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税理士試験では1科目でも合格していれば税理士科目合格者となり、一般企業への就職・転職に役立てられます。
本記事では一般企業で評価されやすい科目や、税理士科目合格者が一般企業の面接を受ける際の注意点を紹介します。
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目次
税理士科目合格者は、一般企業に就職・転職する際に有利になる場合がほとんどです。
経理や会計の知識を有する人材を求めているのは、税理士法人や会計事務所だけではありません。たとえば、自社で税務業務をおこなっている一般企業では、高度な税務知識をもつ税理士科目合格者が優遇されます。
なお、税理士科目合格者が一般企業に就職・転職する場合は、経理部門や経営企画部門に配属されることが一般的です。
ここからは、税理士科目合格が一般企業に就職・転職するにあたって評価されやすい4科目を紹介します。これから税理士科目合格を目指す方や、すでに税理士科目合格を果たしている方は、ぜひ参考にしてみてください。
簿記論とは、企業の経営状態を明らかにすることを目的に、経営活動を記録・計算するものです。簿記論の簿記は「帳簿記録」の略称で、日商簿記1級と出題範囲が8~9割程度重なっています。なお、簿記論は会計学に属する科目であり、税理士試験の必修科目のひとつです。
一般企業の経理部門や経営企画部門に就職・転職する場合、必ず簿記資格について確認されます。税理士試験の簿記論に合格していれば、優遇される可能性が高いでしょう。
財務諸表論とは、企業の経営状況や業績を報告するための書類を作成するものです。簿記の考え方を基礎として、財務諸表の作成手順やルールを学びます。
財務諸表論は簿記論と同様に税理士試験の必修科目のひとつであり、簿記論とあわせて勉強するのが一般的です。
経理や会計において、財務諸表を読み解く力は欠かせません。自社で税務業務をおこなう一般企業でアピールすれば、高く評価されることも多いでしょう。
法人税法とは、法人に対して課される法人税について定めた法律です。
法人税法は税理士試験の税法に属する科目であり、所得税法と並んで難易度が非常に高い科目として知られています。なお、法人税法と所得税法の受験者数を比較すると、法人税法のほうが圧倒的に人気があり、一般企業での使用頻度も法人税法のほうが高いでしょう。
また、法人税法の科目合格を果たしていれば、一般企業へ就職・転職する際に、収入面でも優遇されることがあります。
消費税法とは文字どおり消費税に関する法律のことで、実務に直結しやすい科目です。消費税法は出題範囲が限定されるため、受験者および合格者が多く、税理士科目合格を目指しやすいのが特徴です。
さらに、消費税法の知識は、幅広い業界・企業で役立ちます。一般企業でも求められる知識なので、就職・転職の際には大きな強みとなるでしょう。
税理士科目合格者に対する評価は、企業規模や業種によって異なります。
たとえば、高度な税務知識を必要とする一部上場企業の場合、税理士科目合格者は収入面でも優遇されやすいでしょう。しかし、基本的な税務知識を有する人材を求めている中小企業の場合、税理士科目合格者はとりわけ高く評価されるわけではありません。
また、業種によっても税理士科目合格者の評価には差があり、科目によっては大きなアピールとはならない場合もあります。基本的に、前述した4科目はどのような業種でも評価されやすいものの、相続税法や酒税法など限定された業種でのみ評価される科目に合格している場合は、アピール方法を考えたほうがよいかもしれません。
一般企業に就職・転職した税理士科目合格者は、主に経理部門や経営企画部門に配属されます。
多くの場合、経理部門や経営企画部門の責任者を経て役員に昇格したり、系列会社の責任者に任命されたりします。キャリアの頂点として、最終的には最高財務責任者(CFO)として、最高経営責任者(CEO)らとともに企業活動をマネジメントすることも可能です。
つまり、部門責任者から始まり、役員や系列会社責任者を経て、最終的にはCFOを目指すキャリアパスが一般的といえるでしょう。
税理士試験では1科目でも合格すれば税理士科目合格者となり、就職・転職に有利になります。
そこで、ここからは合格科目数ごとの評価基準を紹介します。ひとつずつ合格科目数を増やして、より有利な就職・転職を実現しましょう。
1〜2科目に合格している税理士科目合格者は、経理や会計に関する基本的な知識を有する人材として高く評価されます。場合によっては経理部門や経営企画部門の責任者として、組織のマネジメントを任せられることも少なくありません。
