階に応じて、求められる経理人材のスキルや役割は異なります。

それぞれのフェーズで経理部門に期待される役割を理解し、自分の経験やスキルがどのフェーズに適しているかを把握することで、キャリア形成を効果的に進めることができます。

以下では、企業のフェーズ別に求められる経理人材について解説します。

スタートアップ・成長期

スタートアップや成長期の企業では、スピード感をもって業務に取り組める柔軟な経理人材が求められます。

また、このフェーズでは経理体制がまだ確立されていない場合が多いです。

そのため、採用条件には日常的な記帳や請求書処理といった基本的な業務から、経営陣の意思決定をサポートするための財務データの提供まで、多岐にわたる業務をこなせる力が求められます。

そして、成長期に入ると業務量が増加するため、効率化や業務フロー整備の取り組み、会計ソフトの導入や業務の標準化・自動化に関する知識がある人材は特に重宝されるでしょう。

IPO準備中

IPO準備中の企業では上場を見据えた厳格な会計処理や、監査法人・証券会社との連携が必須となるため、会計基準や内部統制に精通した経理人材が求められます。

特に開示資料の作成経験や、内部統制の構築・運用経験がある場合、非常に高く評価される傾向です。

また、IPO準備中は短期間での変革が求められるため、変化に柔軟に対応できる適応力や複雑な課題を解決する問題解決能力が必要になります。

成熟企業

成熟した企業では、安定した経理業務を担える正確性と専門性が求められます。

このフェーズの企業ではすでに業務フローや内部統制が整備されているため、それにもとづいて確実に業務を遂行できる人材が重宝されるでしょう。

特に、月次決算や年次決算、税務申告業務を正確かつ効率的にこなせることが重要です。

また、成熟企業では経営層や他部署との連携が求められるため、経営資料の作成や分析能力がある人材も高い需要があります。

たとえば、管理会計や予算編成、コスト削減提案といった分野での経験がある場合、経営に直接貢献する存在として評価されます。

グローバル展開を進める企業では、IFRS（国際会計基準）の知識や、海外子会社との連携経験がある人材が求められる傾向です。

いつ転職すべきか迷ったときの判断基準

最適なタイミングを見極めるために、自分なりの基準を設けて判断することが大切です。

以下では、転職の判断基準として考えられる4つのポイントを解説します。

ライフイベントを基準にする

ライフイベントは、転職を考えるうえで重要なタイミングのひとつです。

結婚や出産、家族の介護などの大きなライフイベントが控えている場合、これを機に自分の働き方やキャリアを見直すのも有力な方法です。

たとえばこれまで残業が多い職場で働いていた場合、ワークライフバランスを重視した企業に転職することで、家族との時間を確保できます。

キャリアアップを基準にする

現在のキャリアが停滞している場合やさらに成長したいと感じている場合には、キャリアアップを基準に転職を検討するのが効果的です。

同じ業務を長期間続けている、昇進の機会が限られているといったケースでは、スキルや経験を活かして次のステージに進むことを考えてみるべきです。

より専門性の高い業務やマネジメントポジションに挑戦できる環境を選ぶことで、将来のキャリア形成に役立ちます。

現職の業績や景気の動向を基準にする

勤務先の業績や景気の動向も転職を検討する際の重要な基準です。

企業業績が低下している場合や、リストラや部署縮小の兆候があると感じた場合などには、早めに転職活動を始めることでリスクを回避できます。

一方、経済や業界の景気が好調なタイミングでは求人が増加し、好条件での転職が期待できるでしょう。

このような外部環境の変化を敏感に察知し、自分にとって有利なタイミングを選ぶことが、よりよいキャリアの選択につながります。

現職の職場環境や働き方を基準にする

職場環境や働き方を基準に転職を検討することも可能です。

たとえば、過度な残業や休日出勤が続いている場合は、働き方を見直すよいタイミングにあたります。

人間関係のトラブルや上司との相性の悪さを感じている場合や、同僚の退職が相次いで職場の雰囲気が悪化している場合も、転職を考えるきっかけのひとつです。

心身の健康やモチベーションを守るためにも、現職の状況が自分の希望と大きくかけ離れている場合は、次のステップを踏み出すことも検討しましょう。

転職スケジュールの立て方

転職活動を成功させるためには計画的なスケジュールを立てることが重要です。

明確な目標をもち、適切な準備を進めることで、スムーズに転職を進めることができます。