特に簿記論を含めた2科目以上に合格している税理士科目合格者は、就職・転職の際に優遇されやすいでしょう。簿記2級および簿記1級の合格者よりも高く評価される可能性が高いので、積極的にアピールするべきです。
税理士試験の3科目に合格している場合は、大手企業や有名企業でも高い評価を受けられるでしょう。
大手会計事務所のなかには「3科目以上に合格していること」と条件を掲げているところもあり、3科目に合格している方は専門職でも重宝されることがわかります。一般企業においては、一目置かれる存在となるでしょう。
ただし、一般企業の場合、合格科目によって評価に差が生じます。例えば、財務諸表論や法人税法の合格者はより高く評価される傾向があります。科目によっては評価対象にならず、望んだ待遇を受けられない可能性もあるため注意しましょう。
4科目合格者は、税理士有資格者と同等の知識を持つとみなされ、年収のアップにも期待できるでしょう。
しかし、一般企業のなかには合格科目数よりも実務経験を重視する企業も少なくありません。実務未経験の場合、大手企業や有名企業では思ったような評価を受けられない可能性があるため、まずは中小規模の企業で実務経験を積むことをおすすめします。
履歴書で税理士科目合格をアピールするには、「免許・資格」の欄に記入するのが効果的です。下記のとおり、合格年次と合格した科目を書きましょう。
年(西暦) | 月 | 免許・資格 |
---|---|---|
20XX年 | X月 | 税理士試験 簿記論 合格 |
20YY年 | Y月 | 税理士試験 法人税法 合格 |
また、現在税理士科目合格に向けて勉強している場合や、過去に受験した科目がある場合は、「その他特筆すべき事項」の欄に次のように記入することで、学習意欲をアピールできます。
年(西暦) | 月 | 免許・資格 |
---|---|---|
20XX年 | X月 | 税理士試験 簿記論 受験 |
ただし、不合格科目は得点が高い場合のみ記入するにとどめておきましょう。なお、勉強中の科目や不合格科目については、履歴書に記入しなくても問題ありません。どうしても意欲を伝えたい場合は、面接時に口頭で伝える方法もあります。
ここからは、一般企業への就職・転職を希望する税理士科目合格者に向けて、面接を受ける際の注意点を解説します。志望企業の面接を受ける前に、ひととおり確認しておきましょう。
税理士科目合格者が一般企業への就職・転職を希望する場合は、税理士法人や会計事務所ではなく一般企業を選んだ理由を明確に伝える必要があります。伝え方を間違えると、「税理士試験に合格できなかったから」「税理士になれないから一般企業を志望しているのでは?」と思われてしまい、マイナスの印象をもたれてしまう場合があるので注意が必要です。
基本的に、面接では志望理由を聞かれます。その際には、「一般企業の経営に興味があるから」「税務知識を活かしつつ、税理士法人や会計事務所では経験できない業務にも携わりたいから」など、一般企業を選んだ理由を前向きな言葉で表現しましょう。
一般企業は税理士法人や会計事務所とは異なり、税務知識に乏しい社員が面接を担当することもよくあります。あらかじめその場合を想定し、合格した科目を活かせる部署や部門、業務内容を提示するのがおすすめです。例えば、財務諸表論に合格している場合は、「財務部門で決算書の作成や分析に貢献できます」と具体的に説明するのが効果的です。
税理士科目合格の有用性を理解してもらえたら、面接の評価が高まる可能性があります。キャリアプランとあわせてアピールし、一般企業で働く姿をイメージしてもらいましょう。
税理士科目合格者は、税理士法人や会計事務所だけでなく、一般企業への就職・転職でも多くの場合優遇されます。特に簿記論・財務諸表論・法人税法・消費税法の4科目は高く評価されるので、これから税理士科目合格を目指す方は4科目から勉強することをおすすめします。また、面接を受ける際は一般企業を選んだ理由を明確にアピールして、前向きな伝え方を意識しましょう。
税理士科目合格者の方が一般企業への就職・転職を希望する場合は、専門的な転職エージェントの利用も検討してみるとよいでしょう。これらのエージェントは、高年収帯の求人情報や、応募書類の作成から面接対策まで幅広くサポートしているケースが多いです。
税理士科目合格という強みを活かし、自身のキャリアプランに合った企業選びをすることが重要です。また、継続的な学習と実務経験の蓄積により、さらなるキャリアアップの可能性も広がります。ぜひ、自身の強みを最大限に活かせる就職・転職を目指してください。
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