以下では、転職活動を効率的に進めるためのステップを解説します。

転職予定日を決める

最初に転職予定日を設定しましょう。現在の職場を辞めるタイミングと、新しい職場でのスタート日を逆算するために必要です。

また、具体的な目標日を設定することで、転職活動に意欲的に取り組むことができます。

退職手続きや引継ぎに必要な期間を考慮し、予定日から逆算してスケジュールを組みましょう。

応募の準備期間（3～4か月前）

転職予定日の3～4か月前には、自己分析と業界研究を始めましょう。

自分の強みやスキルを明確にするために業務経験を整理し、どのような企業や業界が向いているかを考えることが重要です。

また、興味のある業界についてリサーチし、その業界のトレンドや求められるスキルを把握します。

ここでの準備が求人選びや面接でのアピールに大きく役立ちます。

求人応募、面接準備（2～3か月前）

転職予定日の2〜3か月前には、求人の選定と応募を始めます。

この段階では、応募する企業を絞り込むために、条件や働き方を優先順位付けしましょう。

応募書類を具体的かつ魅力的に仕上げと同時に、面接準備も開始する必要があります。

自己PRや志望動機をしっかりと練ることで、面接に自信をもって臨めます。

面接（1～2か月前）

転職予定日の1〜2か月前には、面接のスケジュールが進んでいる段階です。

この期間中は応募した企業からの連絡を待ちながら、複数社への応募を進めることも大切です。

面接では企業の情報を再度確認し、質疑応答の練習をおこないましょう。

また、面接が進むにつれて、内定を得た際の条件交渉についても準備しておくとスムーズに進められます。

退職手続き（内定後）

内定を得たあとは、現在の職場での退職手続きに入ります。

まずは直属の上司に退職の意思を伝え、退職日を調整しましょう。

企業によっては退職までに1〜2か月の猶予が必要な場合もあるため、早めにスケジュールを調整することが重要です。

また、引継ぎや業務整理を計画的に進めることで、現職での最後の印象を向上させられます。

経理が転職を成功させるポイント

経理職の転職は、適切なタイミングとアピール方法を選ぶことで成功の確率が大きく向上します。

特に、応募先企業のニーズに合ったアプローチが重要です。以下では、経理職の転職成功のために押さえておきたいポイントを解説します。

成果を定量的にアピールする

定量的な実績を具体的に伝えることで、採用担当者に自分の能力を明確に理解してもらえます。

たとえば「月次決算を5日短縮」「年間200万円の経費削減を達成」など、具体的な数字や実績を交えてアピールすることで、即戦力としての信頼感を与えることができます。

応募先の求める人材像に合ったスキルを強調する

応募先企業がどのような経理人材を求めているかを理解し、それに合ったスキルや経験をアピールすることが成功のポイントです。

たとえば、スタートアップ企業では幅広い業務経験を重視することが多く、大手企業では専門的な知識や規模に応じた経験が求められます。

応募先の企業が求める人材像や業務内容に合わせて自分のスキルセットや経験を整理し、アピールポイントを絞り込むことが重要です。

企業研究を十分におこない、どのスキルを強調すべきかを見極めましょう。

時期に合ったアピールをする

転職活動をおこなう時期に応じたアピールをすることも重要です。

たとえば、繁忙期前に転職活動をおこなう場合、即戦力としてすぐに業務に貢献できる点を強調しましょう。

決算期後に転職活動を始める場合は、業務改善の意欲や次期計画への参加意欲を示すことなどが効果的です。

転職エージェントに相談する

転職エージェントの活用は、転職活動を効率的に進めるために非常に効果的です。

求人選定や応募書類の作成支援、面接対策など、転職活動全般をサポートしてくれます。

特に企業ごとのニーズや求人動向に精通しているエージェントを選ぶことで、成功確率を高められます。

BEET–AGENTは、管理部門系職種に特化したエージェントです。

経理の働き方や業務内容に詳しく、自分ひとりでは見つけられない非公開求人や企業内部の情報を提供してもらえます。

転職のタイミングで迷っている場合には、お気軽にご相談ください。

まとめ

経理の転職を成功させるには、適切なタイミングを見極めることが重要です。

求人が増えやすい時期や年収アップを狙えるタイミング、企業のフェーズに合わせたアプローチを意識することで、自分に合った職場を見つけられます。

転職エージェントを活用して、成功に導くためのサポートを受けることもおすすめです。